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【SF】隠れた名作漫画『寡黙の刻』を紹介してみる【マンガ】

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寡黙の刻 1 (ヤングジャンプコミックス)

寡黙の刻 1 (ヤングジャンプコミックス)

過去を改変する物語

この漫画は平たく言うと、小惑星落下に伴う核戦争プロテウスクライシスにより
放射能の塵の世界で滅亡寸前の状況にまで追い込まれた人類が
過去にさかのぼって破滅の原因を取り除いて未来を変えるという
タイムスリップして過去改変と今ではすごい流行ってるストーリー。


この手のタイムスリップものはあらすじだけ言ってしまうと
とてもシンプルで味気ないものだけど、
そこに主人公をはじめとした魅力的なキャラクターたちが
それぞれの目的や想いで動くことにより物語に魂が吹き込まれる。

「決着の時」に向けてすべての運命を巻き込み
物語が加速しつつ収束していく。

寡黙の刻はこの点において非常に成功していると個人的には思う。

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綿密な構成

作品の冒頭のシーンでは、全ての決着がついた直後が描かれます。
タイムスリップにより過去を変えるハードSF作品が他のあらゆるジャンルよりも
気を付けなければならないのが、物語構成です。

多くの場合最初の時点で物語の構成のほとんどを構築していないと
凄まじい矛盾の嵐で大変なことになったりするんだけど、
最初にラストを持ってきたというのはちゃんとそれをやってる。


またストーリー中で「これからの展開の断片」が提示されたり
全3巻という短さ(収録の読み切り分を抜くともっと短い)という点も
その点しっかり作りこんでいる証拠だと思います。


まあ、短いわりに情報量が多くそれでいてスラスラ読めるので
短さを感じさせない読後の満足感は間違いなくあります。

連載時期という仕掛け

上記の綿密で緻密な構成と関連するのですが、
この作品には連載時期と言う非常に大きな仕掛けがしてありました。

連載されていたのが漫画雑誌のウルトラジャンプなのですが、
作中で小惑星プロテウスが地球に落下するはずだった日が
2000年の12月、そして最終回が掲載されたウルトラジャンプ
発売されたのが2000年12月です。

まあこの仕掛けはコミックス版では何の意味もないけど・・・、

現在はネットで無料で配信されているのでオススメです。