定期テストが迫っている、我が家の子どもたちです。
私も仕事の締め切りが近いため、たいして見てやれていませんが、今回は実技教科もあって、いつも以上に悪戦苦闘している息子。
家庭科のテストが結構大変そうだというので、どれどれ、と教科書をチラ見してみました。
範囲は、「自立」や「被服」や、「子どもの発達」、「ジェンダー」、「親になるとはどういうことか」などなど……う~ん、結構膨大ね(^_^;)。
私が高校生の頃の家庭科で、ジェンダーなんて習ったかな?
世の中の変化に合わせて、教科書で扱うことが変わってきていますね。
教科書の中に、気になるコラム的な囲みがありました。
スーザン・フォワードさんの『毒になる親』という本について書かれていました。
この本は私も発売当初に読んだし、友達の間でも話題になりました。
主に母親との関係に悩んでいる人へ向けて書かれていたと思います。
家庭科の教科書が、毒になる親の特徴をまとめてくれていましたので、そちらを引用してみます。
子どもの毒になる親の特徴
その1.子どもは親に恩があると思う。
その2.子どもを所有物として扱う。
その3.親子の会話がない。
その4.子どもの感情を抑えつける。
その5.子どもの批判ばかりする。
その6.プライバシーを認めない。
その7.子どもが考えたことを否定する。
(実教出版株式会社『新家庭基礎21』より
実際の本の中には、もっと詳しく、アルコール依存の親や、暴力を振るう親などについても述べられています。
このような親に育てられた子どもは、自己肯定感が著しく低く、大人になってもなお、親に精神的に支配され続けて苦しむ、というのが筆者の主張。
でも、最後は、親を変えるのは無理なのだから、自分の考え方を変えて乗り越え、自分の人生を生きましょう、というようなメッセージで終わっています。
もがく人生との決別
“ゲーム”に勝つための唯一の道は、“ゲーム”をしないことなのである。
やめる“ゲーム”とはつぎのようなことだ。
1.自分の苦しみがなくなるように親を変えようとすること。
2.親の愛情を勝ち取るにはどうしたらいいのかと考えること。
3.親の考えや言動に対して感情的に反応すること。
4.いつの日か親は真心のこもったサポートをあたえてくれるだろうという幻想を持つこと。
(スーザン・フォワード『毒になる親 一生苦しむ子供』より)
うーん、なかなか手厳しい"(-""-)"。
誰しも、親に対しての不満とか、うまくいかないことを抱えているのだと思いますが、
この本を手にとった人というのは、もうそろそろ乗り越えていい時期に来ているということなのでしょうか。
私は自分が親になる前と、親になった後でこの本を読みましたが、親になる前に読んだときは、子どもという立場から、自分が親に言われたりされたりして嫌だったこと・傷ついたことを思い浮かべました。幸い私の両親は、毒親というほどではなく、ごく普通の親だったと思いますが、それでももちろん完ぺきではないわけで、納得いかなかったことや泣きたくなってしまうようなことなどはあり、親を責めたい気持ちも抱きました。
でも、親になった後に読み返してみたら、自分が自分の子どもたちに親として接するとき、
「自分は毒親になってはいないだろうか?」
という不安にさいなまれ、一生懸命やっているんだけど、どうしてもうまくいかないこともあるんだということを実感としてわかるようになり、かつての若かりし自分の親もそうだったのかなあ、と思うようになりました。
親も、親として生きるという経験に初挑戦していたのですから、失敗もあって当たり前ということに気づきました。
「責めてもしょうがない。もう許そうかなあ。」
そう思えたとき、スッと気持ちが楽になりました。
著者のスーザン・フォワードさんが言いたかったことも、やはり、
「生きるのが苦しいのはあなただけのせいじゃない。でも、もうそろそろ乗り越えて、前に進みましょうよ。」
ということなのだろうと思います。
(本の中では、いろんな毒親のパターンで苦しんできた人達が、親との間の葛藤(時には対決!)を乗り越え、精神的に自由になって、自分の人生を歩んでいく様子が紹介されています。)
家庭科の教科書では、この本を紹介した後、
「子どもには安心感を持って生活できる保育の場が必要であること。そしてそのような場を、これからあなたたちが用意していくのですよ。」
というような内容の記述につながっていました。
高校生が、今この本を読んだら、親になる前の私がそうだったように、
「いずれ親になるであろう自分」
よりも、
「今の自分の親に対しての不満」
にフォーカスしてしまう可能性が高いような気がしますが、でも、どんな家庭を築きたいか考えるとき、自分の育ちを振り返ることは必須なので、考える機会としては、良いのかな。
なんだか心なしか、教科書のこの囲み部分に息子が引いていたアンダーライン、他の部分より、色が濃くないか(笑)?
ぶつぶつ読んでいた時も、そこだけ声、大きくない(笑)?
ねえ、ちょっと(ー_ー)!!
「毒親の棄て方」なる指南書まである↓。
「姥捨」さながらじゃないの( ̄◇ ̄;)!
……棄てられないよう、き、気をつけようっと……。
子どもとして読んだら救われそうですが、親として読んだら耳が痛いであろう本がいっぱい(*ノωノ)。
ほんとに気をつけよう(−_−;)……。