かきがら掌編帖

数分で読み切れる和風ファンタジー*と、読書・心理・生活雑記のブログです。

音楽隊の音楽会②(陸自)

 

少し前のことになりますが、9月1日に、すみだトリフォニー大ホールで開催された、

陸上自衛隊中央音楽隊 第155回定期演奏会』へ行ってきました。

 

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音楽隊のコンサートは、今年2月の海自に続き2回目です。

最高峰の吹奏楽を無料で鑑賞できる演奏会なので、チケット当選の倍率は相当高いようです。申し込み方法は、それぞれの音楽隊ごとに、はがき、往復はがき、インターネットなどがありますが、今回は陸自のホームページから申し込んで、当選すればメールが送信されてくる方式でした。

 

私はクラシック音楽に詳しくないので、残念ながら、知らない曲は「みんなおなじ」ように聞こえます。せっかくの音楽会で、万が一にも眠くなったりしないよう、予習しておくことにしました。

YouTubeで演奏予定曲を探してブックマークし、家事などをしているときに漫然と流すだけでも耳になじんできて、「いいな」とか「ここ好き」と思う箇所が出てきます。

そして、演奏会前日に、最初から最後までまとめて聴けば、点がつながって線になるように、なんとなく曲全体のイメージが出来あがり、ライブで聴くことへの期待も高まってくるのです。

 

さて、満を持して、すみだトリフォニーホールへ♪

 

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第1部の指揮者は、音楽隊の樋口隊長です。

① 国家「君が代

② スウェーデン・シグナル・マーチ 第1番

③ 祝典序曲 作品26

 ②~③は、スウェーデンと外交関係を結んで150年の節目に当たるということで、スウェーデンの作曲家の曲です。幕開けにふさわしく、きらきらと明るく勢いのある演奏でした。樋口隊長の天性の明朗さみたいなものが、舞台だけではなく、ホール全体に行き渡っていく感じです。

④ 「スペイン組曲 第1集」より “セヴィーリア”

 予習したYouTubeの動画は「with Dance」で、フラメンコの踊り手が共演していました。両手に持つカスタネット(パリージョ)と、床を踏み鳴らしてリズムをとる音(サパテアード)が、パーカッションで情熱的かつ軽快に表現されているように感じました。

⑤ パプアニューギニア国軍楽隊行進曲 マーチ「ポート・モレスビー」

 本邦初演の行進曲。パプアニューギニア軍楽隊に、過去3年にわたり演奏技術の面で支援してきたというお話を、司会の音楽隊員の方から伺いました。

⑥ 春~吹奏楽のための序曲

 演奏が始まってまもなく、中央音楽隊の歌姫・松永美智子さんが登場しました。現れたのは、ステージ後方のパイプオルガン前の高い位置にある合唱席で、ライトが当たると、まるで空中ステージのような趣きです。スウェーデンの民謡 “私が18歳だったとき”を、たおやかに歌う姿に見とれました。 


第2部は、客演指揮の新通英洋さんがタクトを振ります。

① 小組曲 1.小舟にて 2.バレエ

 今回の予定曲目のなかで、知っていた唯一の曲「小舟にて」が美しく優雅に演奏され、1曲目が終わったあとの深い余韻に、思わずといった感じの拍手が起こりました。
 新通さんは、笑顔で肩越しに振り返り、称賛に応えて大きく一礼をしてから、次の「バレエ」の演奏を始めました。一瞬でファンになりました。

② 第1組曲 1.シャコンヌ 2.インテルメッツォ 3.行進曲

 吹奏楽の古典的名曲として知られている曲で、皆さんがとても楽しそうに演奏されているのが印象的でした。

③ 歌劇「ピーター・グライムズ」より “4つの海の間奏曲”
  1.夜明け 2.日曜の朝 3.月の光 4.嵐

 静謐な夜明けから始まる豊かな情景にひたっているうち、さいごは激しく荒れ狂う北海の嵐のただなかまで運ばれていきます。ドラマチックなエンディングに、「Bravo!」の声と盛大な拍手が起こりました。

 指揮者の新通さんが、演奏し終えた楽譜を胸元に掲げ、共に拍手を受けている姿には、音楽に対する愛と敬意があふれていました。

 

 アンコールは、聞いたことはあるけれど曲名がわからないクラシックの、ランキング上位に入るのではないかと思われる曲です。

ビゼーアルルの女」第2組曲より “ファランドール

ほんとうに、すばらしい演奏でした。

 


「ファランドール」"Farandole" 陸上自衛隊 中央音楽隊『水曜コンサート』赤坂

 

アンコール2曲目は、樋口隊長の指揮で、

ベートーヴェン「第九」より “歓喜の歌” 

ソプラノ独唱の松永さんは、まず日本語で格調高く、優美なヴォカリーズをあいだに挟んでから、ドイツ語で力強く歌い上げました。「格好いい」の一言に尽きます。 

 

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 大満足で外へ出ると、雨上がりの道路に水たまりができていました。

2曲目のアンコール前、樋口隊長が、演奏会のあいだに雨が降ったことを告げ、

「どうぞ足元にお気をつけてお帰りください」

と、ごく普通のことをアナウンスしているのに、その何気なくユーモラスな語り口のため、客席に笑い声が広がったことを思い出しつつ、帰途につきました。

 

 

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