挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
異世界で交換日記してた元女勇者レベル99が、リアルで彼女になりました。 作者:SchwarzeKatze

リノンの試験

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました
79/84

リノンは注文ボタンを押した!!

勉強も終わったので、ひとバトル♪

…てか、ユウスケもつられて勉強してたけど…。

図書館を出て、私はユウスケの手を取る。


「じゃあ、行くよ!」


私たちは世界が割れる音とともに、異世界のはざまにいざなわれる。


「モンスターは?」

「えっと、私の好きなクマ!」


なんというか、固い経験値をもらえるモンスターよりも、

戦った気分になれるから…。


「じゃあ、行くよ!!」

「うん!」


私は掛け声とともに、クマに襲い掛かる。

ユウスケはクマに炎の魔法をぶつける。

…まぁ、私一人でも余裕だけど…ユウスケの経験値も

稼ぎたいから、攻撃してもらう。


「うりゃぁぁぁ!!」


私は毒針でクマの喉笛を横なぎ、続けて急所…心臓に毒針を

打ち込む。


「…!?」


クマは悲鳴を上げることが出来ずに、倒れる。

そして、クマの血しぶきを私はもろに浴びる。


「…なんだか、リノンらしいね…。」

「そう?」


っと、異世界のはざまが消える前に、お土産つけなきゃ。

私は毒針にポーチから取り出した、

チンアナゴのボールペンを括り付ける。


「それでいいの?」


ユウスケは不思議そうに見つめる。


「うん、もしかしたらこれで届くかもって。」


何回かバトルして気が付いた事。

ユウスケの世界の物でも、

簡単なものであれば異世界のはざまに持ち込めるらしい。

一度、スマホで記念撮影しようとしたけど、

その時は持ち込めていなかった。

…基準は分からないけど、少なくてもポーチとボールペンは

持ち込めるらしい。


「送れるか、楽しみだね。」

「うん♪」


こうして、異世界のはざまは消えてゆき、元の世界に戻っていた。


「リノン、ボールペンはまだある?」


ユウスケが不安そうに尋ねる。

私はポーチの中を調べてみる。


「うん、なくなってる。

大丈夫じゃないかな?」


私はユウスケにそう告げる。


「無事届くといいね。

じゃあ、ご飯にしようか?

何食べたい?」

「お魚~!」

「じゃあ、またあのファミレス行こうか?

学校からも近いから。」


そういうと、ユウスケは前に働いていたファミレスへと向かう。

…そっかぁ…。

私にとっては初めてユウスケとご飯を食べた、思い出の場所だなぁ…。


「いらっしゃいま…って、新田君か。」


あれ?

ユウスケの知り合いかな?


「はい、どうも…。」

「…それより、噂の彼女連れてきたの?可愛いね…。」

「…噂って…。」


ユウスケはなんか、ひそひそ話ししてる…。

まぁ、いいや。


「時間が無いから、席お願いしていいですか?」

「あぁ、わかった。こっちの席でどうだい?」

「ありがとうございます。」


ユウスケと二人で席に着く。


「ねぇ、ユウスケの知り合いなの?」

「うん…まぁ、ここで僕はバイト…働いてたから。

先輩だよ?」


そういえば、初めてここに来た時、いっぱい人来てたなぁ…。

もしかして、異世界から来た私が珍しいとか?


「…私、異世界から来たってバレてるのかな…。」

「いや、そうじゃないから、安心して…。」


ユウスケは少し疲れたように答える。

さて、ご飯、ご飯♪

メニューも慣れたし。

でも、このメニュー、写真がいっぱいで見やすいなぁ…。

むこうの世界でもあると便利なのになぁ…。


「私はこれにする!」


アジのフライ定食を指さす。


「じゃあ、僕はこれにしよう…。」


そう言って、ユウスケはボタンを押そうとする。


「…それ、私押してみたい。」

「え?いいけど…。」


ユウスケはボタンを私に差し出す。

私は、恐る恐るボタンに指を置き、力をこめる。


「ピンポーン」


店の奥の方で音が鳴る。


「ユウスケ、これでいいの?」

「お待たせいたしました、ご注文をどうぞ!」

「ひゃ!!」

「?」


私は店員さんがすぐに来て、驚いて声を出してしまう。


「ユウスケ、店員さん早いね…。」

「いや、良いから早く注文しよ…。」


ユウスケはそそくさと注文をする。


「僕はハンバーグ定食で。」

「私はアジのフライ定食お願いします。」

「ありがとうございます。

ハンバーグ定食にアジのフライ定食ですね。」

「はい。」


あれ?

どことなく店員さんがニヤニヤしてる…。


「ユウスケ、あの店員さんも知り合いなの?」

「うん、まぁ…。」


ユウスケはバツが悪そうに答える。

…せっかくの二人でご飯なんだから、元気にしてほしいなぁ…。


+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。