リノンの試験
リノンの苦手教科
「う~ん…ユウスケ…。」
私は夢を見ていた。
なんだか…とっても幸せな夢。
ユウスケが近寄ってきて、体を抱き寄せて…。
「ユウスケ…ここでそんな…。」
「リノン~!朝よ~!」
あ、お母さんの声だ。
私は布団から起き上がり、返事をする。
「は~い、今起きます!」
「今日は試験の日だから、服は…そうね、
こっちに来た時の服なんてどうかしら?」
「わかりました。」
私は、むこうでお世話になっていた、「しとやかなドレス」を
装備…もとい、に、着替える。
「おはようございます!」
「食事の準備ができてるわよ。
そうだ、ユウスケも起こしてきてくれない?」
「わかりました。」
私はそういうと、ユウスケの部屋に向かう。
今日も…こっそり入ってみようかな?
「!?」
「きゃ!!」
ユウスケは着替え中だった。
私は慌てってドアを閉める。
「頼むから、ノックして!!」
「わ、わかった!!」
一瞬だったけど…ユウスケの着替え姿、見ちゃった…。
忘れようとしても、目に焼き付いて…。
…いいや、大事にしとこ…。
「…お待たせ…。ノックはしようね?」
「うん…。」
ユウスケに軽く怒られる。
…いいじゃん、見たって減るもんじゃないし…。
私たちは一緒に食卓に着く。
「「いただきます!」」
「今日はリノンの試験だね。
勉強は順調かい?」
「はい、今日図書館で仕上げます。」
「じゃあ、頑張ってね。」
お父さんにそう言われ、私は今日の意気込みを伝える。
絶対に受かって、ユウスケと同じ学校に行くの!
「合否は明日発表だから。
それ次第で、新学期の準備するからね。」
「わかりました。
ありがとうございます。」
お父さんにお礼をする。
…何としても受からなきゃ…。
「「ごちそうさまでした。」」
ご飯を食べ終わり、私とユウスケは図書館に行く準備を始める。
「気を付けて行ってきてね!」
「わかりました。行ってきます!」
「行ってきます。」
私はユウスケの手を取り、図書館に向かった。
「今日は午後から試験だから、
ご飯食べる時間も作らなきゃね。」
「うん、わかった!」
午後からの試験かぁ…緊張してきた。
「リノンはどの教科が苦手?
聞いたところだと、5教科の試験らしいけど…。」
「現代社会かな…。
覚えることたくさんあって…。」
…そうなのよね…。
他の教科…数学は何とかなったし、国語は変わらないからわかるとして…。
英語はなんとなくで叩き込んで、科学もむこうと変わらなかったから…。
…こっちの世界が書かれてる現代社会なのよね…問題は…。
「…現代社会は簡単なところだけ覚えて、
他の教科に集中しようか?」
「うん、それがいいかも…。」
「それにしても、なんで英語は大丈夫なの?」
「むこうでも古代文字とか読んでたから、それに似てるかも?」
ユウスケは少々困惑したような表情を見せる。
「古代文字?」
「うん、そうだよ?
ダンジョン攻略する時によく読んでたから。」
そして、私たちは図書館に入っていった。