2018年9月にリリースされたデスクトップ版Google Chrome(以下、Chromeと略)のバージョン69(Ver.69)はユーザーインタフェースが大きく変わりました。実際にVer.69を使ってみて、アドレスバー(オムニボックス)に表示されるURLに違和感を覚えたのではないでしょうか?
Chrome Ver.69では、URLのドメイン名(「//」から次の「/」まで)の部分から、「www」や「m」といったサブドメイン名が省略されて表示されるようになりました。
アドレスバーのURLを編集するために2回クリックすると、「http://」や「https://」といったスキームの部分とともに、隠れていたサブドメインが現れます。
この仕様で困るのは、「example.com」のように「www」などのサブドメイン名が付かないドメイン名(ネイキッドドメイン)からなるURLの場合、「www」付きの場合と全く同じ表示となり、区別が付かないことです。
その一方で、「www」「m」のようによく使われているサブドメイン以外の場合は、省略されずに表示されるようです。
Webサイト管理者/担当者にとっては、こうした仕様だと、例えばテスト中のページのURLが意図したものかどうか、一目で判断できません。
もし、このような仕様が不便だと感じるなら、Chromeの設定を変更することで、「www」などのサブドメイン名を再び表示させることができます。以下では、その手順を説明します。
Chromeで「chrome://flags」というURLのページを開くと、実験的な機能に関する設定ページが表示されます。そこにある[Omnibox UI Hide Steady-State URL Scheme and Trivial Subdomains]という項目で[Disabled]を選択して、この機能を無効化すると、アドレスバーに「www」などのサブドメイン名が表示されるようになります。
この項目を見つけるには、ページ上部にある検索ボックスに「subdomain」と入力するのが早いでしょう。あるいは次のURLを指定すると、当該項目までジャンプします。
chrome://flags/#omnibox-ui-hide-steady-state-url-scheme-and-subdomains
Chromeの再起動後、「www」付きのドメインを含むURLのページを開くと、アドレスバーに「www」が表示されるはずです。またHTTPSサイトの場合、「https://」の部分も表示されます。
一方、HTTPサイトの場合、上記の設定をしても「http://」は表示されず、代わりに「保護されていない通信」というメッセージが表示されます。
元の仕様(「www」「m」などのサブドメインを表示させない)に戻すには、前述の[Omnibox UI Hide Steady-State URL Scheme and Trivial Subdomains]を[Enabled]に設定します([Default]だと、元に戻らないことがあります)。
「chrome://flags」の設定ページで設定を変更したくない場合、chromeを起動する際に次のコマンドラインオプションを指定することでも、同様に「www」「m」などのサブドメインを表示させることが可能です。
--disable-features=OmniboxUIExperimentHideSteadyStateUrlSchemeAndSubdomains
すでに「--disable-features」オプションを指定している場合は、その末尾に、半角カンマで区切りつつ「OmniboxUIExperimentHideSteadyStateUrlSchemeAndSubdomains」を付け加えます。
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