おはようございます。
9月11日時点でVWO(バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF)の取引値が40ドルを割り、39.98ドルとなっています。
1月末のピーク時には50.99ドルをつけたことを考えますと、約8ヶ月で20%強値を下げたことになります。
トルコリラを発端とする新興国の通貨危機の問題に解決の目処がつかず、資金が米国に集中している状況ですから、今しばらくは辛抱の時期が続きそうです。
VWO(新興国株式ETF)がついに40ドル割れ
世界の株式市場の動向をチェックしてみる
私の場合は、VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)をメインに投資しています。
VTの中で、新興国株式の占める割合は約8〜9%に過ぎませんが、VTのパフォーマンスに大きな影響を与えています。
それは、以下のチャートを見れば一目瞭然です。
緑がVTI(米国)、紫がVT(全世界株)、赤がVEA(米国を除く先進国)、青がVWO(新興国)です。
(Yahoo financeから引用)
VTIは年始から+7.7%と良好なパフォーマンスですが、VTは-0.1%と横ばいです。
また、VEAは年始から-6.9%、VWOは-14.4%という状況で、これらが明らかにVTのパフォーマンスを低下させていることが分かります。
特に、トルコを発端とする通貨危機により、7月以降のVWOの下げ幅が凄まじいことになっています。
新興国株式の集合体であるVWOですらこのパフォーマンスですから、通貨安に歯止めがかからない一部の国ではこんなものではありません。
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VWOとトルコ、南アフリカ、ブラジル株ETFを比較
新興国市場の中の一部の国のパフォーマンスをVWOと比較してみます。
以下のチャートは、青線がVWO(新興国全体)、緑がEZA(南アフリカ)、オレンジがEWZ(ブラジル)、赤がTUR(トルコ)です。
(Yahoo financeから引用)
2018年始からVWOが-15%に対して、EZAとEWZが-29.5%、TURに至っては-54.1%という状況です。
先ほどのチャートではVWOのパフォーマンスひどいな、という印象でしたが、このチャートを見ると「まだVWOで良かった」という感想になるのではないでしょうか。
このように、新興国は国内の政治情勢や通貨の不安定性によって、その国から急激に資金が引き上げられる可能性があるため、一国への集中投資はハイリスクです。
一方で、VWOの中には投資対象としてあまり魅力を感じない国がどうしても混じりこんでしまいます。
私の場合は、中国やロシアなどの市場に対する政治介入のリスクが大きな国はあまり好みでありません。
新興国市場は魅力的ではありますが、自分のニーズに100%合致する低コストな商品が存在しないのが悩ましいところです。
そういった現状ですから、私自身は今のところVTを通じて間接的に投資する戦略を採用しています。
まとめ
長期的な視点で見た時に、新興国市場の成長性には私も大いに期待しています。
一方で、2018年だけに限れば、新興国市場への投資の難しさ、ボラティリティの大きさが浮きだつ結果になっています。
株式市場には浮き沈みの流れがありますので、いずれは新興国が活躍するフェーズも必ず来ると思います。
今は辛抱の時期でしょう。
こんな記事も書いています。
VWOの詳細に関する記事です。新興国株式ETFですが、実際には中国と台湾の占める割合が大きいことに注意しましょう。
インデックス投資の王道は世界分散投資だと思います。投資信託を利用して低コストで世界分散投資をする方法を紹介しています。
VTを通じて新興国市場に間接的に投資をするのも有効な手段です。時価総額に応じて自動的にリバランスされますから安心ですね。