海賊版サイトは、オンラインのストレージサイトに何者かがzipファイルなどをアップして公開する「サイバーロッカー」型や、漫画村のようにネット上の画像を自動で収集・保存する「機械収集クローン型」など、いくつかの種類に分けられる。
海外では「スキャンレーター」(スキャン+翻訳)と呼ばれる、日本語が分かる現地の漫画ファンたちが海賊版サイトを支えているという。赤松さんによると、スキャンレーションは3~5人のチームで行われ、スキャン、翻訳、最終チェックなど工程ごとに分業されている。プロの翻訳家ではないので翻訳の質は安定せず誤訳も少なくないとしている。
「作品や作家への理解が深いので、プロの翻訳家より良い翻訳をすることもある。彼らは誇りを持ってやっていることが多い」(赤松さん)
おおもとになる原本(RAWデータ)を調達する「Raw provider」と呼ばれる存在は、日本国内にいるようだ。
2015年11月、「週刊少年ジャンプ」に連載中の漫画「ONE PIECE(ワンピース)」を雑誌発売前に無断でネット上にアップロードしたとして、配送会社の社員を含む中国人3人が京都府警に逮捕された。「配送業者が発売前の雑誌を外部に渡し、報酬を受け取っている」(赤松さん)
漫画村がアクセスできなくなった後も、いまだにこうした海賊版サイトは存在し続けている。赤松さんは、海賊版サイト対策として以前から各社の漫画を1つのサイトで読める「出版社横断プラットフォーム」を作ることを提案している。
赤松さんは「横断プラットフォームを作るなら、大手出版社は全て参加しないと意味がない」と話す。だが、現状横断は不可能という。
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