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過去の管理者が決め、既に設定している理由が分からないものに関しては、真剣にやめることを考えるべきでしょう。その部分の設定確認や動作確認が不要になるだけではなく、デフォルト設定のままの方が、トラブルシューティングが簡単になるからです。
それ以外についても、多くの設定や作り込みを削減し、可能な限りセットアップ後(アップグレード後)に配布(再配布)できるよう、Active Directoryやサードパーティー製の配布ツールを利用するといいでしょう(たとえ設定が消えてしまっても、元に戻す方法があればいいともいえます)。
実際に当社も、過去から引き継がれていた設定の多くを整理しました。正直に言うと、なぜこの設定をしていたのか、分からないものが多かったです。そして、Active Directoryのグループポリシーで設定できるものもありました。この機会にぜひ、設定の棚卸しをお勧めします。
設定を削減することで、クローニングからの脱却も容易になります。これまでの連載でも触れてきた通り、アップデートサイクルが短くなったWindows 10では、クローニングの運用は厳しくなります。
そのため、当社ではプロビジョニングパッケージでの展開を推奨していますが、クローニングに比べ、プロビジョニングは設定できる項目が少なくなります。しかし、それだけでも問題なく運用できる可能性だってあるのです。
もっとも、クローニング時に実行するシステム準備ツール(Sysprep)は全ての設定を維持するとは限りません。Windows 10のアップデートとともにどんどん変更される可能性があります。実際、既に残せなくなった設定なども出てきていますが、それはSysprepの“お約束”です。今後も、プロビジョニングパッケージより設定可能な項目が多いという保証はありません。日本マイクロソフトも次のようにコメントしています。
Sysprepのツール自体は現行OSでサポートされていますが、設定可能な範囲は実際にSysprepを実行して得られた結果の範囲までです。(中略)OSの設定箇所は非常に多数にわたり、それら全ての設定できる箇所と設定できない箇所を網羅するリストはありません。
(出典:Windows 10でのSysprepを用いたマスターイメージの作成に関する注意点・推奨事項(Technet))
さて、ここまで動作テストに臨む際の鉄則2つをご紹介しました。次回はいよいよ動作テストをうまく回すコツの本編です。それはズバリ「動作テストをしない」こと! お楽しみに。
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