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こんにちは。横河レンタ・リースで、ソフトウェアの製品開発を担当している松尾太輔です。情シスにおける“Windows 10対策”を紹介している本連載では今回、いつの時代もIT管理者を悩ませる、「動作テスト」についてお話ししたいと思います。
Windows 10は半年周期でOSがアップデートされますが、そのたびにPCそのもの、OS、そしてアプリケーションと全ての動作テスト(検証)を行うには、膨大な労力が必要です。いくら必要だからと言われても「はい、分かりました」と簡単に捻出できるものではないでしょう。実際、この問題に悩む企業は少なくありません。
次々と襲い掛かる(?)動作テストの「波」をうまく乗り切るためには、さまざまな工夫が必要ですが、その前に必ず守らなければならない、2つの「鉄則」があるのです。
各ソフトウェアベンダーは、新しいWindows 10がリリースされると、その動作テストを行い、「自社のアプリがそのまま動くのか」「対応した新しいバージョンにアップデートする必要があるのか」といった情報を提供するのが一般的です。この情報を「互換情報(コンパチビリティ)」と言います。ユーザーは、Windows 10のアップデートより前に、この互換情報を確認することで、不要なトラブルを避けることができるわけです。
では、現在のところ、各ソフトウェアベンダーはどれくらいのスピードでWindows 10の新バージョンとの互換情報を提供し、IT管理者はバージョンアップの準備を始められるのでしょうか。
2018年5月31日、Microsoftは「Windows 10 and the “disappearing” SAC-T」というタイトルのブログにおいて、「Semi-Annual Channel Targeted」の表記をなくしていくことを予告しました。
このブログの中で、Microsoftは以前のCB(Current Brunch)とCBB(Current Brunch for Business)は、それぞれが異なるリリースだと「誤解」されてしまい、企業のIT部門やソフトウェアベンダーにおいて「CBBがリリースされないとテストを始められない」「CBBのリリース後にサポートを開始する」といった事態が発生した、と述べています。正直、この感覚は「誤解」というより、防衛本能と呼んだ方がいいように思います。
実際のところ、私はソフトウェアベンダー側の人間でもありますが、正式リリース前の「Insider Preview」で自社製品の動作を確認しても、ユーザーに「大丈夫です!」と胸を張って言う自信はありません。
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