平成28年度 滋賀医科大学附属 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1,013 447 512 939 993 1,263 2,716 3,088 1,357 127
(全体の集計方法と定義)
• 平成28年4月1日から平成29年3月31日までに退院された患者さんが対象です。
• 医療保険を利用した患者さんのみを対象とし、自動車賠償責任保険や労災保険、自費等は含みません。
• 入院後24時間以内に亡くなられた患者さんも対象外としています。
• この指標は、「平成29年度 病院情報の公表の集計条件等について」に準じて作成し、年間10症例未満の場合は対象外としています。

年齢階級別退院患者数
定義
平成28年度に退院した患者さんの年齢階級別(10歳刻み)に集計したものです。年齢は入院時点の年齢を基準に集計しています。

解説
平成28年度の当院の入院患者さんは、60歳未満が41.5%、70歳以上が36.7%となっています。各年齢層では、60歳代70歳代の患者さんが他の年齢層より多く、高齢者に偏る傾向が少し見られます。また、当院は平成25年に総合周産期母子医療センターの指定を受けましたので、10歳未満の患者さんも全体の8%を占めています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術処置2なし 39 17.1 11.55 20.51% 0
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術処置2なし 定義副傷病名なし 36 3.64 7.12 0% 8.03
110260xx99x0xx ネフローゼ症候群 手術なし 手術処置2なし 33 15.09 22.67 0% 5.18
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術処置2なし 定義副傷病名なし 28 9.86 6.18 7.14% 0
100250xx99100x 下垂体機能低下症 手術なし 手術処置1あり 手術処置2なし 定義副傷病名なし 22 2.95 3.81 0% 6.73
診断群分類別患者数等 解説
診断群分類とは、傷病名や手術、処置の有無などの治療行為を組み合わせたもので、14桁コード(DPCコード)で示されます。

解説
当科では総合周産期母子医療センターとして多くの早産・低出生体重児や重篤な疾患を持つハイリスク新生児の治療をNICU(新生児集中治療室)で行っております。また小児科各分野の専門医を擁しており、血液・悪性疾患、神経疾患、循環器疾患、内分泌疾患など幅広い疾患において専門性が高く、かつそれぞれの分野と連携した質の高い治療を提供しています。その結果、てんかんや脳症・脳炎を始めとする神経疾患やネフローゼ症候群や腎炎などの腎臓疾患の治療が多くなっています。また、低身長や思春期の発来異常に対する下垂体機能検査などの内分泌検査も多く行っております。
乳腺一般外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 49 6.94 5.29 0% 70.20
090010xx02x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 単純乳房切除術(乳腺全摘術)等 手術処置2なし 35 9.57 10.30 0% 53.89
060160x101xxxx 鼠径ヘルニア(15歳未満) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 32 2.31 2.87 0% 2.88
090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術処置2なし 30 11.47 11.57 0% 59.40
090010xx03x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 手術処置2なし 24 5.71 6.59 0% 56.29
解説
乳癌は滋賀県内各地の医療機関より数多く紹介頂き手術をおこなっています。患者さん自身の希望やスタイルに合わせた治療を行っており、根治手術と整容性を両立させるため乳房再建も積極的に行っています。形成外科医と密に連携し、あらゆる再建方法に対応できる体制が整っています。
鼠径ヘルニアは、小児では専門の小児外科医が診療を担当し、1泊2日入院で治療を行っています。成人では、疼痛などが少ない腹腔鏡下ヘルニア修復術を積極的に行っており早期の社会復帰が可能となっています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 91 24.73 24.42 1.10% 65.38
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 74 26.30 26.26 2.70% 73.88
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 38 17.81 11.91 0% 32.56
070050xx97xxxx 肩関節炎、肩の障害(その他) 手術あり 34 34.38 25.65 2.94% 68.82
070343xx01x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術処置2なし 28 22.04 22.55 7.14% 67.64
解説
変形性股関節症(骨頭壊死)に対する治療には人工股関節置換術の他に各種骨切り術(臼蓋骨・大腿骨)があります。
また変形性膝関節症に対する治療には人工膝関節(全置換術・単顆置換術)の他に骨切り術・軟骨移植術といった関節温存術の手術方法もあります。これらの中から、最適な方法をそれぞれの患者さんの病態や生活様式に合わせて選択します。
膝靭帯・半月板損傷・肩スポーツ障害・反復性肩関節脱臼・腱板断裂に対しては関節鏡を用いて非侵襲かつ正確な手術を行っています。
脊柱管狭窄に対しては、神経に対する除圧、脊椎の固定などの手術加療を患者さんの病気、病態に応じ適切な治療法を選択しています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術処置1あり 手術処置2なし 34 3.74 3.20 0% 62.68
010040x099x00x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術処置2なし 定義副傷病名なし 20 15.45 19.35 45.00% 59.05
010010xx01x00x 脳腫瘍 頭蓋内腫瘍摘出術等 手術処置2なし 定義副傷病名なし 20 23.60 22.47 5.00% 55.00
140080xx99x0xx 脳、脊髄の先天異常 手術なし 手術処置2なし 18 1.00 3.97 0% 3.67
010070xx9912xx 脳血管障害 手術なし 手術処置1あり 手術処置2-2あり 16 3.06 5.52 0% 53.38
解説
当院では、脳神経外科の疾患として、脳血管障害・脳腫瘍・脊椎脊髄・先天奇形・てんかん・頭部外傷その他など非常に幅広く多岐にわたり担当しております。他施設で治療が難しいような疾患や、まれな疾患で他施設では治療経験が少ない疾患、高難度疾患から、脳ドックなどで発見されるような無症候性の疾患等に対する予防的外科治療も数多く行っております。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術処置2なし 136 13.10 12.73 5.15% 68.79
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置1なし 手術処置2-4あり 定義副傷病名なし 48 11.88 12.35 0% 66.81
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置1あり 手術処置2なし 43 3.53 3.68 0% 71.28
040040xx9909xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置1なし 手術処置2-9あり 15 14.60 10.76 0% 55.73
040040xx99000x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置1なし 手術処置2なし 定義副傷病名なし 14 11.21 14.83 0% 64.29
解説
当科では主に肺がんに対し手術による治療を行っています。抗がん剤や放射線による治療の進歩は目覚ましいものがありますが、現在でも肺がんの根治を目指せるのは手術のみです。傷口の小さな手術(胸腔鏡下手術)や、切除する肺を少なくしてより多くの肺を残す工夫(区域切除)により、ご高齢の患者さんにも手術を提供できるようになっています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080xx01010x 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術処置1なし 手術処置2-1あり 定義副傷病名なし 42 20.05 24.70 23.81% 73.95
050080xx0111xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術処置1-1あり 手術処置2-1あり 35 24.20 38.92 2.86% 73.31
050163xx02x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)等 手術処置2-1あり 31 21.45 21.94 0% 75.90
050161xx97x11x 解離性大動脈瘤 その他の手術あり 手術処置2-1あり 定義副傷病名あり 29 24.93 46.48 24.14% 65.55
050050xx0101xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術処置1なし 手術処置2-1あり 28 18.25 23.36 35.71% 72.07
解説
心臓病で不安を抱えているとき、「手術が必要です」 などと言われてしまうと絶望的な気分になってしまうでしょう。しかし、考え方を変えてください。手術でも治らず薬も効かない心臓病もたくさんあります。しかし「手術が必要です」ということは“手術で治る”ということです。手術を受ける患者さんの9割以上の方は劇的に状態が安定し、その後の生活、生命予後が改善します。病棟の看護師はじめスタッフは、患者さんにとって入院生活が少しでも楽しいものになるように努力しております。心臓手術や入院生活自体が“病気を治す”ということ以外に、人生において何らかのプラスの出来事になることを願っております。
産科婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 124 12.24 9.88 0% 34.08
120220xx02xxxx 女性性器のポリープ 子宮内膜掻爬術 92 1.05 2.27 0% 36.95
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 57 5.12 6.29 0% 39.49
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 57 5.40 6.42 0% 39.28
120170xx99x0xx 早産、切迫早産 手術なし 手術処置2なし 57 25.30 20.79 15.79% 32.42
解説
初期の子宮体癌、子宮筋腫や卵巣腫瘍などの良性疾患に対しても積極的に腹腔鏡下手術を取り入れており、小さな傷で手術を行い術後の早期回復が期待できます。また、県内全域を対象に妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群、前置胎盤など多くのハイリスク妊娠の患者様に対応しています。分娩時大出血や母体の重症合併症など重篤な状況下においては他診療科を跨いだ高度周産期チームを形成し母体救命に全力を尽くしています。さらに2013年度からはMFICU(母体胎児集中治療室)も開設し、さらに手厚い医療の提供に努めています。また、妊婦健診では胎児超音波外来や県下唯一のNIPT(無侵襲的出生前遺伝学的検査)外来を併設し、産まれた直後から医療介入が必要な胎児をより早期に見出すことで、早期治療へスムーズに移行できるよう最大限の配慮もしています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 819 4.07 2.91 0% 72.57
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり 片眼 117 14.63 10.53 0% 55.38
020150xx97xxxx 斜視(外傷性・癒着性を除く。) 手術あり 95 3.59 3.36 0% 30.04
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術処置1あり 手術処置2なし 83 8.64 7.72 0% 68.08
020220xx97xxx0 緑内障 手術あり 片眼 67 8.25 9.15 0% 68.97
解説
当院では従来白内障手術を3泊4日の入院で行っておりましたが現在は2泊3日入院に短縮いたしました。また、日帰り白内障手術も同時に開始しましたのでより早期の社会復帰が可能となっております。その他、網膜剥離や黄斑疾患に対する硝子体手術、緑内障手術、斜視手術も小切開、低侵襲の手術の積極的導入により入院期間の短縮を進めております。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030440xx01xxxx 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術 57 10.89 9.36 0% 48.23
100020xx01x0xx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除等 手術処置2なし 38 12.42 9.27 0% 49.53
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 37 7.32 7.47 2.70% 57.70
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 31 9.06 7.75 0% 51.94
03001xxx01000x 頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等 手術処置1なし 手術処置2なし 定義副傷病名なし 20 19.05 14.06 0% 68.80
解説
当科では、中耳炎、咽喉頭炎(かぜ)や副鼻腔炎(ちくのう症)など一般的な耳鼻咽喉科疾患から、難聴・耳鳴、めまい、アレルギー性鼻炎、顔面神経麻痺、などの内科的疾患、耳鼻咽喉頭の腫瘍や甲状腺腫瘍を含む頭頸部腫瘍など、耳鼻咽喉科全般について幅広く取り扱っています。聴覚、嗅覚、味覚、音声、えん下などQOL(生活の質)に十分配慮した検査・治療体制を整えています。頭頸部腫瘍のうち、舌癌や歯肉癌などの口腔癌も耳鼻咽喉科で取り扱う疾患です。大学病院として、より専門性の高い医療が求められるため、各領域の専門外来を開設し、質の高い医療を患者さんに提供できる体制となっております。
放射線科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx9902xx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置1なし 手術処置2-2あり 16 38.94 26.25 0% 66.25
040040xx9902xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置1なし 手術処置2-2あり - - 24.87 - -
110080xx99030x 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置1なし 手術処置2-3あり 定義副傷病名なし - - 15.07 - -
040010xx99x0xx 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 手術なし 手術処置2なし - - 7.64 - -
010010xx99030x 脳腫瘍 手術なし 手術処置1なし 手術処置2-3あり 定義副傷病名なし - - 9.60 - -
解説
放射線治療分野では、前立腺癌に対する外照射、I期肺癌に対する体幹部定位放射線治療、転移性脳腫瘍に対する定位放射線手術を入院で行なっています。転移性脳腫瘍に対する定位放射線手術は一度に複数個の病変を治療することも可能となり、10個以下の病変数の場合は積極的に定位放射線手術を行っています。当院で放射線治療を受ける方は、近年では年間500人弱となっています。
IVR分野では、内臓血管の動脈瘤などに対する塞栓術などをおこなっていますが、内科・外科病棟入院での肝細胞癌化学塞栓療法や動注化学療法、病理診断確定のためのCT下生検術、動脈性出血に対する塞栓術、膿瘍ドレナージ術なども積極的に行なっています。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010110xxxxx40x 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 手術処置2-4あり 定義副傷病名なし 44 41.02 18.04 2.27% 50.07
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術処置1なし 手術処置2-4あり 定義副傷病名なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 41 26.17 16.54 39.02% 73.88
010170xx99x10x 基底核等の変性疾患 手術なし 手術処置2あり 定義副傷病名なし 14 28.00 17.57 0% 62.93
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術処置2なし 定義副傷病名なし 13 9.69 7.12 0% 44.15
010170xx99x00x 基底核等の変性疾患 手術なし 手術処置2なし 定義副傷病名なし 10 13.00 14.74 0% 57.30
解説
当科は特定機能病院の一翼として神経系において筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、パーキンソン病やその類縁疾患などの神経変性疾患や免疫介在性の神経疾患をはじめとしたいわゆる神経難病の診断・治療などに関して高度な医療を提供するとともに、職種の枠組みを超えて、診療のみならず保健・福祉の面からも患者をサポートしております。また、急性脳梗塞をはじめとする緊急を要する神経系の異常な状態にも24時間365日対応して地域の神経救急医療に貢献できるよう努力しております。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術処置2なし 76 11.91 8.78 0% 77.92
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術処置1なし 56 5.73 4.28 0% 47.63
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 38 9.16 8.96 0% 63.16
080011xx99xxxx 急性膿皮症 手術なし 25 10.20 11.97 0% 62.84
080006xx99x3xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 手術なし 手術処置2-3あり 17 10.35 9.17 0% 61.82
解説
当科では、基本的に皮膚科疾患の全てを対象として治療しています。中でも皮膚悪性腫瘍は県内で最も多くの症例を治療しており、良性腫瘍も含め積極的な治療を行っています。また、もともとの患者さんの数が少ないためデータには表れていませんが、膠原病などの全身疾患や一般病院では診療が難しい全身性水疱症など重症例も積極的に診療しています。そのほかにも重症感染症や、薬剤アレルギーなど多岐にわたる疾患を診療しており、この表に出ている患者数は全体の半分にも至りません。重症例を中心に診療しているため平均在院日数は全国平均を僅かに上回りますが、皮膚科疾患を幅広く治療しているのが、当科の特徴となります。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx9906xx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置1なし 手術処置2-6あり 137 4.29 4.27 0% 65.27
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置1あり 108 2.62 2.68 0% 67.85
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術処置1なし 手術処置2なし 78 6.83 7.44 1.28% 73.56
110080xx01x0xx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 手術処置2なし 41 11.85 13.39 0% 65.78
140590xx97xxxx 停留精巣 手術あり 40 3.23 3.29 0% 4.23
解説
前立腺癌は年々罹患率が上昇している疾患です。PSA(前立腺癌の腫瘍マーカー)が高値の際、前立腺針生検を行っています。前立腺癌に対する手術では、手術支援ロボット「ダヴィンチ」を用いることでより繊細な手術が可能となりました。開腹手術に比べて、出血量は減少し、輸血はほぼ不要です。術後の痛みも軽減され、入院期間は平均術後12日間で、開腹手術よりも短くなっています。
腎癌に対してロボット支援腎部分切除術も行っています。合併症はほとんどなく、入院期間も約10日間となっています。
小児の手術も停留精巣をはじめ、膀胱尿管逆流症手術、尿道下裂手術等、積極的に行っています。手術によっては手術日の退院も可能です。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置1あり 手術処置2なし 88 3.76 3.68 1.14% 69.76
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術処置2なし 74 19.26 19.92 4.05% 69.23
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置1なし 手術処置2-4あり 定義副傷病名なし 65 13.77 12.35 0% 69.03
040040xx99000x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置1なし 手術処置2なし 定義副傷病名なし 19 11.05 14.83 0% 71.42
040040xx9905xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置1なし 手術処置2-5あり 19 18.95 19.24 0% 67.79
解説
肺癌については肺癌診療ガイドラインによる治療を行っています。従来からの殺細胞性の化学療法(いわゆる抗癌剤)を筆頭に、近年は腫瘍のタイプによっては分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬も積極的に用いています。また放射線科と連携し、放射線治療も広く行っています。終末期の患者さんに関しては、当院は緩和ケア病棟(ホスピス)を有していないため、近隣の緩和ケア病棟をご紹介しています。一方で間質性肺炎の患者さんも多く、特発性間質性肺炎診断と治療の手引きを筆頭に、時によっては膠原病や血管炎関連の診療指針に基づき、疾患のタイプに応じた細かい治療(ステロイドや免疫抑制剤、または抗線維化薬など)を行っています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術処置2なし 205 5.22 5.51 0% 57.80
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術処置1-なし、1,2あり 手術処置2なし 定義副傷病名なし 103 6.95 4.71 1.94% 69.56
050050xx99200x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術処置1-2あり 手術処置2なし 定義副傷病名なし 90 3.63 3.22 0% 67.82
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術処置1-1あり 手術処置2なし 定義副傷病名なし 53 4.34 3.06 0% 69.36
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術処置1-なし、1,3あり 手術処置2なし 定義副傷病名なし 50 9.46 11.38 2.00% 71.40
解説
当科の特色として不整脈センターを併設し、不整脈に対する専門的な知識を持つ医師が毎日外来をしております。 そのため頻脈性不整脈に対するカテーテルを用いたアブレーション(経カテーテル心筋焼灼術)治療の症例が多い傾向です。
また虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)という心臓を取り巻く血管が狭窄し、心筋に十分な血液が送れなくなる疾患も多いです。当科では、虚血性心疾患に対して血管内にカテーテルという細い管を挿入し、狭窄の程度を検査し、血管の内側から治療を行います。カテーテル治療は開胸の必要がないため、体への負担も少なく、入院期間が短いというメリットがあります。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術処置1なし 手術処置2なし 定義副傷病名なし 55 11.87 12.84 1.82% 68.58
110280xx99010x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術処置1なし 手術処置2-1あり 定義副傷病名なし 30 14.10 14.77 13.33% 67.07
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術処置2なし 定義副傷病名なし 24 9.71 8.87 4.17% 67.25
110280xx991x0x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術処置1あり 定義副傷病名なし 18 10.39 7.58 0% 47.17
110280xx99020x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術処置1なし 手術処置2-2あり 定義副傷病名なし 17 4.65 9.32 0% 60.65
解説
当科では、蛋白尿や血尿などの検尿異常に対して、適応を判断し経皮的腎生検を施行し診断に努めています。早期診断、早期治療を行うことで腎機能低下を防ぎ、透析治療を回避することを目指しています。腎臓病には様々な原因があり、中でも糖尿病腎症は透析治療に至る原因の第一位であり対策が重要です。当科では糖尿病内分泌科と連携して診療に当たっています。慢性腎臓病教育入院(1あるいは2週間)では、医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・理学療法士の多職種からなるチーム医療を行い、個々に適した知識および治療提供を心掛けています。地域のクリニックにて維持透析中の患者さんに対する1週間の合併症精査入院も積極的に行っています。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術処置2なし 定義副傷病名なし 22 7.09 7.52 18.18% 47.09
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術処置2なし 定義副傷病名なし 11 5.82 9.87 9.09% 66.09
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術処置2なし 定義副傷病名なし 11 23.45 21.25 27.27% 86.82
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術処置2なし 定義副傷病名なし - - 3.64 - -
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術処置2なし - - 5.50 - -
解説
当科では外傷による頭蓋内出血の入院が多くなっています。特に高エネルギー外傷(高リスク受傷機転;身体に負荷されるエネルギーが高い事故)で全身の多発外傷を合併している場合、他の診療科と連携して、救急医が主治医として集中治療を行う体勢を整えています。高齢者の肺炎は抗生物質等の治療とともに、社会復帰に向けたリハビリテーションを積極的に行い退院としています。急性薬物中毒には血液浄化療法を含めた集中治療管理を常時行う事が出来ます。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術処置2-4あり 定義副傷病名なし 28 16.82 16.83 3.57% 63.25
130030xx97x40x 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術処置2-4あり 定義副傷病名なし 18 70.94 34.90 0% 67.44
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術処置2-2あり 12 72.67 41.96 16.67% 56.00
130040xx99x5xx 多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物 手術なし 手術処置2-5あり 11 29.00 25.11 0% 65.18
130060xx99x4xx 骨髄異形成症候群 手術なし 手術処置2-4あり - - 10.82 - -
解説
当科では、非ホジキンリンパ腫症例については、難治・再発症例を多く担当させていただいており、多剤を併用した高度化学療法を実施しています。
急性白血病症例については、主に骨髄移植対象患者さんを担当させていただいており、無菌室での総合的な医療を実践しています。多発性骨髄腫症例や骨髄異形成症候群症例については、ご高齢の患者さんが多いことから、入院治療はなるべく短期として、外来での化学療法を中心に診療にあたっています。特に多発性骨髄腫については新規薬剤による治療に取り組んでいます。さらにすべての医療スタッフが、すべての患者さんに対して全人的医療の実践に取り組んでいます。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 定義副傷病名なし 343 2.43 2.72 0% 67.21
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術処置2なし 定義副傷病名なし 73 9.36 11.06 2.74% 73.73
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 手術処置2なし 68 8.75 9.02 0% 70.75
060100xx03xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 31 8.10 7.38 0% 66.65
06007xxx99000x 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術処置1なし 手術処置2なし 定義副傷病名なし 30 3.27 10.41 0% 66.77
解説
当科では消化管内視鏡検査・治療を年間 約7000件実施しています。早期胃癌、 大腸癌、食道癌に対する内視鏡的粘膜下層切開剥離術(ESD)を積極的に行っており、ESD件数は年間約110例を数えます。また、大腸ポリープなどの内視鏡下治療(EMR・polypectomy)件数は年間300例をこえています。総胆管結石に対する内視鏡的採石術、胆道癌、膵癌に対する内視鏡的胆道ステント留置術は、緊急で対応可能な体制を取っています。当院では消化管手術後の吻合部狭窄に対する内視鏡下拡張術にとどまらず、炎症性腸疾患(クローン病)の消化管狭窄に対する小腸内視鏡下の狭窄拡張術を数多く行っています。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術処置2なし 40 7.85 11.74 0% 70.68
060035xx01000x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術処置1なし 手術処置2なし 定義副傷病名なし 38 16.18 15.92 0% 70.00
060040xx02x00x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 肛門悪性腫瘍手術 切除等 手術処置2なし 定義副傷病名なし 32 21.75 17.98 3.13% 69.53
060020xx02x0xx 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 手術処置2なし 30 16.17 17.65 0% 69.83
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術処置1なし 手術処置2なし 定義副傷病名なし 28 8.07 7.61 0% 59.46
解説
肝がんに対しては、肝臓内視鏡外科の専門医による積極的な腹腔鏡下手術により全国平均を大きく下回る平均在院日数を実現しております。また、胃がんや大腸がんに対しても腹腔鏡下手術により早期の術後回復を実現しております。しかし直腸がんでは、肛門に近く人工肛門を一時的に作らなければならない患者さんの手術が多く、人工肛門のケアを患者さんが習得する必要があるために少し入院期間が長くなっております。また、良性疾患においても高度な炎症を伴う胆嚢炎の症例であっても腹腔鏡下手術により早期退院が可能となっております。
糖尿病内分泌内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100070xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術処置2-1あり 定義副傷病名なし 85歳未満 45 16.58 14.61 0% 63.76
100180xx99000x 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 手術処置1なし 手術処置2なし 定義副傷病名なし 31 4.90 6.12 0% 55.48
100070xx99x000 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術処置2なし 定義副傷病名なし 85歳未満 20 12.15 11.48 0% 57.15
100071xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。) 手術なし 手術処置2-1あり 定義副傷病名なし 85歳未満 12 20.58 14.91 0% 69.33
100070xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術処置2-1あり 定義副傷病名あり 85歳未満 10 17.90 16.31 0% 64.50
解説
当科では、糖尿病患者さんが多く入院され、病態や治療内容などを的確に評価し、最も適切な治療を行うことをこころがけています。網膜症、腎症、神経障害、足病変や血管病変の精密検査を行い、合併症の早期発見や集学的治療を行っています。また、脂質異常症や高血圧、肥満症といった生活習慣病への診療にも力を入れています。
甲状腺、下垂体、副腎などの内分泌疾患や原発性アルドステロン症などの内分泌性高血圧症の診療にも力を入れており、他施設から多くの紹介を受けています。安全に各種内分泌負荷試験を行うことを目指し、的確な診断と治療を行うよう取り組んでいます。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 101 - 27 32 - 14 1 7
大腸癌 56 22 35 24 - 14 1 7
乳癌 37 35 - - - 12 1 7
肺癌 121 44 61 98 125 87 1 7
肝癌 - 10 - - - 90 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
定義
UICC病期分類とは、がんの進行度を判定する基準として国際的に活用されている国際対がん連合(UICC)採用のがんの分類方法です。日本で最も罹患率が高い5大がん(胃癌、肝癌、大腸癌、乳癌、肺癌)の病期(Stage)ごとの症例数を初発と再発に分けて集計しています。初発とは、当院において当該腫瘍の診断、あるいは初回治療を実施した場合を指します。再発とは、当院・他施設を問わずに紹介治療完了した後、当院にて患者さんを診療した場合や、がん寛解後に局所再発・再燃または新たな遠隔転移をきたした場合を指します。Stageとは、がんの進行状態を示すもので、Ⅳ期に近いほどがんが広がっている状態となります。集計対象期間中に複数回入院された患者さんはそれぞれ集計をしております。

解説
■胃がん
初期病変に対しては腹腔鏡による低侵襲で痛みが少ない治療を心掛けています。また、進行胃癌では、抗がん剤治療を併用して治療成績の向上に努めております。
■大腸がん
進行がんも含めて約90%の患者さんで腹腔鏡下手術を行っています。また、再発がんに対しては抗がん剤治療や放射線治療と腹腔鏡下手術を組み合わせることにより、患者さんの負担を極力減らした根治を目指した治療を行なっています。
■乳がん
化学療法はガイドラインに沿った標準治療を、患者さん自身の希望やスタイルに合わせながら行っています。乳房温存手術時には術中に癌の遺残が無いことを顕微鏡の検査で確認し再発のない手術を行っています。やむを得ず全摘になったとしても、あらゆる乳房再建術に対応できる体制が整っています。
■肺がん
肺がんが発見された時点で、みなさんが初期のがんとは限りません。中には進行した肺がんの患者さんもおられますが、そのような患者さんでも抗がん剤や放射線による治療を組み合わせてがんを小さくし、手術で切除できるようになる患者さんもおられます。また他の外科系診療科(心臓血管外科や整形外科など)と協力して、太い血管や骨に浸潤(がんが進行して食い込んでしまうこと)した肺がんでも切除できる場合もあり、大学病院のメリットの1つと言えます。
■肝がん
肝がんでも積極的に腹腔鏡下手術を行っており、進行がんに対する高難度な腹腔鏡下肝切除も豊富な経験をもつ専門医師により安全に行なっております。

成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 13 10.92 45.54
中等症 41 15.71 73.46
重症 23 16.43 80.39
超重症 - - -
不明 - - -
定義
成人とは20歳以上の患者さんで、また市中肺炎とは普段の生活の中で感染した肺炎のことです。
重症度は市中肺炎ガイドラインに基づきA-DROPにより分類しています。
A(Age;年齢) 男性70歳以上、女性75歳以上
D(Dehydration;脱水) BUN 21mg/dl以上、または脱水あり
R(Respiration;呼吸) SPO2 90%以下(PaO2 60Torr以下)
O(Orientation;見当識) 意識障害あり
P(Pressure;血圧) 収縮期血圧90mmHg以下
1項目該当すれば1点で、5点満点。ただしショック(収縮期血圧 90mmHg以下)がある場合は1項目のみでも超重症。

解説
市中肺炎とは普段の社会生活の中でかかる肺炎のことであり、成人市中肺炎診療ガイドラインによる重症度分類を用いて集計しています。この集計は細菌による肺炎であり、高齢者に多い誤嚥性肺炎(食べ物や飲み物の肺への吸い込みによる肺炎)やウイルスによる肺炎は対象外です。大学病院ということもあり中等症以上の方が圧倒的に多く、重症度が上がるごとに長い治療期間を要します。また中等症以上では高齢の患者さんが多くなっています。治療は薬剤(抗生剤)投与が中心ですが、急性呼吸不全の管理においては最新の機器(侵襲的及び非侵襲的人工呼吸器、ネーザル・ハイフロー等)を積極的に活用し、病態に応じた呼吸管理を行っています。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 93 33.28 72.84 36.00%
その他 - - - -
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 22 6.64 68.91 0%
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 - - - -
その他 16 7.94 37.13 0%
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内 - - - -
その他 - - - -
脳梗塞のICD10別患者数 解説
ICD-10とは、世界保健機構(WHO)によって公表された「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」で、死因や疾病の統計などに活用されています。

解説
当院では発症3日目以内の急性期脳梗塞の患者さんが全体の90%以上を占め、24時間365日このような緊急性疾患に対応し、常時CT・MRI・脳血管撮影検査等が可能な体制を敷いています。発症後4時間30分以内の超急性期脳梗塞に対しては、t-PAという血栓を強力に溶かす薬を点滴投与する治療を優先して実施しております。t-PA適応外やt-PA治療後も効果が十分でない患者さんに対しては脳血管内治療専門医を中心に脳血管内治療(局所血栓溶解療法や血栓回収療法)も積極的に推進していきます。また、脳梗塞は再発率が高く身体機能障害を遺しやすい疾病であり、その原因を十分に評価して適切な再発予防の方針の提供と共に積極的なリハビリテーションで高い在宅復帰率を目指しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈,静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) 11 11.45 128.09 0% 7.73
K386 気管切開術 - - - - -
K2762 網膜光凝固術(その他特殊なもの(一連につき)) - - - - -
K1381 脊椎披裂手術(神経処置を伴う) - - - - -
K1742 水頭症手術(シャント手術) - - - - -
診療科別主要手術別患者数等 解説
Kコードとは、〔医科〕診療報酬点数表の診療行為のうち手術の領域にふられたコードで、当院では手術統計に活用されています。

解説
当科では高い専門性が必要とされる白血病、神経芽腫、骨腫瘍、脳腫瘍などの悪性疾患や再生不良性貧血や血友病などの血液疾患を積極的に受け入れています。その他の分野の疾患も含め重篤な疾患の患者さんの治療を数多く行っています。治療にあたり患者さんに負担が少なくなるように必要な方に対して静脈への植込型カテーテルの留置や気管切開術も行っています。
乳腺一般外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 86 2.21 1.74 0% 41.27
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 28 2.29 5.61 0% 56.04
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 25 2.12 2.60 0% 56.80
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除を併施しない) 20 2.75 7.50 0% 61.40
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 14 2.00 2.43 0% 60.07
解説
乳癌手術では、術中に腋のリンパ節に転移がないかを調べる、センチネルリンパ節生検を行っております。当院での検出率はほぼ100%で、腋からリンパ節再発した症例も0.4%と非常に良好な成績です。また、乳房温存手術では残った乳房に癌の遺残が無い事を術中に顕微鏡の検査で確認しており、乳房内再発も0.9%と非常に低くなっています。
鼠径ヘルニア手術では小児は専門の小児外科医が診療を担当し、1㎝の小切開で行い、抜糸も不要で手術当日から入浴も可能です。成人ヘルニアではリスクに応じて術式を選択し、疼痛などが少ない腹腔鏡下ヘルニア修復術も積極的に行っています。当施設の過去5年の再発率は1%程度です。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(肩,股,膝) 209 1.85 24.51 3.35% 69.87
K080-41 関節鏡下肩腱板断裂手術(簡単) 46 1.72 32.59 2.17% 63.02
K1422 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方又は後側方固定) 34 3.50 24.65 20.59% 42.29
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) 24 2.75 16.42 0% 71.21
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) 24 2.38 17.58 12.50% 73.29
解説
股・膝関節の人工関節はそれぞれ年間約100例の実績があり、3D画像を用いての術前計画や術中ナビゲーションを使用しての正確な手術を心がけています。
腱板広範囲断裂症を伴う肩関節症例に対しては、リバース型人工肩関節置換術を行い、早期の挙上と除痛を実現しています。
脊椎領域では脊柱管狭窄、靱帯骨化、椎間板ヘルニア、腫瘍、関節リウマチといった様々な疾患に対して、神経に対する除圧、脊椎の固定、腫瘍の切除などの手術加療を行っています。また、成人脊柱変形に対する矯正手術、脊椎内視鏡をもちいた低侵襲手術なども積極的に取り入れ、患者さんの病気、病態に応じた適切な治療法を選択しています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 33 5.61 34.09 15.15% 52.18
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 18 0.17 9.56 11.11% 81.72
K1742 水頭症手術(シャント手術) 16 22.31 32.13 43.75% 56.06
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 14 2.86 33.79 14.29% 55.57
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 13 2.62 8.15 7.69% 69.92
解説
当科は基本領域診療科であり、その診療内容は決して手術のみではなく、診断・治療・手術前後の管理など脳神経疾患の診療すべてにわたります。当院では、脳神経外科の疾患として、脳血管障害・脳腫瘍・脊椎脊髄・先天奇形・てんかん・頭部外傷その他など非常に幅広く多岐にわたり担当しております。他施設で治療が難しいような疾患や、まれな疾患で他施設では治療経験が少ない疾患、高難度疾患から、脳ドックなどで発見されるような無症候性の疾患等に対する予防的外科治療も数多く行っております。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 66 3.85 11.35 3.03% 70.62
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 31 4.58 9.32 0% 70.35
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) 19 3.68 7.53 5.26% 62.05
K5132 胸腔鏡下肺切除術(その他) 17 3.88 6.12 0% 62.94
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) 15 10.20 6.33 0% 45.33
解説
当科では肺悪性腫瘍手術(肺がん手術)のほとんどを胸腔鏡(内視鏡)下で行っています。胸にあけた小さな傷から内視鏡を挿入し観察しながら、中で肺を切除してその穴から取り出すため、従来の胸を大きく切る開胸手術に比べて術後の痛みが楽になるだけでなく、内視鏡で拡大された様子を見ながら手術ができるため、より安全に繊細な操作が可能となったことが、患者さんへのストレスの軽減や早期の回復、より早い社会復帰につながっていると考えています。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺不使用)(2吻合以上) 60 4.63 17.58 36.67% 69.42
K5551 弁置換術(1弁) 57 5.56 17.33 19.30% 71.79
K5602 大動脈瘤切除術(弓部) 38 3.84 19.71 26.32% 72.95
K5601ニ 大動脈瘤切除術(上行大動脈)(その他のもの) 36 0.92 19.94 41.67% 67.75
K5541 弁形成術(1弁) 35 4.83 14.23 5.71% 60.03
解説
当科では年間400-450例の心臓血管手術を行っております。この症例数は全国有数であり国際的にも高い評価を得ています。心臓を動かしたまま行う冠動脈バイパス術、自己弁を温存し人工弁を使用しない僧帽弁形成術、長期成績に優れる大動脈弁置換術、経カテーテル大動脈弁移植(TAVI)、低侵襲大血管手術など、いずれも世界的なレベルで展開しております。常に開けた医療を心がけており、患者さまの不安に、低い敷居で広い視野で対応させていただきたいと思います。何かご心配なことがありましたら、心臓血管外科医師が直接対応致します。
産科婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 148 18.41 6.34 0% 34.14
K861 子宮内膜掻爬術 132 0.05 0.33 0% 37.83
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 78 14.59 6.94 0% 33.73
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 69 1.07 3.68 0% 38.99
K867 子宮頸部(腟部)切除術 49 1.00 1.10 0% 38.82
解説
初期の子宮体癌、子宮筋腫や卵巣腫瘍などの良性疾患に対しても積極的に腹腔鏡下手術を取り入れており、小さな傷で手術を行い術後の早期回復が期待できます。妊娠を希望する方には体外受精胚移植にも対応できる体制を整えており、抗癌剤治療により卵巣機能の低下を招く可能性がある方に対しては、治療前に卵巣凍結保存を行うことにより治療後の妊娠の可能性を残す取り組みも行っております。その他、思春期から更年期の愁訴はもちろん、高齢者の骨盤臓器脱に対するメッシュ手術など女性医学全般に対応しております。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 827 1.04 2.13 0% 72.72
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 261 1.26 9.58 0% 63.82
K2423 斜視手術(前転法と後転法) 60 1.00 1.50 0% 34.47
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) 49 0.96 5.90 0% 67.71
K2684 緑内障手術(緑内障治療用インプラント挿入術)(プレートなし) 49 1.00 8.73 0% 70.73
解説
当院は網膜硝子体疾患を専門としており、糖尿病網膜症や網膜剥離などの難症例に対し、最新かつ安全で合併症の少ない手術を行っております。網膜硝子体疾患以外においても、緑内障に対してはインプラントなどの最新デバイスを導入し入院日数の短縮を図っております。また、小児に対する斜視手術も伝統的に盛んに行っており、良好な成績を収めております。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K319 鼓室形成手術 64 2.55 7.59 0% 46.75
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 26 1.54 5.04 3.85% 55.62
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 20 1.00 7.50 0% 17.15
K4632 甲状腺悪性腫瘍手術(全摘及び亜全摘) 20 3.40 9.65 0% 47.20
K4631 甲状腺悪性腫瘍手術(切除) 18 2.00 7.61 0% 53.00
解説
当科では年間に約430件の手術を行っており、その内容は、中耳炎に対する鼓室形成術、慢性副鼻腔炎に対する内視鏡下鼻副鼻腔手術、口蓋扁桃摘出術、声帯ポリープ切除術、甲状腺・頭頸部腫瘍手術など多岐にわたっています。中耳手術では、100%近い耳漏の停止と、中耳炎による伝音性難聴であれば、80%程度の割合で聴力改善が期待できます。好酸球性副鼻腔炎や再発例などの困難症例に対する内視鏡下鼻副鼻腔手術には、ナビゲーションシステムを導入し、安全・確実な手術が可能となっています。また、頭頸部早期がんに対しては、拡張式喉頭鏡と硬性内視鏡を導入し、従来の治療と比較し非侵襲的な経口腔的腫瘍切除を行っております。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 89 1.65 10.82 0% 75.81
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) 23 1.13 2.83 0% 43.30
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) 21 1.05 2.48 0% 44.24
K0152 皮弁作成術、移動術、切断術、遷延皮弁術(25〜100cm2未満) 10 1.10 12.60 0% 75.20
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6cm以上12cm未満) - - - - -
解説
当科では、基本的に皮膚科疾患の全てを対象として治療しています。中でも皮膚悪性腫瘍は県内で最も多くの症例を治療しており、良性腫瘍も含め積極的な治療を行っています。また、もともとの患者さんの数が少ないためデータには表れていませんが、膠原病などの全身疾患や一般病院では診療が難しい全身性水疱症など重症例も積極的に診療しています。そのほかにも重症感染症や、薬剤アレルギーなど多岐にわたる疾患を診療しており、この表に出ている患者数は全体の半分にも至りません。重症例を中心に診療しているため平均在院日数は全国平均を僅かに上回りますが、皮膚科疾患を幅広く治療しているのが、当科の特徴となります。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他のもの) 72 2.19 3.60 1.39% 73.40
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) 40 1.15 9.73 0% 65.65
K836 停留精巣固定術 34 1.62 0.50 0% 3.94
K773-5 腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) 31 2.16 7.58 0% 62.06
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 21 1.95 10.57 0% 67.00
解説
手術支援ロボット「ダヴィンチ」を用いた手術を積極的に行っています。現時点で前立腺癌と腎癌のみ保険診療が可能です。前立腺癌では全例、腎癌では径の小さい症例で腎部分切除術を行っています。それぞれ腹腔鏡手術よりも繊細な手術が可能となっています。前立腺癌では断端陽性率が少なくなり、腎がんでは合併症がほとんど起きなくなりました。
小児に対する手術では、停留精巣手術等、体への負担の少ない手術では手術当日の退院も可能となっています。
当科では腹腔鏡下手術を積極的に行っています。膀胱全摘術、腎盂形成術、膀胱尿管逆流症手術、精索静脈瘤手術、骨盤臓器脱手術等、カンファレンスにて症例毎に検討の上、実施しています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 143 1.48 3.94 0% 61.20
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他) 81 1.58 2.90 0% 52.79
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 75 4.03 5.73 6.67% 70.51
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 38 0.00 17.32 10.53% 68.37
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 28 4.07 7.18 3.57% 70.29
解説
アブレーション(経カテーテル心筋焼灼術)手術とは、足の付け根などの血管からカテーテルを入れて、過剰な伝導路(心筋を動かす電気の通り道)や心臓内部の不整脈の原因となっている部分を小さく高周波電流で焼き切ります。手術が成功すれば不整脈の根本的な治療をすることができます。
虚血性心疾患に対する治療は様々なものがありますが代表的なものとしてステント留置術があります。ステントとは拡張することができる網目状の小さな金属製の筒です。ステンレススチールやコバルト合金などの金属でできています。様々な病変にあうよう様々な長さや径のものがあります。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 33 5.88 7.30 3.03% 63.97
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 10 1.20 17.80 0% 40.50
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) - - - - -
K636-3 腹腔鏡下試験開腹術 - - - - -
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 - - - - -
解説
透析治療には血液透析と腹膜透析があります。血液透析には、シャント造設術が、腹膜透析にはカテーテル留置術の手術治療が必要です。当科ではエコー検査による評価を行い、泌尿器科医と連携し手術計画を立てています。慢性糸球体腎炎の代表疾患であるIgA腎症の治療として、扁桃腺摘出術およびステロイド治療があります。当科では耳鼻科と連携し、扁桃腺摘出術後の入院中にステロイド点滴治療を行い、退院後外来にてステロイド内服治療を行っています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 343 0.31 1.29 0% 67.24
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 65 1.40 5.65 0% 67.02
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 49 1.31 7.59 0% 69.98
K735-2 小腸・結腸狭窄部拡張術(内視鏡) 42 1.38 1.88 0% 37.88
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 38 2.97 9.18 5.26% 75.00
解説
当科では消化管内視鏡検査・治療を年間 約7000件実施しています。早期胃癌、 大腸癌、食道癌に対する内視鏡的粘膜下層切開剥離術(ESD)を積極的に行っており、ESD件数は年間約110例を数えます。また、大腸ポリープなどの内視鏡下治療(EMR・polypectomy)件数は年間300例をこえています。総胆管結石に対する内視鏡的採石術、胆道癌、膵癌に対する内視鏡的胆道ステント留置術は、緊急で対応可能な体制を取っています。当院では消化管手術後の吻合部狭窄に対する内視鏡下拡張術にとどまらず、炎症性腸疾患(クローン病)の消化管狭窄に対する小腸内視鏡下の狭窄拡張術を数多く行っています。
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 62 2.55 4.19 0% 60.60
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 43 4.16 12.98 0% 69.26
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 33 1.36 5.03 0% 71.79
K740-22 腹腔鏡下直腸切除・切断術(低位前方切除術) 24 4.25 26.46 8.33% 64.21
K7322 人工肛門閉鎖術(腸管切除を伴う) 22 3.00 14.55 0% 60.05
解説
急な腹痛で発症する急性胆嚢炎に対しても早期に腹腔鏡下手術を行うことによって早期退院が可能となっています。
結腸がんと直腸がんを合わせた大腸がん患者さんの手術の90%以上を腹腔鏡下手術で行っています。また、肛門に近いがんで、他院では永久人工肛門の手術しかないと言われた患者さんでも腹腔鏡下に肛門温存手術を積極的に行っています。その際、一時的な人工肛門は必要になりますが、約3ヶ月後には人工肛門閉鎖術を行うことにより自然肛門からの排便を取り戻すことができます。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる 22 0.18%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 55 0.44%
異なる 46 0.37%
解説
当院は高次医療を担っていることを特色としているため、必然的に高リスク・重症患者の治療機会が多くあります。心疾患・脳血管疾患などの併存疾患があるために、抗血栓薬内服下にやむなく侵襲的な内視鏡治療を行う場合も数多くあります。治療後に出血を経験することもありますが、その頻度は「消化器内視鏡関連の偶発症に関する全国調査報告」と比較しても遜色がありません。また、出血の際には緊急止血処置を行っており、全例重症化することはなく治癒しています。また、他院では手術困難な人工関節の弛みや感染に対しても、地域の中核病院として積極的にその治療にあたっています。また、病院の性格上合併症の多い症例も多く、合併症を0%にするのは困難であり、ある一定の頻度で手術創の感染などの術後合併症が起こっています。
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