Apple Music会員向け番組「カープール・カラオケ(Carpool Karaoke)」が、エミー賞(バラエティ・短編部門)を受賞しました。Appleは独自番組の制作や既存コンテンツの購入を進めており、近いうちにNetflixのような番組配信事業に乗り出すとみられています。
2017年からApple Music会員限定番組として配信
テレビ業界の優れた業績に対して送られる、栄誉あるエミー賞を受賞した「カープール・カラオケ」は、ドライブ中の車でセレブたちが歌い、トークするApple Music会員向けコンテンツで、7月にエミー賞にノミネートされていました。
「カープール・カラオケ」は、元は米CBSの深夜番組「The Late Late Show」内の人気コーナーでしたが、2016年にAppleが権利をCBSから買い取り、2017年8月から、Apple Music会員専用のコンテンツとして配信を開始しています。
ウィル・スミス、アリシア・キーズ、メタリカ、アリアナ・グランデ、シャキール・オニール、シェリル・クロウなどの豪華なセレブたちが出演したシーズン1は2017年秋に終了し、2018年2月にはシーズン2制作に向けた契約が更新されています。
LINKIN PARKのチェスター・ベニントン氏の急逝も
「カープール・カラオケ」には、人気ロックバンドLINKIN PARKのボーカリスト、チェスター・ベニントン氏が亡くなる1週間前に収録されたエピソードもあります。
ベニントン氏が楽しそうに歌うエピソードは、一度はApple Musicでの公開が見送られましたが、ベニントン氏の遺族の希望により、Apple Music会員以外でも視聴できるよう無料配信されました。
制作責任者、Apple役員への感謝を語る
「カープール・カラオケ」エグゼクティブ・プロデューサー、ベン・ウィンストン氏はエミー賞受賞を受けてTwitterで、Apple Musicサービスを率いるエディ・キュー上級副社長、BeatsからApple Music立ち上げを率いたジミー・アイオビン氏らを「最高に素晴らしいパートナー」と表現し、感謝の言葉を述べています。
Appleの独自番組配信サービス、数年後にはNetflix超え?
Appleは2017年6月にSony Picturesからテレビ業界での実績豊富な副社長を2人引き抜いたほか、AmazonやBBCなどから番組制作やコンテンツビジネスに精通した人物の引き抜きを続けています。
Appleは独自番組の制作や権利獲得にも積極的に動いており、スティーブン・スピルバーグ監督のSFドラマシリーズのリメイク権を獲得したほか、最近もトロント映画祭で長編映画の権利を獲得したと報じられています。
権利を数億円で購入したと報じられた人気ミュージシャン、エド・シーランのドキュメンタリー番組はApple Musicで配信されています。
Appleは公式に発表はありませんが、テレビ番組や音楽配信などをセットにしたサービスの提供を準備していると言われており、同ビジネスの事業規模は、数年後にNetflixを超える規模になるのではないか、とも予測されています。
過去にもエミー賞を受賞しているApple
Appleがエミー賞の顔とも言える、プライムタイム・エミー賞を受賞するのは今回が初めてですが、他部門では過去にもエミー賞を受賞しています。
昨年は、Apple TVにSiriを搭載し、音声操作を可能にしたことが評価され、「技術・工学エミー賞」を受賞しています。
また、2013年のホリデーシーズンに放映された感動的なCM「Misunderstood」で、コマーシャル賞を受賞しています。
Source:AppleInsider
(hato)