〈ミニコミ誌「ゲームフリーク」が会社組織となった平成元年、任天堂から通信ケーブルのついた携帯用ゲーム機「ゲームボーイ」が発売される。これがポケットモンスター(ポケモン)構想に火を付けた〉
会社を設立し、ちょうど“次の手”を考えていた頃でしたから、ゲームボーイの登場は衝撃的でした。通信ケーブルで何ができるだろうと考え、真っ先に浮かんだのが「交換」という言葉。例えばロールプレイングゲーム(RPG)で、入手しにくいアイテムを友達と交換できるようになれば、ゲームの世界がぐんと広がるに違いないと思ったのです。
〈問題は何を“交換”するかだ〉
子供たちをはじめ誰もが交換したくなるようなものは何だろうと、考えに考えてたどり着いたのが、昆虫採集などに夢中だった小学生時代のこと。友達と競い合って珍しい昆虫を捕まえたり、取り換えっこしたりしたときのわくわく感をゲームで再現できれば、これ以上のものはないですよね。
徹夜で企画書を書き上げ、ゲームコンテンツの会社を立ち上げていた糸井重里さんの事務所に持ち込んだら、そこに石原恒和さん(現株式会社ポケモン社長)もいて、2人とも「いいんじゃない」と任天堂につないでくれたのです。
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