将棋界のレジェンドをご存知ですか?
僕はなかなか将棋をやる機会はありませんが、レジャー白書2018(公益財団法人日本生産性本部)によりますと、将棋参加人口が前年比170万増の700万人に達したと報告されています。
確実に将棋人口は増えているのですが、その将棋界のレジェンドが羽生善治氏になります。羽生氏は「七大タイトル」全てを独占し、史上初の「永世七冠」を達成した将棋界のカリスマです。
野球界でいうイチローみたいな存在ですね。
そんな羽生氏から「決断力」をご教授していただこうというのが、本記事の内容となります。元ネタ本はすでに52万部を突破しているベストセラー本です。普段、将棋に興味がなくとも「決断力」には興味がある人は多いかと思い記事にしました。
それでは、本編に入っていきましょう!
【元ネタ本】
目次
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決断ができないときの対処法
そもそも「決断力がない」理由とは?
この結論は非常にシンプルでした。それは「可能性の中から大部分を捨てる」ことができないからです。
私たちは、普段の生活で常に「決断」を繰り返しています。たとえば、着る服や、なにをランチに食べるかなどは「決断」ですよね。
過去記事にも書きましたが、脳科学の観点から決断には「ブドウ糖」を消費していることが判明しており「決断=意思決定=集中力」という図式となります。
つまり、決断できない状態は常時「ブドウ糖」を消費している状態ということですね。
これが科学的観点からの解釈ですが、将棋界のレジェンドは「決断」についてどのように解釈しているかを本書抜粋してみます。
【本書抜粋】
「実戦で、進行する十手先の局面を想定することができるか?」プロ棋士の集まりで、こんな話題になったことがある。
「できない」というのが一致した結論であった。(P52)
短い抜粋ですが、かなり重要なポイントです。
つまり、物凄い頭が良いプロ棋士でさえも「十手先の局面を想定することはできない」のです。私たちが重要な決断をする場面で、その決断が最善かどうかなんてわかる訳がないんですよね。
なぜなら、物事は表裏一体だからです。
【過去記事】
ー直感を信じることは自分を信じること
物事は表裏一体と話しましたので、たとえばの話をしてみます。
最近、このような記事をNewsPicksで読みました。それは「北海道地震で電子マネーが使えなくてピンチ」という内容です。
普段の生活では、ふつうに電気は使えているので、電子マネーはとても便利な決済ツールです。しかし、停電すると電子マネーは使えなくなるので、現金を持ち歩かない人にとってはピンチだということです。これもある意味で、表裏一体ですよね。
つまり、便利の裏には不便があるのです!
羽生氏は本書でこのように話しています。「「この手で間違いない」と確信を持って指しているのではなく、「これがいいのではないか」と、なんとなく指しているのだ。」これが史上初の7冠達成したレジェンドの答えだからビックリです!
最善の決断とは、そのときの心境の捉え方によっても変わります。
それならば、羽生氏は「直感」を信じてみることをおすすめしています。直感は、過去の経験や情報の蓄積から脳が最善策を導いてくれている「決断」だからです。
選択肢が多いことは嬉しいことでもあり、悩ましいことでもある。ならば、自分の「脳」を信じて決断してみるのも良いかもしれません。
ちなみに、羽生氏は「直感の7割は正しい」と発言しているのも興味深いです。科学的根拠はないにしろ、経験値からの発言には重みはありますよね。
【関連記事】
「選ぶ」情報と「捨てる」情報
パソコンで勉強しても将棋は強くならない?
このアンサーは残念ながら、強くはならないと著者は語ります。その理由は、棋士はパソコンで将棋を勉強するのは当たり前だからです。
そもそも、みんな知っている情報は実践では通用しなく、予備データの機能でしかないのです。やっぱり、最後は自力で考えるしかないと著者は語ります。
この解釈を私たちの実生活に当てはめて考えてみます。
たとえば僕は「脳科学」や「心理学」が好きでよく記事にします。対人関係の改善勉強したときの知識は「触りの部分」でしかないのです。なぜなら、それぞれが抱えている状況や価値観は千差万別だからです。
つまり、科学的データは統計データの平均値でしかなく、自分の抱えているリアルの対人対策の「触り部分」でしかないということです。心理テクニックを使った後のリアクションは、人それぞれであり「絶対の正解」を導くことは不可能ということです。
その際、最後はやっぱり自力で考える覚悟が必要ということです。これは、成功法則でも対人関係でも将棋でも一緒ということですね!
ー情報は「選ぶ」より「いかに捨てるか」が重要
あのとりブログの読者さんの中に「あのとりさんの記事を読むだけで、本を読まなくても理解できちゃいます♪」などの嬉しいコメントをいただくことがあります。
ありがとうございます!
僕もSEO対策として、外部リンクや情報のソース元を明確にして記事作成しています。そんな経緯から信頼できる「数字」や「情報」を発信することに細心の注意を図っています。
ネット情報はウソも沢山ありますが、信頼できる情報も手に入るのですね。情報は、たくさん知っている方が人生を有利に生きていけます。そして、多くの知識や考えに触れることで「人間力」もあがります。
しかし、情報をいくら分類、整理しても、どこが問題かをしっかりとらえないと正しく分析はできません。山ほどある情報から自分に必要な情報を得るには、「選ぶ」より「いかに捨てる」のほうが重要だと著者は語ります。
たとえばブロガーなら、ウソで「今月10万PV達成!」とTwitter投稿すれば、それを信じる人も一定数存在します。しかし、本当の努力と苦労を知っているブロガーなら、読者数・記事のクオリティ・ブックマーク・フォロワー数・いいねの数などの総合的な情報で嘘だと簡単に見抜けてしまいます。
結果的にそのようなブロガーが有名になることなんてあり得ないのです。なぜなら、10万PVを継続的に達成できる能力を培っていないからです。
これが自分の持っている知識情報と問題点を分析した結果の「決断力」ですよね!
才能とは継続できる情熱
本当の意味での「頭が良い」とは?
「勉強ができないからという理由で餓死をした人は世界にいない」ヨーロッパを拠点に活躍する国際ビジネスマンの今北純一氏がこのような発言をしたのを著者は覚えていると語っています。
僕もこの意見には共感します!
たとえば、カリスマ美容師の「髪の毛を上手に切れるテクニック」という本を何十冊も読んだとしても、実際に切った経験がなければ素人です。つまり、座学の勉強は暗記でしかなく基本知識のベースを蓄積するのが目的です。
これが学校教育の「勉強」「成績」「学歴」と言った落とし穴だと思います。本書でも「定跡からビジョンへ」という著作を抜粋していますので、その内容を本記事でも抜粋してみます。
【本書抜粋】
東大を卒業して大企業に入り、出世した人はたぶん、頭がいいと本人も周りの人たちも思ってしまっているのですね。しかし、そんなに頭がいい人たちばかりだとは、私は思いませんね。
というのは、むろん頭のいい人もいるにはいますが、部下が多いとか、会議の数が多い、その会議をとり仕切っているーー
そういうことで頭がいいと錯覚している人が実に多いからです。彼らは、限られた仕事空間の中で現実的に繰り返ししかやっていないので、頭の中が硬直しているわけです。(P169)
つまり、東大に行けるだけの「努力」「継続力」「戦略」が素晴らしいのであって、「勉強ができる=頭が良い」とはならないと著者は語ります。そこで著者が考える「頭が良い」は沢山の知識を活用できる、記憶力が良い、計算が速くできる、機転がきく人間です。
そして、最後は思い切って「捨てる」ことのできる決断力が重要だと語っています。
会社を潰す社長も、今までの投資が無駄になると考え、なかなか「辞める」ことや「撤退する」という捨てる決断ができないでいます。
何かを得ようしたとき、人はなにかを失っているのだと改めて感じましたね。
【過去記事】
まとめ
・良い決断とは「直感」を信じること。
・情報は「いかに捨てる」ことができるかがポイント。
・本当の意味での頭が良いは「勉強ができる」ではない。
いかがだったでしょうか?
羽生氏は相当な苦労と孤独を経験してきた人だと感じましたね。将棋という一見華やかではないかもしれませんが、頭脳と思惑と戦略が入り混じるスポーツだと思いましたね。ベストセラーでもありますので、気になったかたはお手に取ってみてくださいね!