経理をしていて「飲食代の勘定科目はどうしたらいい?」と迷うことはありませんか…
飲食代の勘定科目としては「会議費」「交際費」「福利厚生費」の3つを使用することが多いです。
これら3つの勘定科目には一体どのような違いがあるのでしょうか…
今回は、飲食代の勘定科目の決め方・勘定科目を使い分ける理由について考えてみましょう!
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飲食代の勘定科目の決め方
経理をされている方から、このような質問をよく受けます。
- 飲食代の勘定科目はどれを使えばいい?
- 勘定科目の決め方ってあるの?
- 「会議費」「交際費」「福利厚生費」それぞれの勘定科目の違いを教えて欲しい…
適当に勘定科目を決めて、もし税金の計算に影響したらどうしよう…と考えてしまうのはよくわかります。
しかし、飲食代の勘定科目の使い分けについては明確な判断基準がありますので安心してください。
飲食代の勘定科目を決めるためには次の3つのステップを踏んでいきましょう!
- 飲食の目的が会議か否か
- 社外の人に対する接待か否か
- 一部の社員だけか否か
飲食の目的が会議
飲食代の勘定科目を決める時にまずはじめに考えることは「その飲食の目的が会議であるか否か」ということです。
飲食の目的が会議ということであれば「会議費」として処理してしまいましょう!
ここでいう会議とは、「打ち合わせ」「ミーティング」「商談」などのことであり、会議としての実態があるかどうかが焦点になります。
しかし、どこまでが会議なのかということは非常に曖昧でわかりにくいものです…
よく「お酒を飲んでも会議費になりますか?」という質問を聞きますが、お酒という観点で言えば「ビール1本程度」までが会議費としては妥当でしょう。
それ以上となると会議としてよりも接待・懇親会の色合いが強くなってしまいます…
したがって、居酒屋などの飲食代を会議費として計上するのは難しいと考えておきましょう!
- ランチミーティング
- 打ち合わせの喫茶代
- 会議で提供する弁当代・お茶代
社外の人に対する接待
次に飲食の目的が会議ではない時は「誰と食事に行ったのか」とういことを考えてみましょう。
社外の人と食事に行ったということであれば「交際費」として処理していきます。
社外の人との食事代は、接待としての意味合いが強いことから交際費として処理することが妥当です。
そこに社内の人がいたとしても、その時の食事代は全て「交際費」になります。
ただし、社外の人であってもプライベートな食事代は経費に計上することはできませんので仕事とプライベートの区別はしっかりとしておきましょう!
一部の社員だけ
最後に、その飲食代が「会議費」でも「交際費」でもない場合には「一部の社員だけで食事に行ったのかどうか」を確認しましょう!
もし、特定の役員や社員だけを対象にした飲食なのであれば「社内交際費」となり「交際費」として計上することになります…
逆に、全ての従業員に対して平等に与えられたものである時は「福利厚生費」として処理してください。
ただし、「全ての従業員」と言っても全員である必要はありません…
その時に残業していた全員の食事代、経理部全員での懇親会など、恣意性がなく平等にされていれば十分です。
なぜ飲食代の勘定科目を使い分けるのか…
飲食代の勘定科目は、3つのステップを踏むことで簡単に決めることができます。
しかし、なぜ飲食代の勘定科目を使い分ける必要があるのでしょうか…
フリーランス・個人事業者の場合
フリーランス・個人事業者の場合は、飲食代の勘定科目として何を使っても構いません…
なぜなら、どの勘定科目を使用しても経費の金額に違いはなく税金の額も変わらないからです!
ただし、この考え方は経理を税金の申告のためにするものとしか考えていないため、何にいくらお金を使ったかということがわかりません。
経理の本来の目的を果たすためにも勘定科目を上手に使い分けるということを覚えておきましょう!
法人の場合
法人の場合でもフリーランス・個人事業者と同じく、基本的にはどの勘定科目を使用してもOKです!
しかし、法人税の規定では「交際費」は経費として計上することができないこととされているため「交際費」だけは明確に勘定科目を区分しなければならないこととされています…
法人が飲食代の勘定科目を決める時は、3つのステップを確認してしっかりと区分していきましょう!
一人5,000円以下の飲食代について
法人は、原則として「交際費」を経費として計上することができません…
しかし、これは大企業の話であり、中小企業では年間800万円まで「交際費」を経費として計上することができます!
大企業でも接待に係る飲食代の50%までは経費として認められています。
これは企業に積極的に接待してもらって景気を上向けていこうという国の考えによるものです。
したがって、法人では「交際費」をいくら計上するかということが法人税を計算する上では非常に大切であり、論点になるところなのです。
そこで、最後のチェックポイントとして「一人5,000円以下の飲食代」についても考えてみましょう!
勘定科目の選定3つのステップにより「交際費」として分類された飲食代についても、一人5,000円以下の飲食代であれば「会議費」として計上することができます。
つまり、交際費として計上できる金額に上限がある法人にとっては、会議費として計上できるものは会議費として計上した方が有利ということになります!
この規定を利用したちょっとした節税テクニックについては以下の記事を参考にしてみてください。
まとめ
飲食代の勘定科目の決定については、以下の3つのステップを順番に踏んでいくことで比較的簡単にすることができます。
- 飲食の目的が会議か否か
- 社外の人に対する接待か否か
- 一部の社員だけか否か
また、法人の交際費のうち「一人5,000円以下の飲食代」については「会議費」として処理することができますので明確に区分していきましょう!