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準強制わいせつで逮捕された医師の冤罪訴え集会 
9月から公判再開

片岡伸行|2018年8月27日11:20AM

「犯罪とされる行為自体がなかった」と語る黒岩哲彦弁護士=
東京都足立区の勤労福祉会館で。(撮影/片岡伸行)

手術後の女性患者にわいせつ行為をしたとして2016年に逮捕・起訴された乳腺外科医・関根進被告(当時40歳)の公判が9月に再開されるのを前に、「乳腺外科医師冤罪事件の真相を知る会」(外科医師を守る会主催)が8月3日夜、東京都足立区の勤労福祉会館で開かれた。

足立区の柳原病院で同年5月10日に起きたこの事件は、千住警察署から警視庁捜査一課主導の捜査となり、8月25日の逮捕までの間、被告を執拗に尾行しゴミの中から家族のDNAを採取したり、病院職員全員の名簿や病院長室にあった多数の資料を押収するなど、およそ「わいせつ事案」とはかけ離れた捜査手法が問題視された。

弁護団を代表し、事件の経緯と1年5カ月間に及んだ非公開の「期日間整理手続き」の要旨を紹介した黒岩哲彦弁護士は「手術直後に『ふざけんなよ、ぶっ殺してやる』などと叫んだ被害女性の発言が、全身麻酔の影響かどうかがポイント。女性は麻酔が切れていない状態で見た性的幻覚を事実だと思い込んだ可能性が高い」とし、さらに「警察・検察が被害者の胸から採取したと主張する被告のDNAは本人のものかどうか疑わしいばかりか、そのDNAを捨ててしまっていた」と検察側の致命的なミスを指摘。公判では「犯罪とされる行為自体がなかった」ことを専門医の再実験や証言によって明らかにしていくと報告した。

約160人の参加者からは「どう考えても無罪」「全国の乳腺医に支援を呼びかける」「裁判官の良心に訴え、冤罪を晴らそう」などの声が相次いだ。家族の訴えの後、「公明正大な判断を」との被告本人のメッセージも紹介された。

公判は9月10日を皮切りに11月1日まで東京地裁722号法廷で計10日間の集中審理が開かれる予定。その後、被告本人の尋問も行なわれる。「守る会」では傍聴支援を呼びかけている。

(片岡伸行・編集部、2018年8月10日号)

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