米テキサス州のマクドナルド店内に、大学生たちが自分たちの姿が映った「偽広告ポスター」を無断で掲示した。一見「イタズラ」かのように思える行為だが9月3日、大学生のジェブ・マラビージャさんが、このプロジェクトのことをTwitterで発表すると、なんと100万以上の「いいね」が集まり、大きな話題に。マクドナルドの店側も「素晴らしいクリエイティビティ」と賞賛した。
なぜ賞賛が?
そもそものきっかけは、ジェブさんがこの店舗に行ったとき、ポスターにいろいろな人が写っている中で、アジア系の人が写ったものがないことに気付いたことだった。
自らも両親がフィリピンから来た移民2世のジェブさん。彼がネット上に投稿したビデオによると、ジェブさんは「いろんな人種の人のポスターがあるのに、アジア系のものはない。僕らが変えちゃおうか」と、友人であるクリスチャンさんたちと盛り上がった。
そこで彼らは、自分たちがマクドナルドのポテトを持っている「それっぽい」写真を撮影。他のポスターと似たような加工をほどこす編集をした。そして、壁掛け用の大きなサイズのポスターを作るため、印刷サービスの会社に制作を依頼した。
つぎに、店員に変装するため、マクドナルド店員の制服をリサイクルショップで購入。「インテリア・コーディネーター」とする、偽の名札も作成した。
そして、店員に見とがめられないタイミングで、店舗の空いていた壁にポスターを貼り付けた。周りの客もいる中で、堂々と作業をしている姿がビデオに撮影されている。
まるで本物みたいなクオリティだったのか......。このポスターは51日間、誰にも見とがめられず、壁に貼られたままだったという。
ジェブさんは9月3日、「種明かし」のツイートをした。「マクドナルドの壁が空いていることに気づいたから、友達と一緒に"偽のポスター"を作って、貼り付けたんだ。その日から、もう51日も経つよ」。このツイートが25万以上のリツイートと100万以上のいいねを集めることになったものだ。
ここまで注目を集めたので、メディアもこの「事件」を報じることに。マクドナルドの店舗オーナーはCNNの取材に答え、「私たちはあらゆる面でダイバーシティを大切にしたいと思っています。この2人の大学生のクリエイティビティは素晴らしい。またお店ですぐに会いたいです」と話し、ジェブさんとクリスチャンさんの行動を賞賛した。
投稿したビデオで、ジェブさんは「彼らがポスターを剥がさなかったことに、とても感謝しています。全ての人種が社会で同じように認められるべきなんです。私は自分自身のやるべきことができたと思っています」と、満足そうに語っていた。