北海道震度7「災害前後の地形比較」厚真町の航空写真公開 地理院
6日未明に北海道の胆振地方で発生したマグニチュード(M)6.7の地震。震度7の揺れが観測された北海道厚真(あつま)町では、広い範囲で山の斜面が崩れて土肌がむき出しになり、周辺の民家や道路が大量の土砂に巻き込まれる被害が発生した。
国土地理院は7日、地震発生当日に厚真川地区を上空から撮影した画像を公開した。発災前と比較することができる。
災害前後の地形変化
国土地理院が公開したのは、広範囲で土砂崩れが起きた厚真町、安平(あびら)町、むかわ町を上空から撮影した画像。厚真町吉野地区については、2011年秋に撮影した航空写真と並べて、災害前後の地形変化を比較できるサイトを公開している。
(太字をクリックすると国土地理院のサイトに飛べます)
古代の火山活動で降り積もった火山灰
東北大学災害科学国際研究所(IRIDeS)は7日、災害の専門家を集めて、解析を実施。森口周二准教授らによると、今回の地震で最大震度7の揺れを観測した厚真町の吉野地区は、古代の火山活動による火山灰が堆積した軟弱な地盤が広がっているエリアだという。
札幌・清田区にも火山灰土壌が…
大規模な土砂崩れが相次いだ道道235号線沿いでは、山肌がむき出しになって、なぎ倒された草木や土砂がふもとの住宅をのみ込んだ。
土砂崩れが発生した原因について、調査チームは、「8月中旬に降った大雨と地震直前まで降り続いた雨により、地盤が緩んでいた一面はある」としながらも、火山灰が堆積してできた軟弱な地盤と地震動の強さがこれほどまでに大規模な土砂災害を引き起こしたという見解を示している。
火山性土壌は、札幌市南部を流れる厚別川沿いの低地を開拓して生まれた清田区にも広がっている。調査チームによると火山灰は保水性が高いため、今回の地震によって地下水が噴出して、広範囲で液状化被害をまねいた。