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 ローソン子会社のローソン銀行は2018年9月10日に開業し、東京都内で事業方針説明会を開いた。銀行業への新規参入は2011年4月の大和ネクスト銀行以来約7年ぶりである。ローソン銀行は10月15日からローソン店内でATMサービスと、個人向けやローソン加盟店向けの預金サービスなどを始める。

新規開業したローソン銀行の山下雅史社長(左)と、ローソンの竹増貞信社長
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 ローソンの竹増貞信社長は「日本全体でもローソン店舗でも、キャッシュレス決済比率は2割程度にとどまっている。これを高めるためには、全ての決済の根っこにある銀行口座をベースにしたうえで、低コストで便利な決済サービスを提供する必要がある」と話した。詳細は明かさなかったが、ローソン店舗やそれ以外の地域商店向けに、低い手数料率で利用できる新たなキャッシュレス決済サービスを提供する方針を示した。

ローソンとローソン銀行が目指すキャッシュレス化の概念図
(出所:ローソン、ローソン銀行)
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 ローソン銀行の山下雅史社長は「既存の銀行やクレジットカードの決済ネットワークを使ったままでは、2重3重に手数料がかかって決済コストがなかなか下がらない」と課題を示し、「今すぐにということではないが、コストを抑えた新しいネットワークの在り方を考えたい」と展望した。

 当面の事業展開について山下社長は「厳しい経営環境のなかで、地域金融機関は支店網やATMの集約による効率化を模索している。地域金融機関に向けて、自社ATMをローソン銀行ATMで補完・代替したり、ローソン店舗を販売チャネルの1つとして活用したりすることを提案する」と説明。地銀や信金などの地域金融機関との協業を通じて地域経済に貢献する姿勢を示した。