東京オリンピックの陰でうごめくWリスクがハンパない! 期間中はWindows 7、終了後はOffice 2010が危ない
2020年1月14日、Windows 7のサポートが切れるのだ。
したがって、東京オリンピック期間中、Windows 7パソコンを見かけたら、かなり危険ということになる。
さらに、オリンピック終了後は、Office 2010のサポート終了も控えている。
こちらも対応が遅れると、非常に危険な事態に陥りかねない。
●東京オリンピック期間中、Windows 7パソコンが見かけたら……
東京オリンピックまで、いよいよ2年を切った。開会式は2020年7月24日が予定されているので、残りは1年と10ヶ月ほどだ。各競技場の建設もすすみ、ボランティアの募集も始まって、いよいよ近づいてきたな、という印象だ。
大会中は、いろいろな場所でパソコンが活躍するだろう。
各会場の受付やサービス案内、売店、プレスセンター、さらには個人のボランティアまで、活用されるパソコンは相当の数になるはずだ。
しかし、そのパソコンで、もしWindows 7が動いていたら非常に危険だ。
なぜなら、Windows 7のサポートは、オリンピック直前の2020年1月14日、すでに切れているからだ。
Windows 7のサポート終了……2020年1月14日
2020年1月14日に切れるのは、Windows 7の延長サポートであり、サポート終了後は、セキュリティ更新プログラムは提供されなくなる。
したがって、仮にWindows 7の不具合(脆弱性)が見つかっても、2020年1月14日以降は、脆弱性が放置されたままになる。
そして、東京オリンピックは、その約半年後に開催される。
Windows 7のサポートは、2020年1月14日に切れる。
●ボランティアや外国人が持ち込むパソコンのOSまで制限できるのか?
企業であれば、使用するパソコンをWindows 10に統一することは可能だ。
たとえば、オリンピック会場内の店舗でパソコンを利用するなら、Windows 10に統一すべきだし、それは十分可能なはずだ。
しかし、個人の場合はどうだろうか?
ボランティアで参加している個人が持ち込んだパソコンがWindows 7だったら……。
あるいは、海外からきた外国人が使っているパソコンがWindows 7だったら……。
そして、そのWindows 7パソコンが、オリンピック会場のWi-Fi環境に接続したら……。
考えただけでも、背筋が寒くなる。
こうした危険を避けるためには、東京オリンピックでは
・Windows 7パソコンを利用しないという啓蒙活動
・Windows 7パソコンのネットワークへのアクセスを遮断する
などの仕組みが必要になるかもしれない。
●パラリンピック終了後の2020年10月13日、今度はOffice 2010のサポート終了
無事、東京オリンピックを乗り切っても、まだ安心はできない。
バラリンピックの終了予定日は2020年9月6日だが、その約1ヶ月後の2020年10月13日、今度は、Office 2010のサポートが終了するからだ。
終了するのは延長サポートで、やはりセキュリティ更新プログラムは提供されなくなる。
Office 2010のサポート終了……2020年10月13日
オリンピックが終わっているから大丈夫だろうと、高をくくっていると危ない。
オリンピック期間中は、Officeのサポート終了を気にする人は少ないだろう。
マイクロソフトが、いくら「もうすぐOffice 2010のサポートが切れるので、早めに対応を!」とアピールしても、毎日、報道されるオリンピックのニュースにかき消されてしまう。
しかも、オリンピックが終わった後、後片付けやポストオリンピックの活動で、パソコンはむしろ活発に利用される。
その最中の2020年10月13日、Office 2010のサポートが切れる。
そのとき、Word 2010やExcel 2010が使われ続けたら、大きな事件・事故につながりかねない。オリンピック終了直後のような、集中力の途切れた瞬間が危ないのだ。
なお、Windows 7とOffice 2010のサポート終了については、マイクロソフトも積極的に情報を発信している。本記事末に関連サイトへのリンクを用意してあるので、クリックして早めに情報を確認してほしい。
Office 2010(画面はWord 2010)のサポートは、2020年10月13日に切れる。
・ Windows 7&Office 2010 サポート終了の案内サイト(マイクロソフト)
井上健語(フリーランスライター)