北海道の帯広市にはかつて巨大テーマパークがあったんだ。その名前はグリュック王国。
1989年の7月1日に開演したこの遊園地は、日本にいながら中世ドイツの雰囲気を味わえる貴重な娯楽施設・・・だった。
写真を見る限りまるで本物のドイツにいるような完成度だが、そこは正真正銘の北海道!
本物のドイツを目指した遊園地の末路
グリュック王国は、日本にいてもドイツそのままの雰囲気が味わえるように力を注いだテーマパークだった。
ドイツの都市ベルリンやドレスデンから400年前の花崗岩や彫刻を輸入するほどガチだったのだ。そんな遊園地がなぜ廃墟になってしまったのか?遊園地には、ビュッケブルグ城という巨大な城が建設されている。中にはシュロスという名のホテルが設備され、寝室から廊下まで西洋風に作られた綺麗なホテルだ。
当時は客で大いに賑わったが問題は城の維持費だった。月日が流れ城の補修が必要になったことから、グリュック王国の経営者は、資金を集めるためホテルの一部を貸し出すことを考える。しかし、交渉が中々進まない。
ジリジリと時間が過ぎ新たなスポンサー企業も見つからないため、ついに休園状態に突入。
長い休園期間を経て、2007年には正式に閉園してしまったのだ。
園内にポツンと残った土地と建物は競売に出される予定だったが、進行せずそのまま廃墟に。今となっては10年以上も放置されていることになる。
これらの写真は、オランダの写真家Bob・Thissen氏が現地を訪れた際に撮影したものだ。園内には、トナカイのコースターやメリーゴーランド、観覧車や海賊船などが残り続けている。
一部では不法侵入や窃盗が相次いだと報告されているが、Thissen氏によると、アメリカやヨーロッパに残る廃墟ほど荒れてはいなかったという。
あの有名な廃墟遊園地“奈良ドリームランド”よりかはコンパクトだったそう。パーク内にはゲームセンターも残っており、映像としても公開されている。