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要点をざっくり
- 不正融資で問題のスルガ銀行の壮絶なパワハラが明らかになりした。
- ビルから飛び降りろは当たり前で、「オマエの家族を皆殺しにしてやる」との発言もあったことが判明しました。
- この過大なノルマを与えた創業家の役員は、数百億の銀行からの融資を受けたまま退任しました。
スルガ銀行では不正が常態化
スルガ銀行で、資料改ざんなどの不正が横行し、役員や支店長、多くの行員が関与したことが第三者委員会の調査で明らかになりました。
高収益の裏で無理なノルマが課され、不正が蔓延(まんえん)していたとのことです。
参照:朝日新聞
創業家出身の岡野光喜会長(73)らは退任し、有国三知男取締役(52)が社長に就任してスルガ銀行の立て直しを図りますが、金融庁の厳しい処分と融資の焦げ付きが待っており、前途は多難です。
スルガ銀行の凄まじいパワハラ
第三者委が公表した調査報告書には、行員らの壮絶な体験談がつづられています。
いずれも融資拡大などの成績が伸びなかったときに叱られた例だということです。
「数字ができないなら、ビルから飛び降りろと言われた」
「上司の机の前に起立し、恫喝(どうかつ)される。机を殴る、蹴る。持って行った稟議(りんぎ)書を破られて投げつけられる」
「ものを投げつけられ、パソコンにパンチされ、オマエの家族皆殺しにしてやると言われた」
「支店長が激高し、ゴミ箱を蹴り上げ、空のカップを投げつけられた」
「死んでも頑張りますに対し、それなら死んでみろと叱責(しっせき)された」
「『なぜできないんだ、案件をとれるまで帰ってくるな』といわれる。首をつかまれ壁に押し当てられ、顔の横の壁を殴った。
「オマエの家族皆殺し」スルガ銀、上司による壮絶な恫喝:朝日新聞デジタル
朝日新聞デジタルから引用
これ以外にも、他のマスコミの報道では
「2時間立たされて、自分の給与の額を言わされる」
というのもあります。
パワハラがスポーツ界でかなり前から話題になっていますが、それ以上です。
こうなると、日本で一番ひどいパワハラを受けているのは「サラリーマン」かもしれません。
そして、自分の手で直接の暴力はしていないので、投げたカップがが当たらない限り微妙に暴行にはなりません。
さすが銀行員というところでしょうか。
会社ぐるみで不正を働く
今回、スルガ銀行の不正が発覚することになった、かぼちゃの馬車などの個人ローン。
それを担う個人営業担当の執行役員1人も、不正への関与を認定されました。
個人営業部門ではこの役員の元で過大な営業ノルマが設定され、支店長以下の職員に達成に向けたプレッシャーがかけられ、その中で不正が横行したようです。
不正をしてでも、数字をやらねければ会社を辞めるか「家族を皆殺しにする」と言われれば、部下はやるしかありません。
(私なら速攻で会社をやめて、金融庁にリークしますが)
おそらく、金融庁にもこの手の情報は入っていたのでしょうが、森元金融庁長官が目をかけていた銀行ですから、無視していたと推測されます。
この問題は、金融庁にも責任があると私は思います。
お偉いさんも不正をしているからその下の社員も不正をやって、高い給料と地位を手に入れようとしていたのでしょうから、いくら恫喝されて不正を働いたとしても私はあまり不正を行った社員には同情できません。
経営陣に情報が上がってこなかった?
第三者委の中村委員長は経営陣について「大事な情報はなんにも上がってこない。雲の上で下界を見ていた」と語っています。
報告書は、取締役らが個別の不正を具体的に知り得た証拠はないとしつつ、「経営責任がある」と認定しています。
そうすると、これらの不正を直接指示し行なったのは、本部長や支店長レベルということになります。
今回、社長に就いた有国氏についても「一定の経営責任は免れない」としました。
しかし、報告書では、一番重い経営責任は岡野会長にあると結論づけられています。
参照:文春オンライン
これ以外にも、スルガ銀を巡っては、住宅ローンを実行した相手に指定暴力団組員がいた疑いがあるとの報道やシェアハウス融資で東京スター銀行を欺き融資を引き出したとの報道、顧客の定期預金を解約するなどして約1億6500万円を社員が流用していたことが明らかになっています。
岡野会長の優雅な暮らし
岡野会長の役員報酬は数億円と言われており、けた外れの大金持ちとして知られています。
自宅は東京六本木の32階建ての家賃約150万円ほどのマンションで、静岡県沼津市には、本家である敷地面責220坪の豪邸を持っています。
参照:日刊ゲンダイ
参照:フライデー
地元では「岡野本家」と呼ばれている。
しかし、金融庁の調査で、創業家の関係企業に数百億円を融資していることが分かりました。
金融庁は融資先に実態のない企業が含まれている可能性もあるとして、現在調査を進めています。
今となっては、岡野会長がいつまで、この雲の上のセレブ生活を続けられるかは不明です。