ある後輩監督は、新規の仕事を依頼されたら、必ず監督料他待遇面の交渉を粘り強くやる。
たいしたものだ。

特にフリーのクリエイターなら、大きな仕事がポシャッたら大ダメージだ。
他の仕事を慌てて探さなきゃいけない。

そんな世知辛い御時世の中、毅然としている。
監督全体の待遇改善のため、応援したい。

たまに彼が「これ安いんじゃないですかねぇ?」とか相談してくる。
逆に僕が貧乏性だから「充分だよー」とか言ってしまう。


そう、僕は貧乏性だった。
勤めていた頃は、報酬のことで一切文句は言わなかった。
独立してからも、仕事があるだけありがたい!誘ってくれるのはラッキー!と、無条件に請けた。
それからも、え!?実写やらせてくれるんですか?え!?オリジナルやらせてくれるんですか?と、無条件に飛びついた。

結果、今後悔している。

僕は今まで、『WUG』に至るまで、こう言った待遇面他条件交渉が、本当苦手だった。
それをいいようにやられてきたのだ。


監督の待遇改善のためには、まず自分が先頭に立って主張しなければいけないはずだ。
落合博満のように、戦うべきだ。


和田さんが「アニメ作ってください!」と来た時は、さすがにアニメに対してヤケになってたのもあってか、充分以上の待遇を求めた。
「でないとやらない!」と。

監督が貧乏で、この業界夢があるはずがない。

「安くてもやりまっせ!(でも片手間にやるからパッケージリテイクで誤魔化すけど)」とかいう、奴隷かつ詐欺師のようなゴミ監督は、明日にでも業界から去れ。
業界にとって、ただ害悪だ。