2公社救済で一息ついたはずの金融市場に2008年9月9日、緊張が走った。米大手証券会社リーマン・ブラザーズの株価が突然、45%もの急落に見舞われたのだ。
きっかけの一つは米格付け会社による「リーマンの格付けを引き下げ方向で見直す」という発表だった。リーマンは近く発表する6~8月期決算で、サブプライムローン関連の巨額損失を出すとの観測が強かった。企業の経営破綻リスクを映すクレジットデリバティブ市場でもリーマンの保証料率は急上昇し、信用力は急激に悪化していく。
韓国産業銀行など他の金融機関やファンドによるリーマンへの出資観測も後退し、この半年前、08年3月に実質破綻したベアー・スターンズショックの再現への懸念が深まっていった。
全光宇・韓国金融委員会委員長=当時「韓国産業銀行はリーマンへの出資に極めて慎重になるべきだ」(2008年9月8日)
シリーズ「リーマン・ショックダイアリー This Day In 2008」では、10年前の出来事と当時の日本経済新聞の報道、要人発言を基に、危機の進行を「リアルタイム」で再現する。
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