退学者 火元の部屋使用 大学、ずさん管理謝罪
火災を受けて九州大は7日夜、箱崎キャンパスで記者会見を開き、出火元の院生室を誰が使っていたのか、今春まで把握していなかったことを明らかにした。大学院法学研究院の江口厚仁副研究院長は「建物の管理がずさんになっていた」と謝罪した。
九大によると、院生室は大学院法学府の自治会が管理している。問題の部屋に出入りする人物の存在を九大が把握したのは今年5月。伊都キャンパスへの移転が迫る中、自治会から「引っ越しに協力してくれない人がいる」と相談があったという。
その人物は同大法学部を卒業後、1998年4月に大学院に進学した男性。2010年3月に博士課程を退学した後も継続して使っていたとみられる。自治会は「院生室の使用資格を持った研究員」と誤解していたという。
九大は8月上旬、日中は不在の男性に退去を求める要請書を掲示。男性から自治会を通じて「お盆明けに退去する」と意思表示があったが、室内の備品が撤去されないため、7日に強制撤去する予定だったという。
=2018/09/08付 西日本新聞朝刊=