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自己紹介

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2012 年の秋から 2017 年の春までカリフォルニアの某州立大学の Ph.D. に在籍していました。色々偶然も重なって、今はイスラエルで posdoc をやっています。

2018年8月6日月曜日

東大教授はバカになったか

さて、似たようなタイトルの本が昔話題になりましたが。


彼、ただ本を沢山読んだだけの、薄っぺらい知識でサイエンスをさも知ったように語る勘違い男だとずっと思っていましたが、ちょっとウィキペディアなど覗いてみると、確かに色々と業績はあるのですね。




・・・さて、こんなことをネットに書くなんて wise じゃない、とか言われそうですが、そもそも何を今更だし、というか "when did I do a wise thing in my life?" なので、相も変わらず我がスタイルを貫くことにします。(リスクなど承知の上です。)


まあ、とは言っても、もう大体全部「アメリカ大学院留学について」の記事に書き尽くしたので、今日は補足程度ですが。
 


まず、指導教官選びにさえ注意すれば、東大数理の修士博士に行ったところで人生が狂うことはないです。もちろん、少なくともその期間、数学にそれなりの時間を割く覚悟は必要ですが。


ただ、東大数理の professor は本当に玉石混淆で、しかも石はとことん石です。
 
昔は(まあそれなりに)業績はあったけれど、最近はずっと(ほとんど)paper を出せていない、という人も多いです。


なので、アドバイスは以下です:


学内のネットワークから Mathscinet にアクセスして、先生の論文を検索してみましょう。論文の本数は(凄まじく粗い)一つに指標にはなります。

ここ5年ぐらいの間にほとんど論文を出せていないなら論外です。研究能力、指導能力ゼロだと思って下さい。


論文数より、論文の質の方が遥かに重要です。とは言っても、journal の数は無限にあり、professional mathematician ですら分野が少し違えは journal のレベルは分かりません。

ですので、S級とA級の journal に載った論文を調べてみましょう。

Annals of Math, Acta Math, Journal of the AMS, GAFA, Duke, Inventiones Mathematicae, Journal of the EMS がそれに当たります。(僕の知識の限りなので少し違うかも知れませんが、大体はあっているはずです。ちなみに初めの3つがS級です。)

似ている名前のが沢山あるので、それは注意してください。

本当は、B級でも十分一流だし(戸愚呂弟ですら B級でしたから!)C級でも非常に良い journal なのでそこまで入れるべきなんですが、このレベルだともう数がありすぎて(プロにすら)分かりません。


B級にすらまだ一本も出せていない僕が言うのもアレなんですが(笑)、active に研究しているプロの数学者であれば、ここ5年〜7年ぐらいでこれらの journal に最低1、2本は欲しいところですね。いくら research には波があるとはいえ、それだけのスパンで見れば普通は実力が出ます。


 というか、見比べればこれで大体先生のレベルは分かります。(ちなみに F級、G級の journal にだけ山ほど publish している先生もいます。)

まあ、もちろん、良い結果が必ず良い journal に載るとも限らないですし(ちなみにフィールズ賞受賞者の B先生の best result は B級に載りました!)、逆も当然しょっちゅうあるのですが。



あとは、ホームページを持っているか否かも(ある程度の)指標にはなります。

日本の場合、力のある数学者の全員がホームページを持っているわけではないですし、また大したことないのにホームページだけ立派な人もいますが、でも内容を見ればある程度は分かります。




・・・まあこんなところでしょうか?



さて、では今日はこれで失礼します!




追記:公開して気がつきましたが、日本はもう6日なのですね。日をずらすべきだったかも知れませんが、引っ込めるのもアレなのでこのままにします。




1 件のコメント:

  1. ありがとうございました。
    勉強になります。指導教員は慎重に選びたいです。

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