まず始めに、この度の北海道での震災の被害に遭われました方に心よりお見舞い申し上げます。
一日も早く皆様がご不便のない日々に戻られますよう、
これから私も微力ながら出来る限りのことをさせて頂きたく存じます。
■□■day4 後編■□■
PCを出る前に、お守りがわりに栄養ドリンクコーナーでチョコラBBローヤルを購入。
いざとなったら眠気覚ましに使おうとサドルバッグにしまいます。
阿寒湖周辺のお店には、
お土産用のマリモを売っているところがチラホラ。
買って旅のお供にしようかと思いましたが、意外に大きい瓶入りだったので断念。
北海道の方いわく
「北海道にはお土産用のマリモを丸める内職が存在していて、バケツに入った藻をひたすら丸めていく」とか。
本当でしょうか…
せっかくなので機会があれば、
丸めたてのマリモを買いたいです。
そんなことを考えながら走っていると、
ほどなく再びの登りゾーン。
斜度はそれほどでもないとは聞いていましたが、
斜度にかかわらず苦しむ羽目になるのが登り嫌いというもの。
時折オートバイのライダーの皆様から応援をいただいた時は元気を出しつつ、なんとかかんとか進んでいきます。
すると、後方から颯爽と抜いていく、ランドヌールUSAのエリックさん。
「登りが難しい?」と英語で声をかけてくれます。
イェェース!難しいー!
と答えたところ、見かねたエリックさん改めエリック師匠の登り方講座がスタート。
エリック師匠いわく、私は重いギアで踏みすぎているので、それはそれでストロングなんだけど適切なギアを探して足を下ろすようにして登ろう、
ということでした。
なかなか、頭ではわかっていても難しいんですよね…
エリック師匠に見守られながらギアを軽めにして登り、なんとか頂上にたどり着くと、師匠もご満悦の様子で
「ゴウカーク」といいながら颯爽と走っていきました。
合格をいただいたようです。
さて、この後はひたすらの下り。体が冷えてはいけないのでレインジャケットを着込みます。
まさかこの4日間、レインジャケットを使わない日が1日としてない事態になるとは。
ありがとうワークマンで2980円のジャケット…でも次はもっと高いやつにします…。
ゆるやかな下りで足とアベレージを回復しつつ、晴れた北海道の景色を楽しんでいましたが、
とうとう平地ゾーンに。
はじめての1000キロ超えライド、だいぶ膝に来ていることを実感します。
ここからは慎重に行きたいところなので、
走れないような痛みに変わるような事態は避けたいところ。
恐る恐る走っているところに、楽しげに走る一人の参加者さん。
朝もお会いした、
マリオのようなヒゲと相棒のヨッシーのぬいぐるみがチャームポイントのR-マリオさんでした。
どうやらエリック師匠と阿寒湖で温泉を楽しんできたそうです。
エンジョイレベルが高すぎます。
そんなR-マリオさん、膝を気にしながら走る私に
「膝を使わない走り方を教えてあげようか?」
との、あまりにも有り難いお言葉。
伺った「膝を使わない走り方」とは、
・人間の足には重みがあるので、その重みをペダルに乗せるようにして走っていく。
・だんだん加速していくので、加速にあわせてギアを重くしていく
という方法だそうです。
早速試してみると、スピードは落ちるものの、
これは確かに膝への負担が格段に抑えられています。
幸い私は足が太いので、重さは充分すぎるほどあります。
この調子で信号の少ない区間は体力と膝を温存できそうです。
市街地に辿り着き、R-マリオさんにお礼を言って見送ったあと、
私はコンビニで夜間走行準備タイム。
補給食をたくさん買い込み、テールライトの電池を交換。
ここから最後の戦いです。
次第に日が落ちると、
街灯のない区間はすぐに真っ暗に。
夜の田園地帯を一人で走っていると
自分と一本の道、それだけが世界の全てであるような気がしてきます。
そんな非日常感に満ちた気持ちに浸るのも悪くはないのですが、
さすがに刺激がなくて、
今さら眠くなってしまっても困るので、
「目についた光るものが何なのか予想しながらそこに向かって踏む遊び」
を繰り返していました。
大抵は、反射材が塗られた標識が
自転車のライトに照らされただけなのですが、
たまに街灯だったりするとテンションが上がります。
それにしても、
だんだんレーパンだけでは心もとない気温になってきます。
そこで、たまたま近くにあった、
すでに閉店しているガソリンスタンドの明かりをたよりに、
レインパンツを防寒用に履くことにしました。
…が、ちょっとゆるい?
履けないこともないけど気持ちバサバサします。
完全に、夫のレインパンツを間違って持ってきてしまったパターンです。
夫も私も、モンベルのバーサライトパンツを愛用しておりまして、
ぱっと見区別がつかないので、どこかで取り違えてしまったのでしょう…
幸い私は足が太いので、
ちょっとゴワゴワする程度で事なきを得ましたが複雑な気持ちです。
こうしていろいろあった1200キロも残すところあと15キロ!
心配しているであろう夫にもうちょっとだというメッセージでも…
と思ったところで、
最後のハプニングです。
まさかの、eTrex30の電池切れ。
リチウム電池を使用していたのでゴールまで問題ない予定でしたが、
私がうっかりバックライトを想定より明るくしてしまっていたため、
ここで電池が力尽きたのでした。
とはいえ携帯の充電はかなり余裕があるので、
ちょくちょく停車しながら携帯でルートを確認して進むことに。
これでは思ったより時間がかかってしまうな…と思ったところ、
ルート上にセイコーマートという神が降臨されました。
神が電池を売ってくださったので無事にetrexも復活、
ゴールまで急ぎます。
ハプニングのおかげで全く眠気が起こらず、
朝からちょっと不安だった「序盤の下りが帰りは登りとなって襲いかかる件」も気がついたらクリア。
無事に市街地に戻ってくることができました。
ここからは意外と信号が多く、
なかなかゴールまでたどり着けません。
少しずつ、少しずつゴールの「スポーツホテル・クロスコート」に近づいていくと、
歩道に集まっている人影が見えます。
夫と、クローバー1200のスタッフのみなさん。
初日からずっと私のことを応援してくださり、
無事を祈ってくださっていた、
シャーブさんの姿もあります!
みなさんの拍手とともに出迎えられ、
初めての1200キロを認定完走することができました。
メダルは後日郵送していただけるそうで、今からワクワクです。
今回、スタッフの皆様には、
このような素敵なイベント自体だけでなく、
先へ先へと進むパワーをたくさん頂きました。
というわけで、
とても華やかで素敵だった女性スタッフのみなさんの似顔絵を描いてみましたが、
似顔絵が似ていないことに定評がある私なので…
おおめにみていただけたら嬉しいです…
さて、ゴール受付で、スタッフのエイコさんお手製のスタンプをブルベカードに押していただきます。
あまりにも可愛くて、自分の完走タイムの部分も撮らずにスタンプだけ大はしゃぎで写真に撮っていました。
部屋に戻って、ツイッターにて完走のご報告を。
デスクにあったメモ用紙にイラストを描いてみましたが、このへろへろぶりに疲れがにじみ出ていますね…
お風呂に入ってさっぱりしたあとは、
最初の3日間時間に余裕がなくて食べられなかったホテルのブュッフェのカレーを頂いてみることにします。
…嘘みたいに美味しかったです。きっと一生忘れないであろう味がしました。
翌日のアフターパーティーを楽しみに、
今日こそはゆっくりとお布団に包まれます。
(後日談に続く)