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次世代リーダーの転職学

転職は正解か 40代が「経営への不信感」高める理由 ミドル世代専門転職コンサルタント 黒田真行

2018/9/7

経営方針への不信感で転職するミドルは意外なほど多い。写真はイメージ=PIXTA

 ミドル世代以上の方々の転職をサポートしていると、40歳を超えた方の転職理由に「経営方針への違和感」が非常に多いことに驚かされます。給料や仕事内容、評価への不満など、自分自身に直接かかわる不利益ではなく、「会社が目指している方向性に納得できない」「社長の考え方についていけなくなった」という経営に対する価値観の相違が、会社を辞めさせるほどの動機になってしまうのはなぜか。また、そうしたケースで転職に成功するにはどうすればよいのか、その秘訣とともにお伝えします。

■仕事への満足度は世代間に大きな差なし

 仕事そのものへの満足度、職場の人間関係への満足度、仕事を通じた「成長実感の有無」など、仕事や職場のどこに満足を感じるかという基準値は多様にあります。

 リクルートワークス研究所の「全国就業実態パネル調査2018」によると、

●仕事そのものへの満足 満足派38.3% 不満派24.7%
●職場の人間関係への満足 満足派39.4% 不満派26.4%

と、2つの大きな指標ではいずれも満足している人のほうが多数という結果になっています。

 また、このデータは20代と40代を比較しても大きな差はなく、現在の仕事そのものや人間関係の満足度については、年齢の違いに大きな影響がないことが見て取れます。

 実は、「年齢が上がると仕事の熟練度が上がるから仕事への満足度が高まるのではないか」「社歴が増えるほど気を遣う相手が減るから人間関係の満足度が高まるのではないか」と予測していたのですが、年齢が若く経験が少ないほど仕事に新鮮味を感じたり、人間関係が短いほど緊張感が保てていたりという、プラス要素もあるのかもしれません。

 仕事や人間関係にはそれなりに満足しながら、では、なぜ、40歳を過ぎると、経営方針への違和感という不満因子が頭をもたげてくるのでしょうか。2つのケースからその原因を考えてみましょう。

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