□■□day4-前半□■□
睡眠時間確保のため、今日は時間的借金スタート。
おかげさまで体力も眠気も問題なさそうです。
夫が、借金返済のためのペースメーカーを買って出てくれました。
速い人が遅い人にあわせると、それはそれで想定外の痛みが出る可能性があるので、
先に行ってもらおうかと悩みましたが、
せっかく一緒に走ることを提案してくれたので、
有り難くそうさせてもらうことにしました。
今日は、なんと、雨が降っていません。
にわかには信じがたいことですが、なんと地面も乾いています。
こんな幸運があっていいものかとソワソワしながら、晴天仕様の装備で出発します。
といっても、朝は冷え込みがあるので、レインジャケットを一枚羽織ってはいますが。
スタートして市街地を抜けると、
いきなり身に覚えがない長めの下り坂がはじまります。
とくに登った覚えがないのに下るということは、あとで登りがくるということですね。
そう思うと純粋な心で下りを楽しめないのが切ないものです。
複雑な思いでの下りを終え、田園地帯を走っていると、
音楽をスピーカーで楽しみながら前を優雅に走る一人の参加者さん。
アピデュラのかなり大きなサドルバッグを装着しておりますが、
一切横揺れしていません。
『世界中の揺れる大型サドルバッグを救いたい』という使命感を帯びながら生きている夫も、
「あの人…出来る…!」と気になる様子。
信号待ちのタイミングを狙って声をかけると、
やはり只ならぬオーラと個性を感じます。
スーパーマリオのようなヒゲと、
サドルバッグにつけたヨッシーのぬいぐるみがチャームポイントの、
その名もR-マリオさん。
これからカニラーメンを食べに行くそうです。
「私も私もー!」と喉まで出かかっておりましたが、
そもそも時間に余裕がなかったことと、
最近甲殻類アレルギーを発症したことを
すんでのところで思い出して悲劇を免れました。
ちなみにカニラーメンのお店はお休み中だったようです。
晴れていると限りなく爽やかな海沿いを抜けて、
いくつかのアップダウンをこなして市街地に出たあたりで、
久しぶりにコンビニを見かけたので補給食買い込みタイム。
ふと目についた、凍らせてあるペットボトル飲料も1本買って、
背中のポケットに入れてみました。
ちなみに、この時点でついに私の人生初の1000キロ超えライド達成。
長距離ライド愛好家の先人の方々に聞くところによると、
ここから先は体の疲れや不調が表面化してきたり、
無理がきかなくなってくる頃だそうです。
いわゆる「1000キロの壁」。
それは裏を返せば、ここまで積み重ねてきた「念のため」が
最後の最後に自分を押し上げてくれる、ということなんだと思うと、
緊張とワクワク感が共存した不思議な気持ちになってきます。
さて、ここから補給を絶やさずに摂りながらの走行…なのですが、
信号がほとんどない区間で
トレインを維持しながら補給を取るほどのテクニックをもちあわせておらず、
次第に遅れ気味に。
夫が気付いて、時折補給の時間を取ってくれたり、
補給用にペースを落としてくれたので助かりました。
それにしても先程買ってバックポケットに入れた冷凍ペットボトルによって、
背中が引っ張られるので腰回りの筋肉がなんだか疲れてきました。
でも、このポカポカ陽気で眠気が襲ってこないのも冷凍ペットボトルの効果のような気がするのでなかなか悩ましいです。
そして、キンキンに冷えたドリンクを時折口の中に注ぎ込む幸せ。
昨日まで一切興味のなかったアイテムでここまで葛藤することになるとは思いもよりませんでした。
結局、腰痛が起きてしまったら辛いので、
ペットボトルはサドルバッグのバンジーコードにくくりつけることに。
しばらく走っていると、
今まであまり感じたことのない「膝に来ている」感じがします。
夫に相談したところ、膝周りに効くストレッチを教えてくれました。
ストレッチをするとだいぶ楽になったのでライドを続行。
130キロほど一緒に走ってもらって、登り区間に入ったのでここからは単独走に。
夫の「ゴールで待ってるよ!」という言葉を胸に、最後の難関です。
阿寒湖に向かう道は、以前同人誌即売会にいらしてくださった方から
「サメハルさんが好きそうな風景ですよ」
と教えていただいたのですが、
それと同時に
「登りが大変です。あと路肩が狭いので車に気をつけてください」
というアドバイスも頂いて
「登りが大変か…せっかく教えて頂いたけどなかなか行く勇気が出ないな」
と思っていた場所です。
すみませんアドバイス凄まじく役に立ちました。
風景も素晴らしいです。
青空の相乗効果もあって、とうとう北海道の美しさ、本領発揮といったところです。
頑張って登っていると、
すれ違うオートバイ乗りの方々が手を上げて挨拶をしてくれます。
私も嬉しくて手を振って挨拶を返します。
昨日までのライドでも同じようなことがあったのですが、
なんというか昨日までは
「天気がヤバイですがどうかご無事で」
的なニュアンスだった気がします。
今日は
「お互い最高の一日にしような!」
みたいな爽やかな雰囲気です。
他の参加者さんも、晴れていたのでみんな全力で楽しんでいます。
私が登りに苦戦している横を優雅に抜いていった、
ランドヌールUSAのエリックさん・クリスティーヌさんたちは、
途中でソフトクリーム屋さんに入っていきました。
ちょっと羨ましいですが、
登りが本当に長いのでグッと我慢して走り続けます。
ゆっくりゆっくりでも、いつか登りには終わりがくるもので、
最後のやたら上りが激しい区間もなんとかクリア。
気分良く坂を下って気分良く下りすぎてあやうくミスコースしかけましたが、
無事に時間内にPCに辿り着くことができました。
PCのローソンでは、天気の良さにご機嫌の海外参加者の皆さんがいらっしゃいました。
クローズまで時間が少しあるので、ここでからあげクン(レッド)とおにぎりを食べます。
アイスの実も買ったのですが、
全部食べていたら時間がかかってしまうので、
何個か食べて気が済んだらドリンクのボトルに氷代わりに投入。
日差しも気になってきたので、
サドルバッグにいつも入れている携帯用のメイク下地とファンデーションで、
ささっと簡単にメイクをします。
ちなみにこれ、
ローソン限定で販売されているINTEGRATEのミニシリーズなのですが、
ファンデーションはパフも収納されていてわずか8グラム程という
軽量・小型化特化のアイテム。
1個500円で買えるので、女性の自転車乗りさんにぜひオススメしたい一品です。
【後編に続く】