バックトゥザ1960年代

2018年9月7日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 関西方面から台風の被害を伝える映像が届けられている中、今度は、北海道を大きな地震が襲っている。

 適切な言葉が出てこない。
 天災は、説明できない。
 分析もできない。

 アナハイムでは大谷翔平選手の肘に新たな靭帯の部分断裂が発覚したらしい。
 このニュースもつらい。
 どう論評して良いのやら、見当がつかない。

 とにかく、災害の話題には触れないことにする。
 何ができるわけでもない以上、余計なことを言わずにおくことだけで精一杯だからだ。

 今回は、麻生さんの「名誉白人発言」(←いま命名しました)について考えたい。
 私はがっかりしている。  麻生さん個人に、というよりは、自分を含めた日本人全般に対して失望に似た感情を抱きはじめている。  とてもヘビーな気持ちだ。

 当該の発言を振り返っておく。
 朝日新聞によれば、経緯はこうだ。

《 麻生太郎副総理兼財務相は5日、盛岡市内で開かれた「安倍晋三自民党総裁を応援する会」で、「G7の国の中で、我々は唯一の有色人種であり、アジア人で出ているのは日本だけ」と述べた上で、「今日までその地位を確実にして、世界からの関心が日本に集まっている」と語った。日本以外のG7構成国にも様々な人種がおり、かつてはオバマ氏も米大統領としてG7サミットに参加していた。

 麻生氏は、リーマン・ショックの際も日本が国際通貨基金(IMF)に多大なお金を払って金融危機を乗り越えた、と主張し、日本が世界から注目されていると話した。そんな中、「問題はトランプの発言、行動。これに振り回されている」と述べる一方、トランプ米大統領の信頼を勝ち得たのが安倍氏だとして、総裁選での支持を訴えた。---略--- 》(ソースはこちら

 以上、文意を正確に伝えるべく長々と引用した。

 記事を読み終わって、驚愕した。
 いくらなんでも、21世紀のこの時代に、総理経験者でもある重要閣僚が、公の場所で「人種」をベースにした国家観をあからさまに開陳するとは思っていなかったからだ。

 記事の文体の冷静さというのか、そっけなさにも驚かされた。
 記者は、麻生さんの発言に論評を加えていない。
 発言の事実だけを伝えてパソコン(スマホかもしれませんが)を畳んでいる。
 まるで、政治家が飼っている犬について語ったことを伝えるみたいな、いかにも淡々とした調子で記事をしめくくっている。

 ここのところに、つまり、あえて一切の補足説明を省略したところに、書き手の強い決意のようなものを感じる。

コメント28件コメント/レビュー

白人国家に伍する事が自尊心につながるという性根自体が自分たちを劣等人種だと自虐しているということに気が付かないのが不思議(2018/09/07 10:05)

併せて読みたい

オススメ情報

「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

一覧

「バックトゥザ1960年代」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

白人国家に伍する事が自尊心につながるという性根自体が自分たちを劣等人種だと自虐しているということに気が付かないのが不思議(2018/09/07 10:05)

 サピエンスが6万年前にアフリカの一地域から地球上に広まったという科学的知見の信頼度は高そうなので「人種」なるものにほぼ意味はないと思っている。
 胴長短足が代名詞の日本人も栄養状態によって大谷のような小顔足長が生まれたりするのだから、数万年程度で肌の色や運動能力に差がでる程度のDNA変化はあるだろう。6万年の適応過程も無視はできないが、ここ数百年の近代化や数十年のグローバル化の環境変化に比べればものの数ではない。急激な環境変化に適応できず混乱中なのが人類の「いまここ」なのであろう。
 
 自民党員の集まりで「G7唯一の有色人種国」を誇らしげに語り、それを心の拠り所に盛り上がれる精神構造は、たしかに常人の理解を越える。どこの老人クラブの集まりなのだろうか。
 そもそも「G7」自体がすでに時代錯誤だろう。かつての帝国主義列強の面々が会するっていったいいつの時代だよと思う。先進国会員制の仲良しクラブのようだが、これも老人クラブの類か。
 何か実質的な効力なり意義なり成果なりがあるのか。伊勢エビを食わせて天照大神の説明をしたところで「ハァ、そうですか」ぐらいで終わるのが関の山だろう。それでも末席に加わりたい心理がわからない。不良グループに貢いで仲間に入れてもらうパシリの心境なのか。
 イタリアなんかもなぜいるのか不明だが、ローマ帝国やメディチ家、ハプスブルグ家の残照にあやかりたい的な意味があるのか。欧州の名家の血筋支配の伝統みたいな雰囲気を引き継いでいるのかもね。
 その意味ですでに成立当初から過去へのノスタルジーの共有が中心に置かれていたのかな。今となってはいずれも落日の国々だ。落ち目の国々の強がりと失笑をかっているのではないか。
 すでに先進国とか民主主義国という御旗も色褪せ、ロシアを始め今後の世界中枢を担うであろう人口10億を越える中国、インド、その他アジア、アフリカの国々などを含め、グローバルな国家観、世界観が必要な時代にいったい何をやっているのかなと思う。(2018/09/07 10:01)

理想論乙って感想しかないな。(2018/09/07 10:00)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

本は2回以上、 読まないと分からない。

岩井 克人 国際基督教大学 特別招聘教授