2018年秋の国会で、なし崩し的に成立してしまった日本サマータイム法への対応は、
東京オリンピックが終わった後の2022年になってもIT業界では粛々と進められていた。
リモートアップデートが対応可能な機器はオリンピック前後には対応が済んでいたが、
今行われているのは、ネット接続もされておらず、個別に分解してファームウェアを更新するしか手段の無い
加藤健一もそんなファームウェア・アップデート職人の一人だった。
ある時、加藤は監視カメラのファームウェアのサマータイム対応がずさんであることに気づいた。
サマータイム開始時刻になると、なんと2時間巻き戻って直前2時間分の録画データを上書きしてしまうのである。
大手都市銀行は既に更新も完了していてムリだろうが、地方銀行ならどうだろう。スルガ銀行とか?
人感センサーのファームウェアにも細工をして、犯行中だけ反応しないようにする必要がある。
犯行後にセンサーを調べられて、ファームウェアの細工が発覚すれば、すぐに捕まってしまう。
ファームウェアが調べられる前に、自動で正規のファームウェアで上書き消去する仕組みを作るか…。
それは、サマータイム対応を口実にして、悪意のあるファームウェアに差し替えられる点にある。
ならば、犯行をサマータイム切替え日に行う必然性はまったく無い。
サマータイム切替え日は、システムの切り替えが上手く行くか徹夜で監視している人もいるだろうから、
ファームウェアには、特定の日の特定の時間帯にだけ特定の動作をするようにして、
だが、犯行を一人で行うのは厳しい。そこが最大の悩みだった。
「特定の日の特定の時間帯にだけ、監視システムが機能不全になる建物がある。」
その情報をダークウェブで売りに出したところ、すぐに買い手が付いた。
自分でやれないことは他人にやらせればいい。それが加藤の結論だった。
いきなり「起きろ!加藤!」と怒鳴られた。
「匿名がウリのダークウェブなのに、なんで俺の苗字を知ってるんだ?!」
と混乱する加藤に再び
「はやく起きろ!加藤!」と怒号が飛んだ。
「もう2時間も寝てたぞ?さっさとレーンに戻れ。」
ここは全国各地から送られてくる機器のファームウェアを更新して送り返すファームウェアアップデート専門工場。
操業開始以来、4年間ずっと同じ作業をしているが、未だに終わる気配はない。
今日のようなサマータイム開始日は、朝が早いせいでどうしても昼間に眠くなるのだが、
工場の仕事にサマータイムなんて関係ないだろ!と思う奴も少なくないが、
サマータイム期間中だけ2時間遅らせて操業開始することは、法律上許されていないそうだ。
オリンピック不況に日本中が震え上がる現在では転職もままならない。
そう考えることにした加藤は、再びドライバーを片手に機器の分解を始めた。(終
1999年流行った2000年問題小説みたいなの書いてくれんかな、リアリティSFでさ。 確か当時日付が最も早く2000年を刻む日本から大規模障害に見舞われててロシアの旧ソ連コンピュータが暴...
anond:20180906085723 2018年秋の国会で、なし崩し的に成立してしまった日本サマータイム法への対応は、 東京オリンピックが終わった後の2022年になってもIT業界では粛々と進められていた...
サマータイムで時計を早めた分、ウィンタータイムで遅くしないと不公平だよな
小説だと、夏のある時間?を表現するのにサマータイムと書いてるものがあるみたい。 夏時間あるいはDSTのほうだよね。 小説検索 || 小説を読もう! https://yomou.syosetu.com/search.php?word=%...
ヴァンパイアサマータイム!!!!!!!!
サマータイムトラベラーって小説あった気がする 内容は知らんが
サマーにタイムトラベルする話であってサマータイムにトラベルする話ではないな。