米Twitterのジャック・ドーシーCEOは9月5日(現地時間)、午前中に米上院情報委員会の、午後には米下院エネルギーおよび商業対策委員会の公聴会に出席した。午前の公聴会には米Facebookのシェリル・サンドバーグCOO(最高執行責任者)も参加した。
これらの公聴会は最近のSNSでの海外(主にロシア)の影響と、サービスの透明性および責任についての証言を求めるものだった。
上院情報委員会は米Alphabetのラリー・ペイジCEOあるいは米Googleのスンダー・ピチャイCEOも招請したが、GoogleはCLO(最高法務責任者)のケント・ウォーカー氏の代理出席を打診し、折り合わず、欠席になった。
上院の公聴会の会場には欠席したGoogleの席が用意され、議員らは質問のたびに「Googleは欠席しているが」と批判的だった。
ドーシー氏は公聴会の冒頭の証言を、愛用のiPhone Xを使って自身のTwitterアカウントでツイートしながら読み上げた。
多くの共和党の議員が、「シャドーバンニング」などの不公平な操作についてドーシー氏に質問した。ドーシー氏は一貫してTwitterは政治的思想でユーザーを差別することはなく、ポリシーに違反するかどうかでのみ判断していると語った。検索結果を表示するアルゴリズムにも保守派を差別するような要因はないと説明した。
民主党のフランク・パローン議員は「トランプ大統領と共和党員はTwitterで毎日幼稚なツイートを投稿し、嘘を拡散しながらTwitterは政治的なバイアスをかけていると批判するのは偽善もいいところだ」としながらも、「Twitterのポリシーは一貫性がなく、混乱している。体系的な問題に対処するのではなく、最新のニュースを追いかけているだけに見える」とTwitterを批判した。
ドーシー氏は、「われわれは十分に対策をきていない」と認め、改善すると語った。
Facebookのサンドバーグ氏は最初の証言で「われわれは問題に対処するのが遅すぎた。その責任はわれわれにある。(ロシアによる)介入はFacebookとわれわれが愛する国の価値をおとしめた」とし、「二度とこのようなことがないよう努力する。われわれは敵より強い意志を持って戦い続ける」と語った。
下院の公聴会では極右活動家のローラ・ルーマー氏がドーシー氏の証言中に叫び出して連れ出されたが、他には特に大きなトラブルはなかった。
アレックス・ジョーンズ氏は上院の公聴会を静かに傍聴したが、公聴会後に議員やドーシー氏に精力的に抗議していた。ジョーンズ氏のTwitterアカウントのトップ画像は現在、ドーシー氏に向かって叫ぶ自身の画像になっている。
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