photo by iStock

店舗の変化で見えてきた「5年後、コンビニの姿はこうなっている」

ファミマはドンキ化セブンはスーパー化

ファミリーマートとドン・キホーテは、両社が進めている共同実験店舗において、売上高が従来店舗の1.5倍になったことを明らかにした。実験店舗の手法がそのまま今後の店舗運営に反映されるわけではないが、近い将来、ファミマの店舗レイアウトは大きく変わっている可能性が高い。

一方、コンビニ最大手のセブン-イレブンは、創業以来、初めてとなる本格的な店舗レイアウトの変更に乗り出している。

各社が店舗レイアウト刷新に注力している背景を探った。

 

ドンキの手法をコンビニに応用すると…

ファミリーマートを運営するユニー・ファミリーマートホールディングスと、ドン・キホーテを運営するドンキホーテホールディングスは今年6月から、ドン・キホーテの品揃えや運営手法を取り入れた共同実験店舗の運営を行っている。スタートして3カ月足らずだが、7月の時点ですでに売上高の大幅アップなど、目に見えた効果が出ているという。

ドン・キホーテはよく知られているように、商品をうずたかく積み上げる圧縮陳列と呼ばれる手法を得意としており、店内が迷路のようになっている。また、年間1000アイテムを超えるといわれる独自商品の開発を行うなど、他社にはない商品力・販売力を持っている。

photo by iStock

こうしたドンキの手法をコンビニにも取り入れようというのが今回の実験店舗の狙いだが、さすがにコンビニの店内を迷路のようにすることは難しく、基本的なレイアウトは従来型店舗に沿った形となっている。しかしながら、店内のあちこちにドンキらしい工夫が凝らされているのは間違いない。

従来型店舗との最大の違いは販売しているアイテム数である。標準的な売り場面積のコンビニには、通常、3000点ほどのアイテムが並んでいるが、今回の実験店ではドンキから2800アイテムを導入し、最終的には5000アイテムほどの商品を並べた。

多数の商品を同じ売り場に陳列するため、コンビニではほとんど見られなかったつり下げ陳列などを導入。入り口の脇にはゴンドラを設置し、目玉商品が目に入りやすいよう工夫した。棚の高さも従来よりアップしたという。

1カ月が経過した7月時点において、顧客の滞留時間が大幅に伸び、売上高が1.5倍に拡大するなど、大きな成果が得られている。