ナイキの新広告に抗議の声、黒人への暴力に抗議のNFL選手起用で

  • 49ers元QBのキャパニック選手、国歌斉唱中の起立拒否
  • 今の論争より、長期的な利益にナイキは賭けたとの見方も
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

米スポーツ用品大手、ナイキがナショナル・プロフットボールリーグ(NFL)サンフランシスコ・49ersの元クオーターバック(QB)、コリン・キャパニック選手を広告キャンペーンに起用したことに抗議の声が上がっている。同選手は2016年、黒人に対する警察官の暴力に抗議し、試合前の国歌斉唱中に起立を拒否してひざまずき、大きな議論を呼んだ。

  今年30周年の「Just Do It」の広告塔になることを、キャパニック氏がツイッターで明らかにしてからわずか数時間で、ナイキ製品のボイコットや焼却を呼び掛けるハッシュタグ「#」を付けた投稿がツイッターに急速に増加。ナイキ製品を燃やしている写真や動画も投稿された。

  ニューヨーク時間午前10時8分現在、ナイキの株価は前営業日比2.2%安の80.41ドル。一時は3.9%安と、日中ベースで5カ月ぶり大幅安となった。年初から先週末までは31%上昇していた。

  ナイキは保守派やトランプ米大統領支持者の怒りを買ってでも、キャパニック氏を起用する広告効果に賭けていると考えられる。

  ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、チェン・グラズティス氏は「長期的な関係と今後10年にわたって双方に利益をもたらす契約は、今起きている論争より重要となる可能性が高い」と指摘した。  

原題:Nike Falls as Critics Fume on Social Media Over Kaepernick Deal(抜粋)

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