AppleがITP2.0を発表。アフィリエイトに与える影響とは?
AppleがITP2.0について発表をしたのは記憶に新しことと思います。
また、ASPの管理画面を見ても、案件紹介ページに「ITP対応タグ」という文字を見たことがあるかと思います。
ですが現在アフィリエイト運用をされている方でITPが何を指しているのか理解している人は意外と少ないのではないでしょうか?
そこで今回はITPタグの基礎と、今後変更がかかり始めるITP2.0について簡単にではありますが解説させていただきたいと思います。
そもそもITPとは?
では、まず初めにITPとは何なのかを説明したいと思います。
そもそもITPとは、Apple側が設定したトラッキング処理の方法で、プライバシー保護の観点からSafariに搭載された機能です。
内容としては、クロスサイトのトラッカーを特定し、トラッキングデータを削除するというものです。
これはつまり、アフィリエイトリンクに存在しているクッキーを付与するURLで付与したクッキーが、24時間で自動的に削除されるといったものになっています。
という事は純粋にアフィリエイトリンクをクリックしてからコンバージョンを起こすまでに24時間以上経過してしまうと、成果が発生しているはずなのに計測が出来ないという異常事態が発生してしまうという事に他なりません。
また、これはデスクトップのSafariに限った話ではなく、IphoneやIpadでのSafariでも同様のことが起こります。
さて、専門用語も飛び出してしまい申し訳ないのですが、果たしてこのITPがどのような影響をアフィリエイトに関してどのような影響を起こすのでしょうか。
アフィリエイトにおけるITPの影響
さて、本題のITPにおけるアフィリエイトへの影響です。
アフィリエイトにおけるコンバージョン計測の方法として、基本的にアフィリエイトのURLがクッキー付与を行い、それがタグに反応して計測するという形になります。
つまり通常のイメタグ方式であれば
アフィリエイトサイト
↓
アフィリエイトURLでLPに遷移←ここでクッキー付与
↓
LPにアクセス
↓
購入(申し込み)
↓
サンクスページ←ここでタグ発火、成果計測
という流れになります。
ですが、これですとアフィリエイトサイトからLPに遷移する際に、クッキーを付与しているがゆえに、ITPだと削除されてしまう可能性があるのです。
しかしここで、ASP各社が進めているITP対応タグという仕組みを用いると
アフィリエイトサイト
↓
アフィリエイトURLで遷移
↓
LPにアクセス←ここでクッキー付与
↓
購入(申し込み)
↓
サンクスページ←ここでタグ発火、成果計測
という新方式をもちいているのです。
この方式を用いることにより、ITPの影響を受けずにアフィリエイトの成果を計測することが可能というのが、昨年から始まっているITPタグへの移行ということになります。
つまりASPの管理画面内、案件詳細ページを確認して、ITP対応済み等の記載がある案件に関しては、成果漏れをほぼ起こさず、可能な限り正確な計測を行えているという証明なのです。
しかし。
今回発表されたITP2.0に関しては、今まで説明したITPよりも更に大きな影響を与えることが判明しました。
ではITP2.0とは一体どのような変更がかかったものなのでしょうか。
現段階で分かっていることをお伝えしたいと思います。
ITP2.0とは
ITP2.0に関してAppleのセキュリティエンジニアJohn Wilander氏の解説ブログを綺麗に和訳していただいている記事がございましたので、内容を下記にて引用させていただきます。
サードパーティCookieが1.0では24時間保持されていたのに対して、2.0では即時破棄される。
代わりにStorage Access APIを用いて、ファーストパーティCookieに情報を格納することができる
ただし、ユーザーにはその旨を確認するダイアログボックスが表示され、ユーザーが承認した場合のみ、情報を格納できるユーザーの承認は、サイトごとに行われ、30日間承認が行われない場合は、Cookie情報やウェブサイトデータは破棄される
自社サイト内でユーザーの行動データを取得するために、ページ遷移の際にトラッキングシステムを使ってリダイレクトさせている場合、ITP2.0ではサードパーティトラッキングと同様にみなし、データを破棄する
リダイレクトを複数利用することで、トラッキングシステムが共謀(Tracker Collusion)して、ユーザーを特定することをITP2.0では検知し、データを破棄する
ユーザーが訪問したページのURLをもとに、リマーケティング広告を出しますが、リファラーというどのURLを訪問したかという情報に基づいている。ITP2.0では、フルURLではなく、ドメインのみをリファラーとして返す。
例)従来:http://example.com/products/aaa.html
ITP2.0:http://example.com引用元URL:http://blog.marinsoftware.jp/apple-announced-itp-2
これはつまり、通常のITPであれば約24時間保持されていたクッキーが、即時破棄されてしまうため、ITP対応していないアフィリエイト案件はSafariでの計測が今まで以上に困難になる可能性があるという事になってしまうのです。
これは現在だとIOS12から適用予定という事で話が出てきていますが、実際に実装された際の影響は計り知れないと考えていいでしょう。
この記事を読んでくださってるアフィリエイト運用をされている広告主様には、早急にITP対応を進めて頂きたいと思います。
また、アフィリエイター側の方々も今後案件を選ぶ際の指標の一つとして、今からITP対応済みかどうかはチェックするよう癖付けすることが重要であると思われます。
まとめ
今回のITPに関しては、SEOのように明確に指標をもって観測できるものではありません。
ですので、知っているか知らないかという所が非常に重要になっているのです。
もし今まで知らなかったという方がいるのであれば、この記事だけを鵜呑みにするのではなく、まず自分自身で調べ、また、今後は常にこういった変化に対してアンテナを張っておく必要があると言えます。
今後も本メディアではこういった情報は最速で発信できるよう尽力いたしますが、それでもまずは自分の目で見て情報を取捨選択する必要があると言えるでしょう。
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