広島新井貴浩内野手(41)が5日、マツダスタジアムで会見を開き、今季限りでの現役引退を発表した。阪神でも活躍した球界を代表するスラッガー。2年前にはリーグMVPにも輝いた。プロ20年目の区切りを迎え、惜しまれながらバットを置くことを決断。球団に申し入れを了承された。
一問一答は以下。
-いつ球団に伝えたのか
新井 8月初めの方ですね。自分の中では早い段階で、そういう風には決めようと思っていた。それで8月に入って、鈴木さん(球団本部長)にお伝えした。球団はじめ、鈴木さんは「考え直せ、まだ辞めるな」と言っていただき、1カ月間考え直してくれと言われたが、8月いっぱい考えて、自分の気持ちが変わることがなかったので、そうしました。
これと言った決定的なタイミングはなかったが、だんだんいろんなことを考えて、そろそろかなと考え出したのが交流戦くらいですかね。
-慰留に気持ちが変わらなかった理由
新井 今、若手がすごく力をつけてきているし、3年後、5年後のカープを考えたときに、今年がいいんじゃないかと考えた。
-決断して
新井 自分の中で2015年にカープに戻ってきてから、とにかく少しでも力になりたいと思った。1年でも力になれなかったらすぐ辞めようと思っていた。こうして4年間も過ごさせてもらって、優勝も経験して、周りの方に、本当に感謝しかない。
-相談は
新井 黒田さんにはそういう感じで伝えていた。石原にも伝えていた
-黒田氏から
新井 「えっ、ホンマか」みたいな感じでした。
-ボロボロにやって欲しいと言われていた
新井 最初はまだできるだろうという感じだったが、しゃべっているうちに「お前が決めたんだから。お前らしく頑張れ」と言われた。
-石原から
新井 何も発することなく、ショックそうだった。今、ベテランは僕と石原くらい。石原には「まだまだお前の力が必要だし、少しでも長く頑張れよ」と言った。
-家族には
新井 子どもに伝えたときは「何で?」って反応で、やめてほしくなさそうだった。マツダスタジアムに限らず、どこの球場でも代打や打席に立つたびに大歓声をいただいて、その中で今年は喜ばせてあげることができていないので、そういうことも含めて申し訳ないなと思うし、25番のユニホームを着てくれる方もたくさんいる中で、今年でユニホームを脱ぐと決断したので、そういう方にも申し訳ないなと。悲しませてしまうのが申し訳ないなと。
-努力してここまで来た
新井 自分はたいした選手でもない。練習することでここまでこさせてもらった。本当に運のいい、周りの方の出会いに恵まれた、運のいい選手だった。
-恩師も多くいる
新井 本当にたくさん、数え切れないくらいいる。山本浩二さんは、一番迷惑かけた監督さん。先ほど連絡して、気持ちは伝えました。
-どんな言葉を
新井 良く頑張ったなと。最高の引き際じゃないのかと言ってもらえた。
-プレーの満足度
新井 もちろん満足はしていない。ただ気持ちが折れることはない。毎回毎回大きな声援をいただいている。最後、ちょっとでも喜んでもらいたいなと思ってプレーしようと思う。
-この発表タイミング
新井 すべては鈴木さん含め球団の方にお任せしていた。自分としては全部終わってからでも良かったが、やっぱり発表して、たくさんの人に見てもらう方が、いいかなと言っていただいて。そういう関係でこのタイミングになった。
-今後、どんな姿を見てもらいたい
新井 もちろん結果で喜ばせたいと思っている。最後の最後まで全力疾走で駆け抜けたい。
-残りに向けて意気込み
新井 本当の戦いは10月、11月に来る。自分もチームの力になれるように最後の最後まで、かわいい後輩と喜び合えるように頑張っていきたい。
-育ててもらった球団
新井 感謝の言葉しか見つからない。当時も言ったが、まさかもう1度カープのユニホームを着させてもらえると思ってなかった。4年間もやらせてもらって、優勝も経験させてもらって、球団には感謝しかない。それが自分の体をここまで動かしていると思う。
-日本一は未経験
新井 日本一になって、みんなとうれし涙で終われれば最高かなと思う。自分も力になれるように最後の最後まで全力でやりたい。
-晴れやかな顔
新井 まだまだ試合は続くし、本当、ここまでやらせてもらってありがとうございますという気持ちでそうなっているんじゃないか。でも誰でも別れというのは寂しい気持ちになりますよね。
-抜けた穴が心配
新井 そんなことはないと思う。若い選手はチャンスだと思って欲しいし、そこでまた競争が生まれて、カープの強さにつながっていけばと思う。
-現状の強いカープをどう見ている
新井 ポテンシャルの高い、いいものを持った若い選手が多いなと感じる。その中でもいい子が多い。性格も素直でいい子。本当にかわいい後輩です。
-満員のファンに囲まれてのプレーはどう感じている
新井 戻ってきたときは、まさかここまで応援していただけると思っていなかった。帰ってきて初めての開幕戦、ヤクルト戦とかは生涯忘れることはないし、たくさんの声援を送ってくれるファンに喜んでもらいたい気持ちがあったから、ここまで体が動いたのでは。
-打撃は極めたか
新井 もちろん、極められていない。バッティングってこれでいいっていうのはないし、この年になっても、まだいいのがあるんじゃないか、もっと良くなるんじゃないかと思っているし、極めるというのはないと思う。