先の記事
で、
遺伝性乳癌、遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)
のことを書きました。
日本乳癌学会とは別に、
遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構
という、
中村清吾先生が理事長、
(井本先生も理事、倫理委員会委員長、
山内英子先生がガイドライン部会長、
津川先生も理事、財務部会長…
がん研有明の新井先生も理事、登録部会長…)
の組織があり、
そのサイト(HP)に、
認定施設となる条件が書いてあり、
その条件を満たしている、
認定施設一覧が掲載されています。
・昭和大学病院
・聖路加国際病院
・がん研有明病院
・聖マリアンナ医科大学病院
・北里大学病院
・神奈川県がんセンター
・愛知県がんセンター中央(責任者:岩田先生)
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など。
遺伝子カウンセリングを受けたり、
遺伝子検査をしたり、その結果、予防的な
診療・治療を受けたりするのに、
どの病院に行けばよいか分からない方は、
この一覧を参照すればよいと思います。
また、
6月に、遺伝性乳癌の治療薬として
PARP阻害剤のオラパリブ
(商品名:リムパーザ)が適応になり、
BRACAnalysis診断システムで、
BRCA遺伝子変異ありと診断された人が
オラパリブを使うことができます。
その検査実施の要件も、上記の機構が
定めているようです。
※念のため補記しておきますね。
BRCA遺伝子変異の他に
・化学療法歴のある、
手術不能または再発乳癌
・HER2陰性
も適応の条件です。
これは、特定の遺伝子変異が対象の薬剤
であっても、
承認のための比較臨床試験の対象者が
「術後補助化学療法または転移乳癌への
治療としてアンスラサイクリン系か
タキサン系抗がん剤投与歴のある患者」
だったから、
どうしても、こうなっちゃうのね…。
遺伝性乳癌は必ずHER2陰性なのだろうか?
なお、例によって(他の新薬同様)、
再発転移予防の術後補助化学療法は
まだ、臨床試験中(OlympiA)、
結果が出るまでに、まだ時間がかかる。
2014年4月開始、2028年2月終了予定と
書かれていたが、
アストラゼネカは、2020年には結果が
得られる予定と書いていた。(5年PFSかな)
HER2は陰性のみ。
ご参考まで。