障害者雇用は安倍政権「1億総活躍社会」の“一丁目一番地”
障害者雇用の水増し問題は中央省庁の約8割に広がり、その数は3460人に上る。地方自治体でも横行しており、人数はさらに膨らむだろう。森友学園問題では財務省が公文書隠蔽や改竄に走り、国交省もグルだった。加計学園問題では文科省の文書隠しや、内閣府の議事録改竄が起き、「働き方改革」を巡っては厚労省の不正データが問題化した。もはや政府の説明も文書も信用できなくなっている。
今度は法律を実施する官庁が障害者雇用促進法の法定雇用率を守らず、障害者雇用を水増ししていた。雇用率が未達の場合、企業は不足1人分当たり月5万円の納付金を徴収される。しかも今年、法定雇用率が0・2ポイント引き上げられて企業は2.2%、国や自治体が2.5%になった。国や自治体がインチキしているのに、企業が唯々諾々と従うだろうか。制度そのものが破綻危機に陥っている。
こうした中、居直り議論が持ち上がっている。法定雇用率を設けることに無理があるというのだ。厚労省の推計によると障害者は約936万人とされ、そのうち雇用されているのは49.6万人に過ぎない。手を打たなければ障害者の雇用環境は一向に改善されない。