米Googleは9月4日(現地時間)、Webブラウザ「Chrome 69」(69.0.3497.81)の安定版をWindows、Mac、Linux、Android、iOS向けに公開した。
Chromeは9月1日で公開10周年を迎え、「6週間ごとの通常アップデートより多いな更新」なっている。
上の画像のように、デスクトップ版、モバイル版ともに「Material Design」が従来より強まった。目立つのはアイコンが円になったことと、タブの形の変更だろう。アドレスバーに表示するURLもこれまでよりシンプルになった(後述)。
モバイル版でも細かい変更が多数ある。例えばiOS版ではツールバーが画面下に移動した。
新規に新しいサービスにサインアップする際、パスワードをChromeが自動生成するようになった(「これでもうすべてのサービスのパスワードに飼っている犬の名前をつける必要がなくなった」とGoogle)。生成したパスワードはGoogleアカウントに保存され、Chromeのツールバー右上のアカウントアイコンに追加された「パスワード」をクリック(タップ)することで一覧できる。
検索クエリとURLの両方を入力するバー「Omnibox」で、検索内容によっては検索候補の表示だけで情報が得られるようになった。著名人の画像や外国語の意味など、場合によって新しいタブを開かずに済む。
タブを大量に開いている場合は、Omniboxに既に開いているタブに関連するクエリを入力すると直接そのタブに移動できる。また、“間もなく”GoogleドライブのファイルをOmniboxから直接検索できるようになる。
「新しいタブ」に好きな画像を背景として設定できるようになった。新しいタブの右下に表示される歯車アイコンでカスタマイズできる。自分で作った画像をアップロードすることも可能だ。
オフライン状態でChromeを開くと恐竜の絵が表示され、この状態でスペースキーを押すとスタートするミニゲーム「Dino」が、10周年を祝したモードになっており、バースデーケーキを食べてパワーアップできる。このモードがいつまで使えるかは不明。
セキュリティ関連では40件の脆弱性が修正された。このうち外部の研究者が発見した21件については、7件を重大度「高」に分類。最大で5000ドルの賞金を支払っている。
通信の内容が暗号化されるHTTPSを使ったWebページについては、アドレスバーの鍵マークがこれまでの緑色から灰色になり、「保護された通信」の文字も表示されなくなった。これは、「デフォルトで何も表示のない状態こそ安全」という前提に基づく措置。一方、通信が暗号化されないHTTPページに対しては、引き続き「保護されていない通信」の警告文字が灰色で表示される。
また、Adobe SystemsのFlash Playerを使ったコンテンツについては、これまではユーザーが設定すれば自動再生を有効化することができていたが、Chrome 69からはブラウザを再起動するたび、各サイトごとに再生許可の設定が必要になる。Adobeは2020年末にFlashの開発および提供を終了すると予告している。
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