広大が図書館の開館を延長 勉強したい学生に応える

「時間を気にせず図書館で勉強したい」という学生の声に応え、広島大学(越智光夫学長)は中央図書館の平日の開館時間を2時間延長し、午前0時までとする試みをしている。午後10時以降の利用者は平均200~400人に上り、24時間開館に向けた検討も始めた。

広大によると、学長宛てに時間の延長や24時間開放を求める学生からのメールが届いたことをきっかけに、今年4月から中央図書館の開館延長に踏み切った。閉館まで冷暖房を作動させ、カウンターにはアルバイト職員を置いて対応している。1日2千~3千人、試験時期になると4千人にも上る利用者のうち、1割程度が午後10時以降に滞在しているという。学生からの反応も上々で、利用者アンケートには「助かる」「今後も続けてほしい」といった意見が寄せられた。

広大では医学部のある霞キャンパスの図書館で数年前から24時間開館を実施しており、今回の開館延長の試行結果を踏まえ、中央図書館の24時間化も検討している。文科省の調査によると、中央図書館を24時間開館している大学(授業実施日の平日)は国公私立合わせて18校(2.3%)にすぎず、防犯上の観点などから実施を見送るケースもある。郷原正好図書館部長は教育新聞の取材に対し、「近年は留学生も増え、キャンパス近くに住む学生も多く、図書館の24時間化を望む声は非常に大きくなっている。セキュリティー対策などをしっかりと行った上で、学生がいつでも勉強できる環境を整えたい」と話した。