アップルの自動運転車が接触事故 米
デイブ・リー北米テクノロジー担当記者
米アップルが所有する自動運転車が8月24日、接触事故を起こしていたことが明らかになった。米カリフォルニアの交通規制当局が認めた。
事故にあった車は、自動運転用センサーを搭載したレクサスRX450hで、人間が運転していた日産リーフに追突された。
けが人はいなかったが、どちらの車両も軽い損傷を受けた。
アップルの自動車は、極秘に進められている野心的なプログラム「プロジェクト・タイタン」に使用されているものだと考えられている。アップルはこの日の事故についてコメントしていないが、同社として初めての事故と考えられている。
このプロジェクトが何を目指しているかについては、さまざまな憶測が飛び交っている。本格的なアップル・カーの開発から、単に自動運転技術を提供するべく既存の自動車メーカーに協力しているだけ、などだ。
アップルの自動運転プログラムは以前から公に知られており、公道を走っている自動運転車は66台、操作するドライバーは111人登録されていることが明らかになっている。
カリフォルニア州で自動運転の実験を行なっている他の全企業と同様、アップルは同州の車両管理局(DMV)に対し、事故を含めた報告を定期的にしなければならない。
「安全な車間距離を待っていた」
DMVが8月31日に公表した書類によると、アップルの自動車は、本社があるシリコンバレー、クパチーノにほど近い都市サニーベールを走っていた。
事故は24日午後3時(日本時間25日午前6時)前に発生。天気は乾燥しており見通しもよく、DMVによると異常はまったくない状況だったという。
事故の報告書には、「アップルの試験車両は自動運転モードで、キファー・ロードからローレンス・エクスプレスウェイの南側に合流しようとしていたところを追突された」と書かれている。
「アップルの試験車両は時速1.6キロ以下で走行しており、合流するために安全な車間距離を取れるのを待っているところだった。そこに2016年型日産リーフが時速約24キロでアップルの試験車両に接触した」
「両車両とも損傷を受けたが、どちらからも負傷者の報告はされていない」
報告書の中でDMVは、事故の責任が誰にあるかは追及していない。しかし、自動運転車両は追突されやすい傾向にあるとされている。
テクノロジー関連の調査報道を行うジ・インフォメーションによる最近の報告では、グーグルから分社化された自動運転車の開発メーカー、ウェイモでの自動運転創生期の問題が明らかにされている。自動運転車両による、人間には警戒しすぎだと思われる運転が頭痛の種になっているという。
例えば、自動運転車は車列を横切るなど人間の運転なら素早く通り抜けられるような状況でも急停車してしまう。
「その結果、人間が運転する車がウェイモのバンに追突してきたことがこれまでも時折あった」と報告書は指摘している。