上陸からわずか4年余りで17年1月末に全53店舗を閉めて撤退した「OLDNAVY」の悪夢も醒めやらぬ中、商業施設デベはファストファッションの大型テナントが撤退するXデーに怯えている。上陸当時は一斉を風靡して店頭の行列が話題になったほどだが、今やすっかり勢いを失い、閉店や撤退が危ぶまれる状況なのだ。
人気凋落で閉店や撤退が危ぶまれる
フォーエバー21は日本上陸1号店たる原宿店を17年10月15日に閉店したが、H&Mも08年9月13日に開店してファストファッションの震源地となった銀座店を7月16日で閉店している。
フォーエバー21は最盛期には日本国内で25店を布石していたが、ららぽーとTOKYO-BAYやダイバーシティ東京プラザ(お台場)、郊外SCの店を次々に閉め、現在は16店舗まで減少している。H&Mは都心店から始まって地方や郊外のSCまで現在84店舗まで広がっているが、本国の決算書から推計する日本国内売上高は伸び悩んでおり(18年上半期は4店を出店しても2%減少)、坪当たりの販売効率は年々低下して今やユニクロの半分にも届かない。ZARAとて17年9〜11月期以降は既存店売上高がマイナスに転じ、18年2〜4月期は2桁減に落ち込んだと推計される。
H&Mは国内大手チェーンが手を出さないようなC級商業施設にも出店しているが、低家賃条件でも在庫負担が重荷となり、C級商業施設店舗はもちろん、損益分岐点の高い有力商業施設の店舗も閉店するリスクが指摘される。H&Mは不採算店整理で済むとしても、日本市場からの全面撤退がささやかれるチェーンもある。