【スポーツ】[競泳]6冠池江がMVP 賞金551万円は「貯金と焼き肉」2018年9月3日 紙面から
◇ジャカルタ・アジア大会<最終日>【ジャカルタ木村尚公、川村庸介】閉会式が行われ、2週間余りにわたる大会が幕を閉じた。日本の獲得したメダルは金75、銀56、銅74の計205個。団長を務めた日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕・選手強化本部長(61)は「予想をはるかに上回る成績」と総括した。最優秀選手(MVP)には競泳女子で6冠を達成した池江璃花子(18)=ルネサンス=が選ばれた。 待たされた分、そして1度はなくなったと聞かされていた分、喜びは格別だった。女子選手で初のMVP受賞となった池江は「こんなにすてきな賞を頂けてうれしく思っているし、1回MVPがなくなったと聞いて大分寂しかったが、再検討して頂き受賞できたことを光栄に思う」と笑顔を見せた。 急転直下の受賞だった。8月25日に帰国後、つかの間の休日にディズニーランドへ向かう電車の中で三木コーチからラインが届き、MVP復活と自身の有力候補入りを知った。「すごくびっくりして電車の中でにやけが止まらなかったけど、自分じゃないかもと思うとそわそわした」と当時の心境を明かす。1日に日本を発ち、この日の記者会見直前に選出を知った。 日本選手では4人目の受賞で、そのうち競泳では2002年釜山大会の北島康介さん、前回14年の萩野公介に続く3人目。北島さんと萩野は2年後の五輪で金メダルを獲得しており、池江も黄金のルートに乗った形だ。それでも「最終的には自分の努力次第。世界大会ではメダルを取れていないので来年、再来年のチャンスへ頑張りたい」と気を引き締める。 賞金の5万ドル(約551万円)の使い道については「特に考えていないけど、貯金してあとはおいしいご飯を食べに行きたい。まずは焼き肉とか、おすしとか」と素の顔ものぞかせた。閉会式では日本選手団の旗手を務めた。アジア最高の競技者として、東京五輪へさらなる進化を続ける。 (川村庸介)
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