2018-08-12

ネット上で性を売ること。

産業には水(水商売)と風(風俗)があると言われているが、それに当てはまらないものもある。わたしのしている、チャットレディ もその1つだ。

チャットレディ は、ネット上で性を売る。お客様お話ししながら、服を脱ぎ、自慰行為を見せていく。男の人はネット上の女の子の待機映像から好きな女の子を選び、その子を「買っていく」。いわば、2.5次元AVというかバーチャル風俗というか。

チャットレディ では、ネットという物理的な壁があるため、男性に触られることもないし、病気心配もないし、密室ウッカリ危険なことになる、ということもない。だから彼氏以外の男性と、満員電車の中でスネ毛が当たっただけで不快感に襲われるわたしでも、できるバイトである通勤。顔出しなしでもOK、昼働ける。他の風俗に比べれば、あまり稼げるものではないが、それでもこんなに条件の良いバイトはないと、わたしは思う。

もちろんチャットレディにはリスクも大きい。一番は身バレだろう。わたしは顔出ししていないが、顔認証があるようなこの時代に、技術的には身元を判明することは可能なんだろうなと思いながらやっている。

本当に怖い。

だが、身バレ不安を抜きにしても、

このバイトで失ったものは大きい気がする。なんだろう、この虚無感。

かに触られてるわけではないのに。

わたしはいくつかのチャットサイト登録しているが、多くのサイトでは不特定多数男性から見られる存在であることを気づかせないような仕掛けがたくさんされてある。

たとえば。

普通の「パーティーチャット」だったら、男性文字でのチャットしか参加できないとか。(2ショットという、男性と2人だけで行うチャットでは映像や音声も可能。)そこでチャットしてる女の子たちは、見られているはずの男性実体を伴うものではなく、ただ「文字」としてしか存在しないような錯覚に陥ってしまう。

わたしは、男性は誰でも映像参加可能チャットサイト登録した時、それを痛感した。というのも、そこでお客が入って即、映し出されたもの男性の陰部だったからだ。ああそうだ、見えないだけで、わたし勃起している男性に囲まれているのか。気づかなかった。吐き気がする。そう思った。そして、わたし映像と画面に映る男性は、そのチャット管理する誰かに見られている。だが、わたしからはいつ誰に見られているのか、知ることはできない。パノプティコンだと思った。

そしてチャットレディとしてのわたしは、誰かの身体欲求を充足するためにしか存在できないということ。それは人間らしく存在できないことを意味する。

そしてパノプティコン的なジレンマ

多分、それが、ネット上で性を売ることだと思う。それは人と人との対話から始まる、水商売風俗とは決定的に違うのだ。

わたしは、フーコーを読もうと決意した。

自己紹介飛ばししまったが、わたし大学生哲学科にいる。ほかに2つバイトをするも、金銭的に難しくなったため、チャットレディをはじめた。)

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