オーバーロード最終章~転移から100年後の世界~ アルベド、そしてアインズの戦い 作:やみ もとよし
次の話 >>
アインズ・ウール・ゴウンが世界を統一してから90年。
アルベドはエ・ランテルの自室でアインズ様抱き枕を抱えながら
未だ残るアインズと子孫を残したいという欲望と葛藤していた。
この90年の間にエ・ランテルは急速に発展を遂げ、元々あったアインズの自室は解体、新築され巨大な城を築き上げていた。
アルベドの自室はその中の一室にある。
現在のナザリック地下大墳墓は魔皇ヤルダバオトとして死んだ事になっているデミウルゴスを始め、異形の者が今も生活しているが、表に出られる者はエ・ランテルが活動の中心だ。
アインズ・ウール・ゴウンによって世界統一されたのち、アルベドは第一妃としてアインズに認められた。
しかしながら骨だけの身体であるアインズと子をもうける事は叶わなかった。
何かアインズと自身に繋がりがある命を作りたかったが
作り出せるのはアインズが作るしもべのみで、結局のところこれといった解決方法は見つかっていない。
だからこそ第一妃といってもアルベドの心は晴れない。
ちなみに第二妃はシャルティアだ。
そんな事を考えていると、アルベドにメッセージが入る。
世界各地に散らばっているアルベド直轄の配下からだ。
内容は驚くべきことにナザリック地下大墳墓と瓜二つな遺跡を発見したとの事。
そこに出入りをする人物は人間であるが強大な力を内包した者たちだと言う。確認できている人数は2人。
我々ナザリックがこの世界に転移してからちょうど100年。
100年の揺り返し。
ついにこの時が来てしまったようね。
アルベドは考える。アインズ様に報告するべきかと。
いいえ、もしその者達がアインズ様のお知り合い、つまり至高の41人だった場合、
そして御方々が来られなくなった理由が私の想像する通りであるならば報告はできない。
アインズ様の事を考えるとしてはいけないのだ。
アルベドが想像する事とは・・・
きっと至高の御方々は我々に飽きたのだ。いや我々というよりはこの世界自体に。
100年の揺り返しでお戻りになられたとしても
もはやこの世界に興味がなく、またすぐに姿を消すのではないだろうか。
モモンガ様に辛く悲しい想いをさせた者達。
彼等のお帰りを待つモモンガ様の悲しい背中を私は見てきた。
至高の御方々といえどもこの世界に生きるつもりがないのであれば・・・。
それに私をお作りになられたあのタブラス・マラグディナ様。
何度も何度も何度も私は書き換えられ、何が悪かったのか、それまでの私は何か失態を犯したのか。
問いただす事もできず、私は自分を責める日々。あの地獄の日々に戻りたくはない。
唯一最後まで残って下さっているギルドのまとめ役モモンガ様。
そんな慈悲深き至高の御方を愛するように命じられたわたくし。
あぁ、私にはアインズ様さえいればいい。
この時の為にアインズ様に嘘をついてまでドリームチームを結成したの。
私が最初に発見し、そして・・・。
アルベドは決心する。