以前、といっても1年以上前ですが、大阪新世界の「ジャンジャン横丁」にあった「ザリガニ」という小さなゲーセンのことを書きました。
アラフォー以上の大きなお友達の心を揺さぶった記事でしたが、この記事を書いた後で知りました。ここはあくまで「支店」、「本店」は別に、新世界の一角に存在することを。
記事を読んでもらうとわかりますが、「支店」も懐かしいと叫んでしまうほどのレトロゲーム目白押しです。
しかし「本店」はもっとすごい。ネット上にあったゲームのリストを見ただけでも、私の青春の約10ページが新世界の一角に濃縮されて存在している。ここは行く、這ってでも行かねばならぬ。
なおここからは、「支店」の方は今後「支店」とし、「本店」を「ザリガニ」とすることにします。
「ザリガニ」の場所は、地下鉄と阪堺線の恵美須町駅(恵美須町交差点)から通天閣へ続く道の、ちょうど中間に位置します。
恵美須町駅から、通天閣を目印にこの道をまっすぐ行くと、
この看板が目印!
向かって右側にこのような店が見えます。そこが「ザリガニ」。写真はビニールカーテンがあるので夏の写真です。
中はこんな感じになってます。これは去年(2017年)の写真で、2018年7月時点では筐体がかなり位置替えされています。しかし敷地が広くなったというわけではないので、基本的にこんな様子になっていると思っていただいて結構です。
中には1980~90年代に一斉を風靡したゲームがビッシリ。1970~80年代前半生まれの方は、子供の頃に見たあのゲーム、このゲームにおおはしゃぎ。目から汗が止まらない懐メロならぬ懐ゲーの博物館です。
客層は老若男女まんべんなくいるのですが、最近は外国人観光客の姿が増え、我々と同じようにゲームを楽しんでいます。外国人アレルギーを持ってる方は一度ここへいらっしゃい、ゲームで血まなこになったりはしゃいでいる姿を見ると、ガイジンってもなんだ同じ人間じゃないかと感じますから。
ここからは、「ザリガニ」にはどんなゲームがあるのか軽く紹介を。
なお、設置ゲームは時期により違うそうなので、以下のゲームが今もあるとは限りません。事前に確認をお願いします。
…ってどうやって確認すんねんて? さあ(笑
- グラディウス
- ドルアーガの塔
- ストリートファイターⅡ
- いっき
- ファンタジーゾーン
- アフターバーナー(After Burner)
- 古すぎる、あまりに古すぎるゲームたち
- ダライアス
- その他のゲームたち
- 「ザリガニ」の営業時間などはこちら!
- その他レトロゲーセンの紹介
グラディウス
コナミが世に送り出した名作ゲームです。「上上下下左右左右BA」・・・わかる人にはわかるでしょう。わからない人は、こいつまたわけのわからんことを…と生暖かい心でスルーして下さい。
このゲームは名作中の名作、ゲーム界の古典作品です。このゲームを知らないゲーム好きは、音楽家なのにベートーヴェンとモーツァルト知らないの?というレベルでしょう。
「グラディウスシリーズ」は、アーケードだけでも9種類あるのですが、「ザリガニ」には、そんな本家シリーズ、つまり初代~Ⅳまで+「沙羅曼蛇」が揃い、今日も元気に稼働しています(2018年7月時点)。去年の一時期は幻の「ライフフォース」まであったんですが、今はない模様。
これが初代。昭和60年(1985)登場なので、今年でデビュー33年となります。
翌年に急遽作られた「沙羅曼蛇」です。元々は「グラディウス2」として開発されたものの、大人の事情で別作品となりました。口の悪い人は、「グラディウス1.25(そのこころは、中途半端)」などと陰口を叩く人もいます。
しかし、このゲームはそんな中途半端じゃないのです。
初代と比べグラフィックが大幅に向上し、上のようなプロミネンス(炎)は当時のガキどもには衝撃と賞賛をもって迎えられました。
完成度はシリーズNo.1ではないかと思う(※あくまで個人的感想です)、「グラディウスⅡ」です。同時期、MSXというパソコンで「グラディウス2」が発売されていましたが、それとこれは全く別物のゲームです。
私のゲーム魔としての成長期に登場したこのゲーム、これに吸い取られた私のなけなしの100円玉の数は数知れず。しかし良い思い出しか残っていない、素晴らしいゲームでした。
グラディウスシリーズを名作たらしめているのは、ゲーム内容もさることながら、音楽のクオリティの素晴さ。
ゲームの完成度はBGMも含まれます。ゲームをしていない人にはわからないと思いますが、いくらゲーム内容が素晴らしくても、音楽がヘボければ感情移入はできない。人間とは勝手なものですが、そんなものです。
この記事も、久しぶりにグラディウスⅡのサントラをようつべで聞きながら書いているのですが、30年以上経っても音楽が色あせていません。ボスの音楽が流れてくると何故かキーボードさばきが早くなり、反射神経が通常の2割増しになる自分がいる。
日本中がバブル景気で踊り狂っていた1989年に登場した、「グラディウスⅢ」です。
これもそこそこはやった記憶があるのですが、内容まではさほど覚えていません。
Ⅳに至ってはリアルでやったことすらないですし。よって、特筆すべき感想もありません。
パロディウス
上記グラディウスのパロディー版です。だからパロディウス。
しかしパロディーと侮るべからず。自社ゲームを茶化しまくりながらも、内容も非常に面白い名ゲームです。グラディウスシリーズがコナミ80年代後半の古典なら、パロディウスシリーズは90年代前半の古典と言えるでしょう。
このゲームは何もかも斜め上なため、音楽もモーツアルトから軍艦マーチ、果ては自社のゲームまで、古今東西の音楽をパロっています。このゲームの音楽担当は、さぞかし編曲が楽しかったと思います。
また、ただパロっているだけでなく、「かわいく」パロってっているのも特徴。画面も、ガチガチ硬派の男性的なグラディウスに対し、かわいく女性的なのがパロディウスというイメージです。
この後リラックマやくまモンなどのゆるキャラが出てくるのを考えると、パロディウスはゆるキャラの先駆けだったのではないかと。
(「パロディウスだ」(初代パロディウス)。貼り紙には1989年と書いていますが、1990年の間違い)
(極上パロディウス。その横は実況パロディウスだったのですが、写真撮るの忘れてたorz)
(セクシーパロディウス・・・なんですが何故か画面を撮っていなかった)
「パロディウス」はもともと、MSXというパソコンで1988年に発売されたものが始まりです。
その翌年にアーケードの「パロディウスだ」(俗に初代)が登場、それから、「極上パロディウス」「セクシーパロディウス」「実況パロディウス」と4作発表され、ファミコンを始め数々のゲーム機にも移植されました。
特に、初代のX68000*1への移植(1991年)は、当時の技術では絶対不可能と言われた完全移植を達成*2。30年経った現在でも、神ゲーとして元ユーザーたちの間で語り継がれています。
(X68000の説明はしません、こちらの記事をお読み下さい)
信じられないことに、「ザリガニ」にはパロディウスシリーズ4台が全員集合。グラディウスとパロディウスの対面だけでも、イチローと大谷翔平夢の共演くらいのインパクトなのに。
パロディウスの満塁ホームランっぷりに感激し、完全に理性のリミッターが外れた私は、一日パロディウスをやるハメに。そして理性が戻った頃、私の財布の中から5千円札が約1枚蒸発していました。
しかし!ここまでパロディウスを神推ししてテンションを上げたところで、悲報をお届けしないといけません。
何回か「ザリガニ」に通ったのですが、パロディウスを置いていたのは去年8~9月だけで、現在は置いていません。だから文章がすべて過去形なのです。
せっかく一人で約1樋口使ったのに撤収とはけしからんですが、またいつか復活する時を待ちましょう。店主に復活希望リクエストしてみるか。・・・ってどないするんやろ? さあ(笑
ちなみに、「そんなん待てるかいな!今すぐやりたいんや!」という方は、PSPでMSX版も含めた完全復刻版『パロディウスポータブル』が発売されています。
ドルアーガの塔
これも言わずと知れたゲームの古典名作です。昭和59年って、そうかこのゲームはこんなに古かったのかと、いまさらその古さに感銘を受けてしまいます。
実はこのゲーム、私はゲーセンでやったことがありません。ファミコンではそれこそテレビにヒビが入るほどやったのですが、私と同世代の人は少なからずそうではないかなと。それどころか、
「『ドルアーガの塔』ってアーケード版なんてあったんや!」
と意外な驚きになっているかもしれません。はい、アーケード版が元祖でファミコン版は移植です。しかし私も人のことは言えません、間近でアーケード版を見たのは初めてだから。
ファミコン版はイヤになるほどやったので、さてゲーセンでもやるか!と筐体の前に座ったものの、我に返ってやめました。
その理由は・・・やったことがある人なら、この時点でお察し。
このゲーム、難易度が超高すぎて攻略本がないとクリアは無理なのです。ドラクエは攻略本なしで余裕綽々クリアできるのに、ドルアーガの塔は無理無理、500%無理。やれるものならやってみろ。
60面分のクリアと宝物出現条件を丸暗記できれば話は別ですが、その記憶力と脳細胞分裂を他の所で使いたい。
ようつべには、ステージすべてのお宝出現条件がプレイ画面で紹介されている素晴らしい動画があるので、次はそれを見ながら、スマホ片手にプレイすることにしましょう。
・・・しかしここでも悲報。2018年7月時点では遺憾ながら撤収されております。
ストリートファイターⅡ
80~90年代のゲームが並ぶ「ザリガニ」の中でも、平成3年(1991)登場と比較的新しい方のゲームです。略して「スト2」。
説明不要のカプコンの名作ゲームです。たぶん、平成初期の10代20代男子の2人の1人はやったのではないでしょうか!?
ああ~懐かしいな~!
と思わず声を出してしまった人もいるのではないでしょうか。
「スト2」にハマった人でも、意外に気づかないことが一つあったりします。
タイトルは「ストリートファイターⅡ」。ということは、初代の「ストリートファイター」があったはず。指摘して、
「あ、言われてみれば!」
とはじめて気づく人、意外に多いのです。
二代目があまりにヒットしすぎて、初代の存在感がなくなってしまったというかわいそうな初代さん・・・。
「ザリガニ」には、そんな悲劇の初代もあったりします。画面には「Ⅱ」ってないでしょ?
「スト2」今でも身体が波動拳と昇龍拳を覚えているほどやりまくった口。ここは敢えてあまのじゃくに初代に手を出してみました。
なるほど、「スト2」がヒットして初代が忘れられるわけやわ。体験して初めて納得できた事実。その意図するところは、実際にプレイしてみて下さい(笑
いっき
「いっき」って・・・もしかしてあの・・・
この名前にドン引きし、過去のトラウマを思い出した人もいるかもしれません。残念ながらその予測は当たりです(笑
そう、メーカーさえもクソゲーと認めた日本ゲーム史上空前絶後のゲーム、「いっき」アーケード版が33年の眠りを経て今、大阪でよみがえる!!
ゲーム自体も、よくこんなものが30年以上も残っていたなと思うほど「国宝級」なのですが、
このゲーム説明まで残っていたとな。それも申し訳なさげに「Sun Electronic Corp.」(サン電子)とメーカー名まで残ってる。こっちの方が国宝級かも。
この「いっき」には、個人的な思い入れがあります。少しだけ私の人生の小咄にお付き合いを。
実は、私が初めて買ったファミコンソフトがこの「いっき」でした。確か1986年の正月前(=1985年12月)に買った記憶があるのですが、Wikipedia先生を覗くと記憶に間違いはなかったようです。
このファミコン版が、このゲームを伝説のクソゲーたらしめている主原因かと思われるのですが、とにかく周囲からの評判はボロカス。
「こんなクソゲー買ったお前もクソ」
と買い主の人格まで全否定される始末でした。しかし、Wikipadia先生を見てビックリ!なんとこのゲーム、100万本弱売れたらしい。100万本売ったクソゲーってどんだけ。
「いっき」の傷心冷めやらぬ翌月、お年玉で買ったのが「ボンバーマン(初代)」でした。
これも結果から書くと評判はボロカス。あのボンバーマンが酷評!?と驚く人いると思いますが、少なくとも私の周辺ではケチョンケチョンでした。
というか、同時期発売のコナミ「ツインビー」が名作すぎて、「ボンバーマン」はジャンルが全く違う「ツインビー」と比較され運も悪かった。
「ツインビー」を買った友達はモテモテ。私はボロボロ。あの時どれだけ「ツインビー」を恨んだことか。
しかし、当時は買った私の人格まで否定されたほど酷評だったこの二つ、方やメーカーの看板ゲームとしてシリーズ化された名ゲーム、方や「伝説のクソゲー」として、父から子へ語り継がれる迷ゲームとなりました。やはり私の目は狂っていなかったんじゃないかと。
涙に濡れた年末と正月も過ぎ、次こそはと次に買ったゲームが、忘れもしない1986年5月27日、あの「ドラゴンクエスト」(初代)です。
今でこそ、知らんと言おうものなら一般常識を疑われるレベルの知名度のドラクエですが、当時は予約もなく近所の玩具店で、
「ドラゴンクエストいっちょ!」
「あいよ!」
豆腐屋で豆腐を買うが如し。
だからブログのPVが伸びないという方も、これで元気を出しましょう。あのドラクエも、最初はこんなんだったのです。
こうして振り返ってみると、やはり私の目はクソではなかった。32年の時を経て自信を取り戻しました(遅
閑話休題。
なにせメーカーが認めたクソゲー、ファミコン版ではやったけれどゲーセン版は初体験。さてどんなクソっぷりだったのだろうかと、100円はたいて体験してみました。
結果は・・・やっぱしこれクソゲーやわ(笑
ちなみに、「いっき」を作った名古屋のサン電子という会社は、クソゲーを世に放った呪いで倒産したというウワサがネットで流れていますが、現存しています。ちゃんとHPもあるのでお間違いなきよう。
実際に倒産・破産して現存しないゲーム会社は、今度記事にまとめますのでお楽しみに(現在執筆中)。
ファンタジーゾーン
SEGAことセガのゲームです。
ファミコンなど家庭用ゲーム機しか知らない人にとっては、セガというとゲーム界の覇王任天堂に何度も挑戦しては負け続ける、ドン・キホーテ的ゲーム機メーカーとしての印象が強いと思います。
しかし、あれだけ家庭用ゲーム機がコケても破産しなかったのは(結果的にスカンピンになって破産しかけたけど)、アーケードゲームの名作をガンガン世に送り出し、それでペイしていたから。実際、ゲームソフトの開発技術はゲーム界ナンバー1じゃなかったのかと。
「ファンタジーゾーン」も、昭和61年(1986)にデビューした名作ゲームです。私ごときが何も書く余地がないほどに名作。画面もゲームバランスも、そして音楽もすべて優秀。本当に非の打ち所がなさすぎて、かえって書く内容がありません。
あまりに優等生すぎてかえって個性がないとは、このゲームのことを言うのかもしれない。
ただ、はるか30数年前、これにハマった人は絶対に多いはずです。
アフターバーナー(After Burner)
ファンタジーゾーンに同じSEGAが、昭和62年(1987)に製作した3Dシューティングゲームです。これも名作中の名作、ゲーム界に大きな風穴を開けたと言って良いほど、子供たちがこのゲームにかじりつきました。
おまけに音楽も傑作。正直、ゲーム内容より音楽の方が好きという人も、私を含めて少なからずいると思います。
かく言う私は、アフターバーナーのサントラを車のHDDに入れ、運転時に聞いていたりします。高速道路に乗った時に聞こうものなら、ハンドルのボタンを押して前の車をミサイルで撃破してやろうかと思うこともあります。
そんな「アフターバーナー」まで、「ザリガニ」にはあったのです!今年に入って入荷したものですが、これもこれでよく残ってたもんだ。
さて、ゲーム好きなお友達必見!アフターバーナーが今また通天閣の下でよみがえる!
あ、あれ?「アフターバーナー」ってこんなんだったっけ?なんだか記憶と全然違うぞ?
おそらくこれを見ている10人中7人くらいは、現在頭が混乱していると思います。
確かアフターバーナーの筐体って・・・
こんなのや、
こんなのだったはずなんじゃ!?
あのデカい筐体も、30年の技術進化でこんなにコンパクトになったのです。
という冗談はおいといて。
なんてかわいくなったんだ感がある筐体になっちゃいましたが、当然ちゃんとプレイできます。
私も懐かしさのあまりプレイしてみましたが、年齢には勝てないか、反射神経がついて行けませんでした。頭の中ではミサイルをヒョイヒョイ避けてるはずやのに、脳と末梢神経の指令の伝達が上手くいっていないようです(笑
古すぎる、あまりに古すぎるゲームたち
「ザリガニ」には、あまりにレトロ過ぎて重要文化財として文化庁に申請した方がいいのではないか!?というゲームまであります。
エントリーNo.1 空手道
「ザリガニ」の入口には、
「世界初の対戦格闘ゲームあります」
活きのいい魚が入りましたよ奥さん!と大々的に謳っています。
そのゲームがこちら!
「対戦 空手道」
というゲームです。
レトロ過ぎて、あまりに懐かしすぎて血圧上昇不可避。よくこんなゲームがこの世に残っていたなと、神に向かって十字を切りたいほどの骨董品です。これ、私が小学校4年生くらいの作品やぞ。
ゲーム内容は、空手の修行や試合を通して強くなっていくという、RPGの要素もなくにしもあらずの格闘ゲーム・・・と言えるのかは個人的にはビミョーですが、少なくとも「カラテカ」(わかる人だけわかればよろしいw)よりかは面白いことは確かです。
エントリーNo.2 River Patrol
先月に「ザリガニ」に来てみると、新入りのゲームが一つ、プレイ客を待ちわびていました。
ほう、新入りかい?
遊郭の顔見世よろしくそのゲームをちょっと覗いてみると・・・
ナンデスカコレハ!!!
あまりに懐かしすぎて口あんぐり、出てくる言葉が何もありません。筐体も年季が入りすぎていて、ちゃんと動くの?と心配にすらなってくる老兵です。
これ・・・確か俺が6歳か7歳のとき、家の近くの駄菓子屋にあったぞ・・・。
筐体の前で、私は走馬灯のように己の記憶を振り返ってみたのですが、やはり間違いないと思う・・・。
そしてこれは1981年製。1981年といえば昭和56年。やはり記憶に間違いはなさそうだ。
ここまで来ると絶滅危惧種ではなく、もう絶滅したと思われた生物が生きていた状態。クニマスを発見したさかなクンの心境が、少しわかった気がします。
ダライアス
最近、「ザリガニ」が神推ししているゲームがあります。それがTAITOの「ダライアス」。
ゲーム内容はただのシューティングゲームですが、ダライアスの個性はこのバカでかい筐体。ディスプレイを贅沢に3つも使った、まことに化物な筐体なのです。
「ジオンの精神が形になったようだ」はガンダムのあるセリフですが、「バブル景気が形になったようだ」と言いたくなる筐体、進撃の巨人ならぬ進撃のダライアス。
タイトーはこの他にも、「ニンジャウォーリアーズ」や「ミッドナイト・ランディング」などのバブリー筐体を輩出しましたが、こんな筐体を量産していたタイトーの勢いたるや、当時はすごかったものがあります。というか、当時これ1台なんぼやったんやろか?
こんな電気代バカ食いマシーンのようなモンスター筐体が、町中のゲーセンにあった。それがバブルという時代だったのです。
このゲームを作ったメーカーは、TAITO(タイトー)という大手ゲーム会社でした。タイトーは元々、ロシア革命でハルピン経由で日本に亡命してきたユダヤ系ウクライナ人が作った「太東貿易」という会社で、会社名も「極東ユダヤ人」という意味が込められています。
また、社会現象になった「スペースインベーダー」を作った会社でもあります。
「ダライアス」の怪物筐体を作ったタイトーも、バブル崩壊でコケたか、2,000年代は段違いの格下だったゲーム会社の子会社として、ゲーム開発もストップし細々と生き延びてきました。その姿は、まるで生命維持装置をつけないと生きることができない瀕死の病人。ついには資本金もがっぽり減らされ、あとは静かな死を待つのみ・・・。
と思われた時、ついにゲームメーカーとして再び復活するという朗報が。その復活第一弾が、この「ダライアス」。今年、「ザリガニ」にこの筐体がデビューしたのも、タイトーの復活を祝してのことでしょうか。たぶん考え過ぎと思うけど。
これもこれで、バブル崩壊で捨てられた筐体はずなのによく残ってたなと感心してしまうのですが、
どこかで長い眠りについていたようです。まるでゲーム筐体の遺跡から発掘された竪穴式住居扱いですな。
平成生まれの人は、是非「ザリガニ」でこのジオンの精神が・・・やなかった、バブルの精神が形となったゲームに、過去の歴史へ思いを馳せてみては如何でしょうか。
その他のゲームたち
紙面の都合、というより懐かしすぎて執筆者のテンションが変になり疲れてしまい、詳細を省略したゲームたちもあります。
「支店」の方にもあった「ゼビウス」。
懐かしいな~と弾を撃ちまくっていたらすぐ弾切れになり、すぐ終了した「怒(いかり)」。
弾数制限ありって、こっちが「怒」たいわ。
これも名作、「R-TYPE」。
これも懐かしい、「スパルタンX」。ファミコンでやった人も多いと思いますが、こちらがオリジナルです。こちらも数十年ぶりにやってみたのですが、ゲーセン版ってファミコン版に比べて難しいような!?
こちらもかなりやりまくった人、多いのではないでしょうか、「魔界村」。
つっぱり学生がすごく時代を感じさせる「熱血硬派くにおくん」。
くにおくんがあれば・・・
「熱血高校ドッジボール部」もあります!
3D格闘ゲームの火付け役、「バーチャファイター」です。このゲームが出た時私は中国在住。週末は中国人と対戦し、バーチャファイター日中戦争をやっていましたが、それも20年前なのか。
そして極めつけは!
ベラボー参上!!
ナムコの「ベラボーマン」というゲームです。
Namcoの精神が形となったよう・・・ではなく、ある意味ナムコらしいコミカルで誰でも楽しめるアクションゲームです。知る人ぞ知るゲームですが、知っている人はいるかな?
筐体の説明によると、日本でも数台しか残っていない絶滅危惧種らしく、ワシントン条約により輸出が禁止されております(違
他にも、
・究極タイガー
・SAMURAI SPIRITS
・マリオブラザーズ
・パックマン
・キャラクシアン
・ドンキーコング
・クレイジークライマー
などなど、紹介しきれないゲームが目白押し、もうこれ以上は無理、気になる方はどうぞ「ザリガニ」で実際に確認してみて下さい。
今回紹介したゲームは、今や家庭用ゲーム機で「完全復刻版」が発売されているものや、スマホアプリでプレイできるものも多いです。かつての名作ゲームが家の中でできる「完全復刻版」は、それはそれで面白い。
しかし、アーケードゲームの醍醐味はあの筐体とにらめっこしながらプレイすること。懐かしさ補正も大幅プラスされます。
アラフォー以上の方、子供の時のひそかな夢だった、
「筐体の上に100円玉を山積みして、お腹いっぱいゲームに浸る」
を、ここ「ザリガニ」で叶えてみませんか?
もしくは、物心ついた子供を連れて、
「お父さんがお前くらいの頃、このゲームでよく遊んだんだよ」
と親子で80~90'sゲームを満喫してみませんか?
我々がどこかへ置き忘れた、童心と懐かしの日々を取り戻しに・・・。
「ザリガニ」の営業時間などはこちら!
その他レトロゲーセンの紹介
なお、新世界界隈には「ザリガニ」の他にいくつかレトロゲーセンがあります。
ジャンジャン横丁の中には、「かすが」というこちらも規模が大きいゲーセンがあり、「出たなツインビー」や「源平討魔伝」、「電車でGO!」などがあります。
「かすが」も在りし日のゲーマーにはお涙頂戴の懐ゲーが揃っているので、「ザリガニ」とのはしごをすれば、精神年齢は30歳は若返ることでしょう!?
また、こんなゲーセンもあります。
「ニュースター」というのが名前なんだと思いますが、入口からしてなんだか怪しそう・・・いえいえ、中はちゃんとゲーセンです。
正直、ゲームの種類は「ザリガニ」や「かすが」のように特筆すべきものはなかったのですが、1ゲーム50円というのが嬉しいじゃありませんか。
地元大阪の人だけではありません。大阪に帰省の方も、観光に来る方も、新世界でレトロゲーセン三昧というもう一つの観光は如何でしょうか。