Sep.3.2018
ダライラマ 14世は,1935年7月6日,
チベット北部アムド生まれの
チベット僧です
1959年,毛沢東率いる
侵攻から逃れるため,
インドのネルーの庇護の下,
ダラムサラに亡命,
以降現在に至るまで,
同地を拠点に世界規模で
平和活動をされておられます
中国共産党は1949年からの30年間のみで,
およそ1,200,000人のチベット人の命を
奪ったとされています
その対立図式は未だ続いたままです
ダライラマ14世は,1989年には,
中国政府に対する非暴力・不服従による
チベット人弾圧に対する抗議と
本土返還要求を始めとする世界平和活動,
および
チベットの宗教・文化の
普及に対する貢献が高く評価され,
ノーベル平和賞を授与されました
ダライラマ14世は
ガンジーをこよなく尊敬されておられ,
御自身の信条として「非暴力・不服従」を
継承し矜恃されておられます
本日は,ダライラマ14世が
最近 Twitter でつぶやかれた
名言のいくつかをご紹介したいと思います
(@DalaiLamaより引用/ 和文拙訳)
まずは,ダライラマ14世御自身も含めた
私たち各々の責任についての
コメントからです
I am one of the 7 billion human beings
alive today.
We each have a responsibility
to think about humanity
and the good of the world
because it affects our own future.
We weren’t born on this planet
at this time to create problems
but to bring about some benefit.
2018/8/17
私は今日生きている
70億人の人類のうちの一人です
私たちは各々,人間性と
世界の利益について考える責任があります
というのも,それが私たちの未来に
影響を与えるからです
私たちがこういう時代に生まれたのは,
問題を作りだすためではなくて,
何らかの利益をもたらすためなのです
しばしば,
ダライラマ14世のメッセージは,
「愚直なまでの」という形容がなされます
ですが,
そのことばを吟味していくプロセスで,
あたかも避暑地の新鮮な空気を
深呼吸できたときのような,
爽やかな感動を覚えざるを得ません
私たちは問題を作るためでなく,
利益をもたらすために生まれてきた
まさしく,
ご自身が自負されておられるように,
ここに伝承されていることが見て取れます
続きまして,
宗教の有無によらない慈悲についてです
Irrespective of whether we have faith
in religion or not,
it’s good to be more compassionate.
It makes us happier as individuals
with a positive influence on our families
and the neighborhood where we live.
2018/8/20
宗教を信じているかいないかに関わらず,
より慈悲深くなるのはよいことです
そうすることで,
家族や自分の住んでいる地域社会と共に,
個人としてより幸せになれるのですから
全くその通りです,
としか申し上げられません…
ですが,小生などは,
日常生活を1日24時間送っているうち,
一体何分間慈悲深くいられているか,
あるいはそうあろうと少しでも
意識しているかと思いあぐねますと,
赤面するほかありません…
宗教云々で戦争に生涯加担するぐらいなら,
無宗教で1ミリでも慈悲心のある言動を
出来た1日の方が,
どれほど素晴らしいことでしょう…
ダライラマ14世は,
ノーベル賞受賞者を始め,
様々な科学者たちと対話されることを
長年好んでおられます
西欧の科学者たち,
特に医学者や物理学系の学者たちも,
チベット仏教哲学の論理性がいかに厳密で,
彼らの科学的思考に類似しているかに,
しばしば驚き絶賛します
As a human being I’m aware
that we are all physically, mentally
and emotionally the same
and we all want to live a happy life.
Scientists say our basic nature
is compassionate.
It’s clear that love and affection
bring people together.
2018/8/24
人間として私は,
私たちはみな肉体的,精神的,
そして感情的に同じで,
みんな幸せな生活を送りたい
と思っていることに気づいています
科学者たちは今では,
私たちの基本的な性質が
慈悲深いものであると言います
愛と愛情が人々を一つにしてくれるのは
明らかなことです
たとえば発達心理学の最近の実験では,
一歳に満たない幼児でも,
「人にものをあげる」喜びを感じる,
ということが分かったそうです
汚れた大人たちの
ギブ・アンド・テイクではなく,
ギブ・アンド・ギブの精神が,
0歳児に「本能」的に根付いているのです!
ですが,悲しいかな,現状の社会原理に
ギブ・アンド・テイクは
生きていく上で必須の側面でもあります
だからこそ,努力して,
幼児期に誰しもが先天的に持っていたはずの
「与える喜び」=ギブ・アンド・ギブの精神を
想起しなくてはなりません
Since we desire the true happiness
that is brought about by a calm mind,
and such peace of mind arises
only from having a compassionate attitude,
we need to make a concerted effort
to develop compassion.
2018/8/29
私たちは穏やかな精神によってもたらされる
真の幸せを望んでいて,
そうした精神の平安が慈悲的態度を
持つことによってのみ生じるので,
慈悲心を広げるために
一致協力した努力をする必要があります
ダライラマ14世は,
チベット仏教にとって,
もはや「寺院」などいらないのではないか,
とさえ発言されています
The first of my personal commitments
is to work to increase human happiness
by encouraging the cultivation
of inner values and a sense of concern
for others’ well being.
These are the key factors
whether one is a religious person or not.
2018/8/31
私が個人的にまず関わりたい
と思っていることは,
内面的価値観と他者の幸福に
関心を持つ感覚が育まれるよう促し,
人間の幸福感を増やすために
働きかけることです
これらはその人が,
宗教的な人であるのかないのかの,
鍵となる要因です
個人的見解の域を超えませんが,
「宗教的」であるために
「宗教」に入る必要は全くないと思います
むしろ「宗教」に入ったがために,
「ウチ」と「ソト」の論理を助長し,
遂には戦争を起こしてしまうような
マインドを生むくらいなら,
そうしたことには全く無縁でいながらも,
電車で一歩,人に譲る行為の方が,
よっぽど「宗教的」に
美しいと思ってしまいます
ダライラマ14世にとって,
真のお寺は「モノ」ではありません…
それでは,このへんで