ブラジルの国立博物館で火災 設立200年
ブラジル・リオデジャネイロにある同国最古の科学機関、ブラジル国立博物館で2日、大規模な火災が発生した。
博物館には2000万点以上のコレクションが所蔵されており、消防隊が建物の消火に当たっている。
この火事でけが人が出ているかは不明だ。
同博物館は、かつてポルトガル王室の住居として使用され、今年6月に200周年を祝ったばかりだった。
ブラジルのテレビで放映された映像には、火が建物全体に広がった様子が映し出されていた。博物館の閉館後に出火したと考えられている。
ジャーナリストのジャスティン・フリーナー氏は、「ブラジル国立博物館が完全に火に包まれた。1818年に設立された同博物館は、ミイラや隕石、昆虫や化石を含む2000万点以上の品々を所蔵している。歴史が燃え盛るのを見るのは悲しい」とツイートした。
出火の原因は明らかになっていない。
ブラジルのミシェル・テメル大統領は、「全ブラジル国民にとって悲しい日」だったとツイート。「我が国の歴史の価値は、建物の損害から計り知ることはできない」と加えた。
現地TVグロボの取材に対し、博物館のディレクターは「文化的悲劇だ」と話した。
ブラジル国立博物館のウェブサイトによると、同博物館はブラジルや他の国々の歴史に関する品々を所蔵している。
所蔵品にはエジプトの遺物や、自然史のコレクションには重要な価値のある恐竜の骨や、アメリカ大陸で発掘された最古のものとなる、12000年前の女性の頭蓋骨が含まれている。
博物館の従業員からはかねて、予算の削減や建物の老朽化を懸念する声が上がっていた。