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ただならぬ雰囲気を纏うキット
少しばかり夏休みのにおいが残る9月頭の模型屋。特にこれといった目的はなく、それこそなにげなく店をのぞきにいったところ…それは唐突に私の前に現れました。
「んちゃ!」ということでFigure-rise Mechanics ARALEを衝動的に買ってしまった話です。これがただのアラレちゃんのプラモなら別にどうってことはないのですが、フィギュアライズシリーズと言えば何かしらの攻めた要素が仕込まれているわけです。
ほらほら、パッケージからして気になるものが見え隠れしています。内部メカなんて組み立ててしまえば完全に見えなくなっちゃうのに、ここまでのディテールが色分けまでされてパッケージングされています。
しかし、このキットの本質はそこじゃない。おまけである「うんちくん」こそがフィギュアライズシリーズのキットであることを叩きつけてくるのです。
So Goodな遭遇
伝わりましたか?箱を開けた瞬間の素晴らしい邂逅が。
伝わっていなさそうなので説明します。ドクタースランプといえば子どものワクワクが詰まったアニメ(マンガ)です。個々のキャラクターが魅力的なのはもちろんですが、彼らのドタバタをかつての子ども達にリアリティを伴って共感させたオブジェクト、それがピンクのうんちこと「うんちくん」。
子どもはうんちが好き、そしてそれをおおっぴらに表してもいいんだという赦しをドクタースランプが与えてくれたかはわかりませんが、アラレちゃんが唐突にしゃがみこんで突っつく、持ち上げて迫ってくる鮮烈に思い出すそんなシーンの数々。
トップに配置されたランナーの一番手前にうんちくんを持ってくることで、箱を開けた瞬間にその衝撃を味合わせてくれるんです。この体験が2,000円ちょっとで味わえるってすごすぎませんか?
わけの分からない感覚を味わえる組み心地
いつまでもうんちくんではしゃいでいるのもアレなので、ひとしきり興奮したら真顔にもどって組みましょう。見えなくなるのにハイディテールだなーとかガンプラのMGシリーズを手にしたときと似たような感想を抱きながら淡々とやっていきます。パーツ数は少ないのでサクサク進みます。
フィギュアライズシリーズではお馴染みになった感のある顔面のパーツ群。超がつくほど簡単なステップでこれ以上ないという精度で2Dが3D化されていく工程にため息が出ます。
はい。
伝わります?手の中で鳥山明(的じゃなく)そのままの物体が妙なメカを覆い隠しつつ完全に3D化してる現実。もはやゲラゲラ笑うしかありません。なにこの感覚…
パーフェクト!完全に破綻なく「キーン!」とか言いながらうんちくん突き出してくるアレです。
うんちくんにかける異常な情熱
ちょっとした恐怖を味わいつつ、いよいよこのキットの本丸「うんちくん」です。箱を開けたときの体験のデザインもすごいんですが、バンダイのこのキットにかける情熱はまだ語り尽くせていません。
模型慣れした方ならこの写真で「あっ」と気が付くかもしれませんが、このうんちくんはアンダーゲートになっているんです。どういうことかというと…
ランナーとパーツのつなぎ目(ゲート)がパーツの表面に出てこない処理がされているわけです。これが何を意味するかというと
面倒な処理をしなくてもつなぎ目の目立たない滑らかなうんちくんが再現できるということです。(上の写真は印刷の網点まで見える解像度で撮影されているので目立ちますが、少し均してあげれば実際はほとんど目立ちません)ほよよ!
組み立てる以上の体験ができる異常なプラモ
んちゃ!ということで完成したFigure-rise Mechanics ARALEです。このキット、普段プラモを作らないという(アラフォーの)人でも強烈な体験ができるので夏の疲れで遊びたいけど外に出るのはちょっとって時にでも手にしてみるといいんじゃないかと思います。めっちゃ元気になります。