2018年09月01日
【変化球?】『やらないこと戦略 最大限にクリエイティビティを上げる時間管理術』ドナルド・ロース
やらないこと戦略 最大限にクリエイティビティを上げる時間管理術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事の中でも人気だった時間管理術本。もっとも、対象としているのが「クリエイティブな人」ということで、ブランディングやアイデアに関する言及もある1冊です。
アマゾンの内容紹介から。
創造性にあふれる人や一流の仕事をしている人は そのアイデアを実行するための時間を作り、 そうではない時間はばっさり切り捨てている。
ジェフ・ベゾス、イーロン・マスク、デンゼル・ワシントン、 スティーブン・キング、クマのぷーさん、ウンベルト・エーコ、孔子、 エラスムス、セネカなどの時間節約、仕事に対する発言も紹介しながら、一流の仕事をするための時間管理術を紹介。
まだ中古が定価と変わりませんから、「20%OFF」のKindle版がオススメです!
The Pixar Venn Diagram of Truth / Aren'tYouAlex-Spencer?
【ポイント】
■1.〈やらないことリスト〉とは?〈やらないことリスト〉は単なる手法にとどまらず、選択に役立つ実際のアプリでもある。〈やらないことリスト〉法の原則に従って私が友人のプログラマーと一緒に開発したもので、〈ToDon'tList〉としてアップストアで配信されている。このアプリを開発したことも間接的には本書を書くきっかけになった。
アプリの仕組みはこうだ。まずリストは3つある──〈やることリスト〉〈したことリスト〉〈やらないことリスト〉。〈やることリスト〉には3項目しか入れることができない。それ以外の「やること」は自動的に〈やらないことリスト〉に入る。課題をひとつ終えると〈やることリスト〉のその項目が〈したことリスト〉に移される(達成感が生まれる)。これで〈やることリスト〉には新しい項目を入れるスペースができ、〈やらないことリスト〉からひとつ加えられる。
3か月以上〈やらないことリスト〉に残っている課題は予告なく消去される。本当に重要であれば、それまでに何か手を打っているはずだからだ。
■2.オーバーラップ法で自分を見つけ出す
さて、今あなたの手元には自分の最大の強みと最大の弱点のリストがある。そしてぜひともしたいことのリストも。では、共通の要素がどこにあるのか見てみよう。今回使うのはオーバーラップ法だ。⇒それぞれに重なり合う3つの円を描く。
⇒円のそれぞれにぜひともしたいことのひとつを書く。
⇒さて、ふたつの円の重なる部分に何があらわれるかに注目したい。ぜひともしたいことふたつに共通した特徴は何か。
⇒残るは3つの円すべてが重なる真ん中の部分だ。そこにある共通要素は何か。あなただ! そこにあなたの名前を書こう。
■3.メールの文章は5つまで
メールを書くなら、自分が何を望んでいるのかを明確に伝えるメッセージを送るようにしよう。そして簡潔にすること。文章を次の5つまでと縛りを設けるとかなり簡単になる。1.こんにちはすると、次のようなメールに仕上がる。
2.今から送信するもの
3.詳しく知る必要があること
4.アクションを起こしてほしいこと
5.それではこんにちは、ジェインこうすれば、相手がイエスかノーだけで答えられる明確な疑問を投げかけることになる。あるいは、もっと短い場合もある。
先日、湖で話し合った新しいデザインを送ります。
より自然に見えるように配色を変更しました。
こちらがお好みかどうかお知らせください。
それでは。 ターザン
■4.ファイル構造を構築する
まずは、基本構造を作る。たとえば「現在」「旧」「パイプライン」という3つのフォルダなど。古くなったフォルダはすぐに「旧」フォルダの下に置く。また、基本構造を年や月ベースにしてもいい。
書類がどこに入っているかを素早く説明できるようにするなら、番号をふるのもかなり時間の節約になる。たとえば「そのファイルならフォルダ2.2.1に保存されている」といった具合だ。「2」でデザイン、「2.2」でスケッチ、「2.2.1」でイラストを表すことにしてもいい。
ひとつの書類にも複数のバージョンを作成することが多いなら「card_vs1_commentsAB」など、書類に一定の名前もつけること。そうすればかならず目当てのバージョンを見つけることができる。
■5.ブレインストーミングではなくブレインハッシングをする
具体的な仕組みはこうだ。まずは、考え方や仕事のレベルが同じくらいの人たちと少人数のチームを作るようにしよう。
はじめに、新しいアイデアが必要なプロジェクトについて話し合う。この段階で、予備的なアイデアがいくつか自然とわいてくるはずだ。
その後、次にいつ集まるかを決める。そして次の「停車駅」で落ち合うまで、全員がそれぞれの経路をとりながらプロジェクトのアイデアについて考える。
再び集合したら、各自のアイデアを披露してもらい、それについて話し合う。そこまでにアイデアを練る時間が十分あったので、最初よりも具体的な話ができるはずだ。
次いで、いくつかの選択を行い(どのアイデア、もしくは基本原則をプロジェクトに活用すべきか)、そこからまたプロセスを継続する。
その後、話し合った内容について全員が検討すればいい。こうして、アイデアがやがて熟すのを待つ。すると次の日にでも突然、たとえばチームの誰かがスーパーのレジ待ちをしているときにすばらしいアイデアを思いつく可能性はかなりある。
【感想】
◆非常に広範囲な内容の1冊でした。冒頭でも触れたように、時間管理のみならず、パーソナルブランディングやアイデア発想法にまで触れられているので、著者の肩書を改めてみたところ、
オランダ王立芸術アカデミー講師、書体デザイナー、起業家。映画やテレビ、スマートフォンなど動画のタイトル制作に携わりながら、タイプデザインとタイポグラフィーを教えている。ということで、なるほど自分自身もクリエイティブ系なのだな、と。
それにしてもタイトルが漠然としているので、念のため原題を確認してみると、こんな感じでした。
Don't Read This Book: Time Management for Creative People
本題はさすがに挑発的(?)すぎて使ってないものの、副題は今回の翻訳版とニュアンスとしてはほぼ同じ。
一応、著者としても「タイムマネジメント本」という認識はあるようです。
◆一方で、原題になくて邦題にあるのが、メインタイトルでもある「やらないこと戦略」。
ここで用いる「やらないことリスト」は、上記ポイントの1番目にもあるように、著者たちが開発したアプリにもなっているようです。
「ToDon’tList」をApp Storeで
なるほど、すべきことが多ければ多いほど時間が必要となりますから、「やらないこと」を決めることこそが、時間捻出につながる、という考え方は納得。
詳細については、本書の第2章にてご確認ください。
◆続く第3章では、自分の得意なことや不得意なこと、といったブランディングがテーマ。
本当は上記ポイントの2番目の「オーバーラップ法」を行う前に、自分の「守備範囲」(得意なことと苦手なこと)を決めるのですが、スペースの関係上割愛させてもらいました。
ちなみにこの「オーバーラップ法」のパートで用いられているのが、本書の書影に使われているベン図なので、この部分は本書のキモの1つなのではないか、と。
さらに、ここまでやってから、この第3章のタイトルでもある「ライフプラン」を作成することになります。
自分のハッシュタグを見つける方法やら、その検証方法やら、ハイライトを引いた部分は多いのですが、この章ばかりから抜き出すわけにもいかないので、泣く泣くパスした次第……。
◆ただ、こういう話も「やらないことを見極めるため」と考えたら、「タイムマネジメント」に関係がないとは言い切れませんが、ぶっちゃけ時間とは関係ないお話です。
それに比べると第4章では、正攻法的な仕事術が登場。
上記ポイントの3番目のメール術は、完全に実践するのは難しいでしょうけど、意識しておくべき考え方ですし、上記ポイントの4番目のファイル整理も、整理術本ではおなじみのTIPSです。
個人的には、ファイルやフォルダの名前の先頭に数字を振ることは知っていたものの、数字だけのタイトルにしてしまう、というのは目からウロコ(一見して分かるか、というと微妙ですが)。
さらにこの第4章では、上記ポイントの5番目の「ブレインハッシング」なるアイデア出しのやり方も紹介されていました。
この「ブレインハッシング」、ググってみたのですが、全然ヒットしないので、著者の造語かもしれません。
◆最後の第5章では、アイデアを実現する方法について言及されているのですが、この辺は正直、「時間」とは関係なさげ。
原題にある「Creative People」にとっては、時間よりももっと大切なのでしょうけど、今回は割愛しました。
いやもう、お腹一杯っす……。
なお、本書は当初書き上げた時点では、この倍の分量があったらしく、それを削って半分にしたとのこと。
一方で、デザイン系の人らしく、本書内にはイラストが満載となっています。
また、冒頭の内容紹介にもあったように、本書の内容に沿った「名言」が多数収録されているので、こちらもお楽しみアレ。
クリエイティブな働き方をしたい方に!
やらないこと戦略 最大限にクリエイティビティを上げる時間管理術
第1章 クリエイティブな人にはなぜ時間管理が必要なのか?
第2章〈やらないことリスト〉法
第3章 人生―プランを立てる
第4章 仕事―ルーティンを作る
第5章 プロジェクト―余分なものを省く
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【編集後記】
◆対象がコミックなので、当ブログ的には個別でご紹介はできないのですが、現在アマゾンではこんなセールが行われています。Amazon.co.jp: 一迅社全点50%ポイント還元セール: Kindleストア
興味のある方は、ぜひご確認ください!
ご声援ありがとうございました!
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